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2017.12.06
手しごとのぬくもりを探して登戸・向ヶ丘遊園へ
古来、多摩川から丘陵地への登り口だったためにこの地名がついたともいわれる登戸。今回はその丘陵地にある生田緑地へと足を向けてみます。伝統の手しごとを体験したあとは、登戸や向ヶ丘遊園の心ぬくむお店をめぐってみませんか?

古民家の野外博物館で伝統文化に触れて

基本はハンカチ染め。天然素材のものに限り持ち込み染色も可(要予約)
東日本の代表的な民家をはじめ、水車小屋・船頭小屋など25棟の建物が並ぶ日本民家園。 こちらの西門にあたる伝統工芸館では、川崎市の紺屋の技術を受け継ぐ8基の「藍がめ」で藍染め体験が楽しめます。 体験は洗濯ばさみやビニール紐、金網などで生地に模様をつけるところからスタート。それを藍液にゆっくりと浸し、取り出して空気にさらすという作業を繰り返していきます。深い緑色に染まった布が、酸化によってみるみる青い色へと変わる瞬間はまるで手品のよう。この工程を繰り返すことで、日本古来の美しい藍色に染め上がるのだそうです。 最後は色止めをして、洗濯ばさみなどを外したら完成。おおむね、1時間ほどで終了します。 体験後は日本民家園の園内をのんびり歩いて散策を。

川崎市立日本民家園 伝統工芸館
カワサキシリツニホンミンカエンデントウコウゲイカン
http://www.nihonminkaen.jp/
入館無料(ハンカチ染め体験620円~、日本民家園は入園料500円)

ひとつずつ焼き上げるセイロンシナモンのスイーツ

「シナモンロール」(各種 390円~)
シナモンの最高級品種・有機のセイロンシナモンを使ったシナモンロールの専門店。 スリランカより独自に仕入れるセイロンシナモンは、辛味がほとんどなく、澄んだ香りが特徴。国産小麦と豆乳を使うふんわりと軽い生地、有機レモンが香るグレーズもシナモンのおいしさを引き立てます。 プレーンなどの定番と季節のフレーバーの7種類があり、どれを買うか迷ってしまいそうですが、店主の森麻里子さんが「自分の手作業で作れる分だけ」を焼くため、販売は1日100個限定・購入は1人4個まで。売り切れが多いので、早めの時間に訪問を。

CEYLON
セイロン

設計事務所の一角にある、すてきな暮らしの道具店

「青人窯の陶器のお皿」(1500円~)、「NISHIGUCHI KUTSUSHITAのソックス」(1200円~)
住宅や店舗デザインを手がける設計事務所が「空間だけでなくふだんづかいの道具にもこだわることを提案したい」と開いた雑貨店。住宅街の路地にひっそりと立つ、小さなお店です。 店内に並んでいるのは、全国からよりすぐった上質な陶器や小物たち。新潟・青人窯の陶器や、奈良のファクトリーブランド・NISHIGUCHI KUTSUSHITAのふんわり暖かいウールのソックスなど、ほかではなかなか見かけない品々は冬のギフトにもよろこばれそう。 ひとつひとつの雑貨に触れながら、モノに込められたつくり手の思いや世界観を楽しんでみてはいかがでしょう。

hitelas
ヒテラス

自家製粉にも取り組む地元で人気のベーカリー

「クロワッサン」(238円)、「クッキー詰め合わせ」(1944円)
代々木八幡にある「365日」の杉窪章匡さんがプロデュースし、“弟子”にあたる有形泰輔シェフが切り盛りするお店。 パンごとにいくつもの国産小麦を使い分け、その他の食材もオーガニックやそれに準ずるものを用いているそう。最近では無農薬で栽培された国産小麦の自家製粉も行うなど、素材にこだわったパンが並びます。 スペシャリテは、イズニー社の発酵バターをふんだんに使ったクロワッサンや、種類豊富なキッシュの数々。2017年8月には隣にベイクドをテーマにしたカフェもオープンし、焼き立てのパンや特製スイーツをゆったり味わえます。

C’EST UNE BONNE IDÉE!
セテュヌボンニデー

川崎そだちの野菜がぜいたくに味わえるフレンチビストロ

週替わりとなる「ランチのコース」(3000円)
登戸駅からすぐの路地にある一軒家ビストロ。肩ひじを張らない気さくな雰囲気と、フレンチらしい華やかな料理の数々に地元でもファンの多い一軒です。 こちらでぜひ味わいたいのがスタッフが近隣の農園で収穫する地元野菜。前菜やメインディッシュのほか、デザートや食後のドリンクに使うハーブなども可能なかぎり地元のものを用いているそうです。 そんなおいしい食材を気軽にたっぷり味わえるのがランチのコースです。訪れた日は、とれたてのナスを油で揚げて、皮をむいてからコンソメに浸したナスのコンポート生ハム添え、店内でスモークしたキンタロウマス、国産牛のステーキと季節野菜のグリルなどごちそうがずらり。内容は週替わりのため、訪れるたびに至福の出会いを楽しめそう。夜は、豊富なアラカルトとワインも好評です。

Bistro Capricieux
ビストロカプリシュー

「図書館のカフェ」をイメージした静かな一軒

「フォンダンピーカンナッツ」(420円)、「ジンジャースパイスティー」(490円)、「セット(フォンダンピーカンナッツ、ジンジャースパイスティー) 」(870円)
多摩区役所前の向かい側、レトロな波ガラスの引き戸のあるカフェです。 建物は、昭和40年代に建てられた商店を改装したもの。「図書館の中にいるような落ち着いた空間」をイメージした店内で、店主の小西謙介さん手づくりのスイーツととっておきのドリンクが楽しめます。 冬の人気者は、ヴァローナ社のチョコレートを使ったフォンダンピーカンナッツ。ぱっと見るとケーキのようですが、よく見ると生チョコレートそのもの。最初は少し固めなのに、口のなかに入れるとチョコレートが一気に溶け出し、一瞬でカカオの高い香りとビターな味わいに包まれます。「チョコレートの一番おいしい瞬間を楽しんでほしい」と、焼き時間を秒単位で計算しているとのこと。チョコレート好きのためのスイーツと呼びたい一品です。 からだを温めてくれるすりおろし生姜入りのジンジャースパイスティーや、西永福にある「ヤルクコーヒー」の豆を1杯ずつ淹れるコーヒーとともに味わってみてください。

CAFE NIKO
カフェニコ

前回は新百合ケ丘を紹介しました。記事はこちらからどうぞ♪
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佐藤史子 写真:井上英祐
小田急電鉄

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