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2018.09.06
フルーツの甘い香りに誘われて、実りの秋の藤沢へ。湘南台・長後さんぽ
湘南ビーチのイメージが強い藤沢ですが、海から少し離れれば神奈川県を代表する農業エリアが広がっています。なかでも注目したいのが藤沢産のフルーツたち。秋には、ぶどうやなしをはじめ、ていねいに栽培された宝石のような果実が食べごろを迎えています。小田急線の駅から歩いて行ける果樹園でくだもの狩りを楽しんだら、地元で愛されるすてきなお店へ。電車でのんびりと秋のおさんぽを楽しんでみましょう。
藤沢では貴重なりんご狩りも楽しめる「神山果樹園」
藤沢生まれの「藤稔」のぶどうの木もある(上段)、つやつやした実がたわわになるなし畑(下段)
湘南台駅から徒歩10分。有機肥料を使って育てるぶどうやなしのほか、藤沢市内ではめずらしい約60本のりんご園を手がけている農家がこちらです。 9月に旬を迎えるのは、ぶどうならシャインマスカット、翠峰、瀬戸ジャイアンツなど。なしは、豊水やあきづきなど品種を変えながら10月上旬まで楽しめます。いずれも、花が咲く春からたいせつに育て、食べごろになる瞬間まで木で完熟させるため、果実味の濃いジューシーな味わい。果樹園ならではのおいしさです。
真っ赤な実がなるりんご畑。歩くだけで楽しい
神山果樹園では、なしとりんごのくだもの狩りを実施しています。少し離れた境川近くに広がるりんご園では、9月下旬から10月下旬まで、シナノスイート、シナノゴールド、紅玉、秋映の4品種が食べごろに。なし、りんごともに摘み取ったぶんを購入する仕組みなので、まずは秋の畑をのんびり歩いてみましょう。 このほか、直売所では各フルーツと旬の野菜も販売中。気軽にお買物も楽しめますよ。
交通:小田急線湘南台駅から徒歩10分
神山果樹園
コウヤマカジュエン
http://oishiifujisawa.jp/noenwebmain/kudamono-nouen/510-kouyama-kajyuen.html
くだもの狩りは事前に要電話確認、入園無料、なし1kg800円~、りんご1kg700円~など(品種によって異なる)
多品種栽培と土づくりにこだわる「フルーツパーク長後」
例年に比べて生育が早いという今年のなし畑
長後駅から歩いて8分の場所にも果樹園があります。かつて麦や桑を栽培していた農家が約60年前にくだものの栽培を始めたという「フルーツパーク長後」です。土づくりからこだわる農家が多い藤沢ですが、ここでは有機中心の特注肥料を使ったくだもの栽培が行なわれています。 ユニークなのは、市内にある大学の馬術部とも提携していること。学生たちが運んでくる馬の堆肥をふんだんに用いることで、より甘く、おいしい果実が育つのだとか。
粒の大きな甘いぶどうがいっぱい
こちらでは、いくつかの畑やハウスになしとぶどうをそれぞれ10品種ほど栽培していて、夏から秋にかけて長い期間くだもの狩りが楽しめるのも魅力です。 なしは、豊水やあきづき、甘太などが徐々に旬を迎え、9月中旬まで続くそう。ぶどうは9月いっぱいまでで、クイーンニーナやシナノスマイルが食べごろに。また10月からは、洋なしや柿も旬を迎え、いずれも摘み取った分を購入するくだもの狩りが楽しめます。直売所もあるので、帰りにはそちらもチェックしてみて。
交通:小田急線長後駅から徒歩8分
フルーツパーク 長後
フルーツパークチョウゴ
http://kajyuen.com/
くだもの狩りは事前に電話での確認がおすすめ、入園無料、ぶどう1kg2000円前後、なし1kg1000円前後など(品種によって異なる)
自家栽培のさつま芋のパンもおいしい「パン工房AOKI」
約80種類のパンが並ぶ店内(左)、秋限定の「紅芋さつまブレッド」(350円)、「湘南珈琲」(280円~)(右)
からだにやさしくておいしい、毎日食べたくなるパンがそろっていると地元で人気のベーカリー。 北海道産など3~4種類の国産小麦をブレンドし、天然酵母を使ってじっくりと発酵させるのがおいしさの秘密。毎朝、ガスオーブンで焼き上げたパンが売り切れ次第終了なので、早めの時間に訪れたい一軒です。
左から「かぼちゃレーズンブレッド」(350円)、自家製「ブルーベリーデニッシュ」(230円)、「古代玄米食パン」(360円)
オーナーのもうひとつのこだわりは、近くにある約100坪の畑で野菜や果物を栽培していること。秋には、紅芋を練り込んだデニッシュに、畑でとれたばかりの紅あずまがごろごろ入る「紅芋さつまブレッド」など、数種類のさつま芋を使ったパンが登場します。 同じ畑でとれるキウイなどフルーツを使うパンやデニッシュも秋の楽しみのひとつ。店内に10席、ペットも同伴できる屋外のテラスに10席のイートインコーナーもあり、湘南珈琲などドリンクとともに味わえますよ。
交通:小田急線湘南台駅から徒歩8分
パン工房AOKI
パンコウボウアオキ
長後の住宅街にたたずむ隠れ家「Garland Cafe」
かわいらしい外観(左)、「本日のプレートランチ」(980円)
女性オーナーが自宅の1階とテラスを改装し、16年前にオープンしたのがこちらのカフェ。長後駅から少し離れた住宅街にある、知る人ぞ知る一軒です。
「マンゴーのかき氷」(600円)
訪れる人の多くがオーダーするのが、平日限定のプレートランチ。地元の農家から仕入れる野菜を中心とした手づくりのお惣菜が好評で、かぼちゃの塩バター煮、揚げ鶏のマリネ仕立てなどが並びます。ブイヨンで炊き込んだご飯、日替わりのスープ、デザート、ハンドドリップのコーヒーなどドリンクも付くので、食後までのんびりできそう。 そのほか、ランチならとろとろオムライス、10月までは自家製の白みつを使ったかき氷も楽しみです。
交通:小田急線長後駅から徒歩10分
Garland Cafe
ガーランドカフェ
フルーツタルト目当てに訪れたい「comme en province」
左から秋限定の「いちじくのタルト」(432円)、「おいし湘南です」プレーン、くり(各216円)
広尾のパティスリー&サロン・ド・テ「ルコント」のほか、パリなどフランス各地で修業したシェフが開いた焼き菓子とケーキの店。 店名に「田舎風の」という意味を込めたというシェフのスペシャリテは、パイ生地やシュクレ生地の素朴なタルト菓子。店内にはたくさんのスイーツが並んでいますが、ざくざくと香ばしいタルトと旬の果実が出会うフルーツタルトは、ぜひ味わいたい一品です。
かわいい店内。レトロなガラス瓶に入ったバラ売りのサブレ(70円)なども並ぶ
秋のおすすめは、サクッとしたパイ生地にフレッシュないちじくをたっぷり乗せた「いちじくのタルト」。中にはふんわり軽い生クリームと、もちもちとしたココナッツの求肥が入っていて、繊細な4つの味と食感が楽しめます。 9月から11月までは、オリジナルクレープ生地にバニラビーンズたっぷりのカスタードクリームを巻く看板商品「おいし湘南です」にも秋限定のメニューが登場。くりのクリームに渋皮ぐりがたっぷり入った「くり」は、マロン好きな人にぜひ。
交通:小田急線湘南台駅から徒歩4分
comme en province
コムアンプロヴァンス
家づくりのお手本にしたい苗と雑貨のお店「LUCY GRAY」
藤沢市総合市民図書館のすぐ前にある
地元の花農家出身の夫妻が手がける、苗とガーデン雑貨のお店。四季折々の花や緑が揺れるガーデンのなかにあり、ときどきカフェと間違えて入ってくる人もいるというかわいらしい一軒家ショップです。
ドライフラワー(1本100円~)、スワッグ(2000円前後~)など
まず眺めたいのが、屋外エリアと母屋の裏にある温室に並ぶ苗の数々。自家栽培するもののほか、全国から取り寄せるめずらしい品種も多く、これを目当てに遠方から訪れる人もいるのだそう。建物の周囲にはイングリッシュ風、南仏風などテーマを変えた手づくりのガーデンがあり、実際の栽培シーンを想定しながらお買物ができるのもポイントです。 ドライフラワーやガーデン雑貨がたくさん並ぶ店内も、見るだけで楽しくなりそう。とくに手づくりのドライフラワーは常時40~50種類がそろい、バラ売りの草花を組み合わせてみたり、手ごろなスワッグやリースを選んだりと自由に楽しめます。
交通:小田急線湘南台駅から徒歩11分
LUCY GRAY
ルーシーグレイ
前回は豪徳寺を紹介しました。記事はこちらからどうぞ♪
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佐藤史子 写真:山下コウ太
小田急電鉄
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