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2018.08.01
この夏はマイナスイオンに包まれる黒部峡谷&北アルプスへ。レトロなトロッコ電車で巡る絶景旅
富山県黒部市にある「黒部峡谷」は、「日本三大渓谷」のひとつで、「日本の秘境百選」にも選ばれた国内屈指の名勝です。北アルプスと立山連峰の間に刻まれた深く険しいV字峡に沿って、山肌を縫うように進む、小さな「黒部峡谷トロッコ電車」(くろべきょうこくトロッコでんしゃ)。両岸から迫る断崖や夏ならではの景色をたっぷり味わう、五感に響く旅をご紹介します。
好みに合わせて選べる車両!
心ときめくレトロな電車♪
「黒部峡谷トロッコ電車」の始発駅「宇奈月」(うなづき)は、富山地方鉄道「宇奈月温泉駅」から徒歩5分のところにあります。「黒部峡谷トロッコ電車」はもともと資材運搬を目的とした鉄道で、宇奈月駅から終着地・欅平駅(けやきだいらえき)まで全長約20km、片道約1時間20分におよびます。沿線には計10個の駅がありますが、一般客が乗車可能な駅は宇奈月・黒薙(くろなぎ)・鐘釣(かねつり)・欅平の4駅です。トロッコ電車の車両は3種類あり、季節や旅の気分によって好きな客車を選べるのも楽しいポイントです。
「普通客車」(オープン型)の車両。座席は横一列4人掛け
窓がなく開放感抜群の「普通客車」は黒部峡谷ならでは。天気の良い日は、次から次へと現れる絶景をぜひカメラにおさめましょう!肌寒い季節や雨の日は、窓の開閉が自由にできる「リラックス客車」(運賃+530円)と「特別客車」(運賃+370円)がおすすめ。「リラックス客車」は、時刻によって乗降口を拡大したバリアフリータイプの客車も用意してあります。
目を見張るとっておきの絶景
切り立った深いV字峡をすすむトロッコ電車
日本一深いV字峡谷の中を、いくつもの橋を渡り、トンネルをくぐり抜けるスリル満点なトロッコ電車の旅は、出発直後から見逃せない車窓ポイントの連続です。
宇奈月駅から徒歩3分の「やまびこ展望台」から一望できる「新山彦橋」
トロッコ電車が最初に渡る真紅の鉄橋「新山彦橋」(しんやまびこばし)。列車の音がやまびことなって宇奈月温泉街に響くことが名前の由来になっているそう。紅葉の季節は、赤や黄色に色づく木々と青色に輝く黒部川のコントラストは息をのむ美しさ。
自然との共生も大切に「猿専用吊橋」
うなづき湖上の高さ15mのところには、手すりのない何とも不安定な吊り橋が…。それもそのはず、野生の猿のために架けられた橋なんです。ダム建設後も猿が対岸に渡れるように設けられました。運が良ければ群れで橋を渡る猿の姿が見られるかもしれません。
「新柳河原発電所」(左)と「宇奈月ダム」(右)紅葉が広がる秋に訪れるのもおすすめ
ぜひともカメラにおさめたいのが「宇奈月ダム」。エメラルドグリーンに輝く湖面の神秘的な美しさに誰もが魅了されるはず。ほとりに佇む、ヨーロッパの古城をイメージしたかわいらしい「新柳河原発電所」にも注目です。
“秘境散策”に“秘湯めぐり”…途中下車の楽しみも!
トロッコ電車の旅だけでなく、途中駅や終着駅周辺の観光スポットもおすすめです。「欅平駅」周辺には、岩壁をえぐり取るようにして造られた遊歩道「人喰岩」や黒部川本流で最も川幅が狭い「猿飛峡」、清流や名剣山などを眺めながらゆっくりできる「河原展望台・足湯」など、自然を存分に楽しむことができるスポットが満載です。時間に余裕をもったプランで、秘境の散策を満喫してみてはいかが。
「祖母谷温泉源泉」でマイ露天風呂を楽しむ!
さらに、欅平駅周辺や途中駅には、温泉好きにはたまらない、野趣あふれる“秘湯”がたくさん。欅平駅周辺の「祖母谷地獄」や鐘釣駅周辺の「鐘釣温泉 河原露天風呂」は、付近の河原を掘れば温泉が湧きだす知る人ぞ知る温泉地。好きな場所を掘って石で囲むと、“マイ露天風呂”のできあがり♪ほかにも“立ち寄り湯”ができる旅館が多数あるので、途中下車して旅の疲れを癒すのもおすすめです。 絶景と温泉と極上の癒しを与えてくれる、コトコト走る、小さなトロッコ電車の旅に出かけてみませんか。
黒部峡谷鉄道・営業センター
クロベキョウコクテツドウエイギョウセンター
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名川 絢花
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