608
2017.03.10
一駅で二つの世界遺産をめぐる!奈良の旅で立ち寄りたい「西ノ京」エリア
阿倍仲麻呂が遣唐使として平城京を出立してから1300年目の年を迎え、盛り上がる奈良。平城宮跡周辺では、平城宮の復原をはじめ、さまざまな取り組みやイベントが行われます。 そんな、今注目の平城宮跡から少し南にあるのが西ノ京です。朱雀大路の西にあたることから西ノ京と呼ばれるこのエリアの見どころは、世界遺産に登録されている2つの寺院。ひと休みするのにぴったりのカフェとともに、世界遺産をめぐる西ノ京のさんぽ旅をご紹介します。
美しい薬師三尊像と対面する「薬師寺」
白鳳時代の様式を再現した金堂は昭和51(1976)年に再建されたもの
近鉄西ノ京駅からすぐの「薬師寺」は、天武天皇9(680)年、天武天皇の発願で当時都があった藤原京に造営をはじめ、後の平城京遷都にともない現在の場所に。 1998年に「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されました。 創建当時の姿を唯一残す国宝の東塔(2020年6月まで解体修理のため非公開)をはじめ、後に再建された壮麗な金堂や西塔などを見ることができます。
国宝に指定されている薬師三尊像
国宝や重要文化財の仏像を多数有することでも知られ、なかでも金堂に安置される薬師三尊像は必見です。 静かなたたずまいの薬師如来坐像を中心に、左右には、ゆるやかな曲線で腰をひねる女性的な姿が美しい日光菩薩と月光菩薩の立像が控えています。 薬師如来が座る台座にも注目してみてください。ギリシャ、ペルシャ、インド、中国と、シルクロードを通じて日本に渡ってきた、各国の文様が施されています。 (拝観料/800円、玄奘三蔵院伽藍公開時は1100円)
薬師寺
ヤクシジ
鑑真和上ゆかりのお寺「唐招提寺」
国宝に指定されている金堂。3m以上の大きさを誇る本尊の盧舎那仏坐像など多数の仏像を安置する
薬師寺から北へ少し歩くと「唐招提寺」が見えてきます。 こちらも「古都奈良の文化財」の一つとして、薬師寺などと同時に世界遺産に登録されたお寺です。 奈良時代につくられた伽藍の多くが残り、当時の様子をより身近に感じることができます。 また、本尊の盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)や、実際に千本の手があったという貴重な千手観音立像など、国宝や重要文化財の仏像も多数安置しています。
鑑真の墓所である開山御廟。現在も鑑真を偲び多くの人が参拝に訪れる
唐招提寺の創建は、天平宝字3(759)年。僧侶になるための戒律を授ける「伝戒の師」として唐から招請された高僧・鑑真が、修行道場として開いたことに始まります。
境内奥には一面緑の苔に覆われた静かな庭が広がる
歴史を物語る貴重な文化財のほかにも、しっとりと緑の苔に覆われた庭、夏には境内の池や随所に置かれる鉢で咲き誇る蓮の花など、たくさんの見どころがあります。 舎利殿から魔除けのご利益があるといううちわをまく5月の「うちわまき」も、例年多くの人が訪れる行事として有名です。 (拝観料/600円、新宝蔵は別途200円)
唐招提寺
西ノ京めぐりのあとは「のどかふぇ」でひと休み
食後のコーヒーやデザートも選べる「本日のランチ」(1100円~)
お寺めぐりのあとは、木のぬくもりを感じられる「のどかふぇ」でゆっくりひと休みしませんか? アットホームな雰囲気で味わえる「かふぇごはん」は、厳選された奈良の野菜をふんだんに使った人気のランチ。 デザートには、こだわりのシフォンケーキとわらびもちを使った「わらびもちパフェ」(800円)など、自家製スイーツも人気ですよ。
のどかふぇ
いかがでしたか?田園風景の中に大きな寺院がたたずむ西ノ京は、時間が経つのを忘れてしまいそうな、のどかな雰囲気も魅力です。 薬師寺と唐招提寺はゆったりめぐっても半日ほど。ひと休みできる素敵なカフェもあるので、平城宮跡と一緒に散歩してみてください。
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
岩永 茜
奈良県・阿倍仲麻呂遣唐1300年
阿倍仲麻呂が遣唐使として平城京を出立し、今年で1300年。盛り上がりを見せる奈良・平城宮跡周辺は、遣唐使にまつわる史跡からおしゃれなカフェまで、注目スポットがたくさん。 今年は、歴史とロマンを感じる奈良へおでかけしませんか?
の人気記事