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2015.08.18
三軒続きの長屋にセレクト書店が登場。「スロウな本屋」でお気に入りの一冊を
2015年の春、岡山市に古民家を改装した小さな本屋がオープンしました。店名のとおり“ゆっくり”をテーマに、暮らしにまつわる書籍や絵本をセレクトしています。

半世紀以上の時を刻む建物を生かした本屋さん

三軒長屋の一番手前が「スロウな本屋」。昔ながらの趣ある門扉をくぐる
戦前に建てられたという木造2階建ての三軒長屋。JR岡山駅から徒歩20分ほどの路地裏にあり、建物の周りだけ、どこか懐かしい雰囲気が漂っています。この味わい深い長屋の一軒を本屋にすべく、店主の小倉みゆきさんが友人知人の手を借りて改装しました。無垢材や珪藻土、柿渋、蜜ろうなどの天然素材を使ってつくり上げた空間は、心静かに、ゆっくり本と向き合うのにぴったりです。 店舗は建物の1階部分。ふすまを取り外した二部屋に、衣食住といった暮らしまわりの本、絵本、小説、リトルプレスなど約800冊をそろえています。

季節など、テーマに合わせて本を並べた一角

一冊の本が何かのきっかけに

小倉さんにリクエスト。最終的に決めたのは、実直な言葉で綴られた『カリヨン黒板日誌』(2160円)
時々、お客さんからおすすめを一冊選んでほしいとリクエストされるという小倉さん。ちょっとした会話を糸口に、今その人が必要としている本を棚から数冊抜き出して手渡し、最終ジャッジはお客さん本人にゆだねます。後日、「本に背中を押してもらって、一歩踏み出すことができた」とうれしい便りが届くことも。「本は読んで、感じて、動くもの」。そう話す小倉さんは、一冊の本がきっかけで、何かが始まることを信じています。

大人の心に響く絵本

店主・小倉さんおすすめの絵本
「忙しい大人にこそ“効く”のでは」と小倉さんがおすすめする絵本は、短い時間でもすぐに読めて、気分転換にうってつけです。最小限の言葉で、大切なことを伝えてくれる絵本。パッと開いたそのページで響いてくるフレーズに遭遇したり、たとえその時は素通りしても、のちに、ふっと思い出して心にしみ入ったり。即効性がなくても、じんわり効いてくるのが絵本の底力だといいます。
こちらでは絵本を持ち寄って、紹介し合う「大人( )絵本の会」を毎月開催しています。( )に入る言葉は自由です。大人(の)、大人(にも)、大人(こそ)・・・・・・。会ではあらすじを説明したり、読み聞かせをしたりと自分の言葉で話すことで、何度も読んでいる絵本の魅力を再発見できると好評です。

かつての押し入れが絵本コーナーに。下の段は子どもたちがもぐり込んで過ごせるスペースになっている

オーガニックの素材を使った焼き菓子も

本の形のクッキーは「スロウな本屋」オリジナル
また、本と一緒に買って帰って読書のおともにしたい、「のらくら堂」の焼き菓子も扱っています。オーガニックやフェアトレードの食材で手作りしたもので、本の形をしたクッキーはさわやかなレモン風味やココア風味など、季節ごとに異なる味が楽しめます。木イチゴの甘酸っぱさが口に広がる、まんまるクッキーも評判です。 今度の休日はお気に入りの本を探しに、「スロウな本屋」へでかけてみませんか。おいしいスイーツも待っていますよ。

スロウな本屋
スロウなほんや
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小野 泰子
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