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2014.10.29
没後40年、いわさきちひろのやさしくも力強い物語の世界へ
世代を超えて愛され続ける絵本画家、いわさきちひろ。彼女の没後40年を記念し、「安曇野ちひろ美術館」で「ちひろの絵本づくり ―表現の可能性を求めて―」が11月30日(日)まで開催されています。
顔を洗う男の子『ひとりでできるよ』(福音館書店)より 1956年 展示では、彼女に画家となることを決意させた紙芝居『お母さんの話』から、最後に完成させた絵本『戦火のなかの子どもたち』未完の遺作となった『赤い蝋燭と人魚』まで、創作の軌跡を紹介しています。

りゅうにのる男の子 『りゅうのめのなみだ』(偕威社)より 1965年
最初の絵本『ひとりでできるよ』では、主人公の男の子をいきいきと描き、「子どもが書ける絵本画家」としての評価を高めました。ほかにも、『りゅうのめのなみだ』では丁寧な自然描写を行い、『あめのひのおるすばん』では主人公の心の揺れ動きを絵で感じさせるなど、それまで「文字」が主役だった絵本の世界に「絵で展開する絵本」の表現方法を切り開きました。

窓ガラスに絵をかく少女 『あめのひのおるすばん』(至光社)より 1968年

手に包帯をしたひさ 『ひさの星』(岩崎書店)より 1972年

戦火のなかの少女『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)より 1972年

人魚の少女『赤い蝋燭と人魚』(童心社)より 1973年
1974年に肝臓がんのため享年55歳という若さで亡くなった際の最期の言葉は、「まだ、死ねない。もっと描きたい」だったといういわさきちひろ。柔らかいタッチながらも力強い信念を持つ彼女の世界に、心動かされるはず。

ちひろ没後40年 ちひろの絵本づくり ―表現の可能性を求めて―
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たままい。+ノオト 写真提供:安曇野ちひろ美術館
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