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2017.11.03
みかん倉庫から町の人が憩うカフェへ。和歌山のコーヒー焙煎所「THE ROASTERS」
和歌山駅から車で30分、畑に囲まれた小さな集落にある、コーヒー焙煎所「THE ROASTERS」。元みかん倉庫をセルフリノベーションした温かみのある空間では、世界中の農園から厳選されたコーヒー豆の購入や淹れたてのコーヒーをゆっくり味わうことができます。
原産国の国旗をモチーフにしたかわいらしいパッケージ

カラフルなデザインは神谷さんが美術大学時代に知り合った友人のデザイナーが手がけている。オレンジのようなとろりとした甘みを感じさせる「コスタリカ」( 200g 1512円)
「THE ROASTES」の店頭で販売しているコーヒー豆は、焙煎士の神谷仁子(かみやじんこ)さん自ら世界各国の農園から厳選し、店内で焙煎しています。

コクのあるカラメルのような風味の「グアテマラ」(200g 1404円)
それぞれの豆の原産国である国旗をモチーフにしたパッケージは見た目もカラフルで、手土産やプチギフトにもよさそうです。
コーヒー好きが高じてたどりついた焙煎士への道

神谷仁子(かみやじんこ)さん。「カウンターに立ってお客さんと話すだけで焙煎の参考になります。みなさん、ここに座ると自然と自身の“コーヒー論”を語ってくれるので楽しいです」(神谷さん)
神谷さんがコーヒーの道にすすむきっかけとなったのは、一軒のカフェとの出会いからでした。 「東京に住んでいた頃、好きで通い続けていた板橋のカフェ「roji cafe」(現在は閉店)で働けるようになったんです。そこでコーヒーの味を学びました。コーヒーの産地によって味が違うことを自分の舌で確認できたときは感動しましたね」(神谷さん)

神谷さんとの会話が楽しめる6.5mの対面式カウンター席のほか、北欧製のデザイナーズチェアや海外の写真集、植物などが並ぶ店内
本格的に焙煎の勉強をするため東京・南千住の老舗喫茶店「カフェ バッハ」のトレーニングセンターへ入り、知識や技術を磨いていきます。
「東京ではない場所」でお店を持ちたい

入口付近にある焙煎機。店内はコーヒーの香りが広がる
いつか自分のお店を持ちたいと思っていた神谷さん。 ひとつ決めていたことは「東京ではない場所」で、お店をもつということでした。 「東京にはたくさんカフェがありますし、人も多い。私自身、もっと集中できる場所で焙煎士として理想を追求したかったんです。それにせっかく来てくれるお客さんとゆったりした空間で、じっくり話もしたかった。だから東京ではないなと」(神谷さん)

入口では毎日愛犬「シロ」が迎えてくれる
それから、ご主人の出身地である和歌山へ移住。 和歌山で自分のお店を始めようと店舗スペースを探していた時、 「和歌山に遊びにきた友人が主人の祖父が使っていたみかん倉庫を見た時、ここをお店にしたら?とアイディアをくれて(笑)」(神谷さん) 店舗の場所が決まった後は、店舗デザインや家具の設計に携わってきた夫の健(たけし)さんと友人のイギリス人大工が、約9ヶ月かけてリノベーション。2014年9月、ついに「THE ROASTERS」がオープンしました。
町の憩う場としての「THE ROASTERS」

1杯ずつていねいにドリップされるコーヒーを楽しめる。
オープンしてから3年経った現在、「THE ROASTERS」は、幅広い年齢層の地元のお客さんが来るお店となっています。

「ホットコーヒー」(450円)
「コーヒーが美味しいだけではなく、こうして豆を買いにきてカウンターに座ってくつろぎたいというのが、実は買い続けている理由なのかもしれません。みんな、ここに入ると時間を忘れる。気付いたら数時間座っていることもあるんです」とのこと。

仕事帰りにふらっと立ち寄り、神谷さんと話して帰る近隣の住人も多く、町の憩いの場としての役割も果たしているようです。 「THE ROASTERS」は観光客が多く訪れる紀美野町で、コーヒースタンド「THE STAND」として週末限定で出店しています。 和歌山に来るときは、こちらのスタンドに立ち寄ってみるのも良いですね。

THE ROASTERS
ザ ロースターズ
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写真:ことりっぷ編集部
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