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2018.12.21
【特集|旅とカメラと】冬の港町・横浜 ノスタルジックカメラさんぽ
初冬の港町はノスタルジック。晴れた昼下がりにカメラを携えて歩けば、ふと立ち止まりたくなるような印象的なシーンを見つけてしまいます。冬の乾いた空気だからこそ強く差し込む光や、陰影の美しさ。そんな冬のドラマティックなワンシーンをカメラに捉えるため、第四回目は、写真家の鵜川真由子さんと一緒に横浜の港町を訪れました。 <メイン写真について> 太陽の位置によって影の出方が変わる面白さがあります。 それは季節や時間帯によって違うのですが、今回はやや逆光気味の秋の光。 人物がシルエットになり、長く伸びた影がノスタルジックな雰囲気になりました。 何枚か撮った写真のうち、人のバランスが一番しっくりくるものを選びました。
旅のおともは、EOS Kiss M

EOS Kiss Mは、EOS Kissシリーズ初のミラーレス一眼カメラです。本格的な撮影性能はもちろんのこと、小型で軽く携帯性にとても優れているので、旅先に持っていくカメラにぴったり。今回は、ミラーレス一眼ならではの特性を生かして、冬の港町を軽やかに歩きます。
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冬の港町、光が生み出す陰影の美しさ

[PHOTO POINT]普段から自分の好きなものや好きな風景を意識していることで、面白いものが自然と目に飛び込んでくるようになります。この時間にこの場所にいたことで出会えた風景。そんな偶然性もスナップの楽しみの一つ。少し狭い場所だったので広角のレンズを使って撮っています。
横浜が誇るホテルニューグランドが軒を連ねる山下公園通りのイチョウ並木が今回の旅の始まり。 クラッシックホテルのノスタルジックで落ち着いた雰囲気の通りに沿って歩き始めてすぐ、公園の上階へ繋がる青い螺旋階段が見えてきました。近づくと、青と白の古い壁に光が差し、フォトジェニックです。 螺旋階段は海底をイメージして作られたそう。広場に続く階段を空を目指してのぼっていくとまさに海底から海上にあがっていくような気分になります。 見上げると、初冬の青空に金色のイチョウの葉が輝いていました。

[PHOTO POINT]イチョウの黄色と空の水色のコントラストを表現したかったので、余計なものが入り込まないように望遠レンズを使って少し寄って撮りました。構図は、色のバランスに気をつけています。
木漏れ日がきらきらときれいな冬の朝。海沿いの公園には、冷たい澄んだ空の下でも、咲く花が揺れていました。 冬の日差しが噴水の水にきらきらと反射する一瞬、花のピンク色のヴィヴィットさと相まって、冬の港町らしいワンシーンが生まれます。

[PHOTO POINT] 左の写真は、噴水の水面に反射するきらきらを背景に、右の写真は、氷川丸の煙突を背景に入れることで、ただ花が写っているだけではなく海や、水や、光を感じることで写真にストーリーや奥行きが出るように撮っています。
心躍る、ときめきの花束スイーツと出会う
街歩きの魅力のひとつは、おいしいスイーツ探し。 大通りから一つ道を入ったことろに、愛らしいパウンドケーキ専門店「パブロフ」が。 横浜元町は旧外国人居留地のそばにあることから洋菓子店が古くからあり、現在もおいしいケーキを出すカフェがたくさんあります。パブロフは、そんなカフェの中でもダントツの人気を誇るカフェ。 店名は、ある実験で有名な、“パブロフの犬”から。そう聞くと、ケーキの甘い香りが口中に広がりますよね。

[PHOTO POINT]食べてしまうのがもったいなくなるほど可愛らしくてカラフルなケーキは、色の並びのバランスに気をつけて美しい物として撮りました。店内が少し暗かったのでシャッターは少し遅めです。
花束のようなパウンドケーキはひとつひとつに花言葉のような「パウンドケーキ・ランゲージ」が添えられています。 例えば、練乳生地にドライ苺と苺のジュレを練り込んだいちごみるく風味の「フレーズ」は、「一緒に遊ぼう」、ピスタチオの生地にたくさんのベリーを添えた「ピスタチオ・フリュイルージュ」は、「笑顔のそばに」。 お持ち帰りもできるので、パウンドケーキ・ランゲージの意味をこめて大切な人に贈ってみるのも素敵ですね。
異国情緒に包まれる洋館をめぐる

[PHOTO POINT]ベイブリッジと、海と空と雲のバランスがポイントです。広い範囲の風景を撮りたかったのでレンズは広角を使っています。
太陽がずいぶんと高い位置へあがった昼下がり、元町から山手へと、急な坂を上ります。旧外国人居留地のあたりは、異国情緒がたっぷり。 坂を上りきると空が開け、港見える丘公園からは海を望めます。横浜のシンボルの一つ、ベイブリッジの上をたゆたう雲は、まるで大きなくじら。 ゆったりとした動きで、ゆうゆうと空の海を泳いでいました。

[PHOTO POINT]洋館の中はうっとりするような可愛らしい空間でした。部屋の中の何気ない場所ですが、タイルの模様や手すりやドアの格子など、いろんなところに潜んでいる模様をうまく組み合わせて撮っています。
異国情緒あふれる横浜港町を作り上げた理由のひとつとして、山下や山手が旧外国人居留地であった歴史は外せません。江戸末期から昭和初期にかけてやってきた貿易商人たちの邸宅は、当時の栄華を反映した建築物が多く、どこを切り取っても絵画のようです。 なかでも、山手111番館や山手聖公会、根岸競馬場を設計したアメリカ人建築家、J.H.モーガンによる昭和初期の建築、ベーリック・ホールは、イギリス人貿易商B.R.ベリック氏の暮らしぶりがしのばれるエキゾチックな建築物。スパニッシュスタイルを基調とした建物の内部に赤色の花が効いて、古い洋画のワンシーンに入り込んだような気分になりますね。
夕暮れのともしび、そしてカラフルな夜景の中へ
山手から外国人墓地を下って元町に戻ると、そろそろ日が落ちてきそうな時間になってきました。明治時代に馬車道から元町まで日本で初めてガス灯の火がともった横浜では、今でもその仄かなともしびが街を照らしています。

[PHOTO POINT]本物のガス灯と木が、曇り空と相まってメルヘンな世界を作り上げていました。同じ場所から撮ったもう一枚の、現代的なランドマークタワーとの対比が面白いと思います。どちらも三脚を使ってスローシャッターで。

[PHOTO POINT] ポットの中に咲く美しい花を、中華街のネオンを背景に撮りました。玉ボケが綺麗ですね。
夕暮れが迫り、少し冷えて来た頃、華やかな光に誘われるように中華街へ。 善隣門脇にある「The CAFE」では、その中華街の華やかさを表すような可憐な工芸茶がいただけました。お湯が注がれてからしばらく経つと、まるで虹がかかったかのように開く「Over the rainbow」。見た目からもポカポカした気持ちになります。 透明なポットに、たゆたう花、そして、中華街のカラフルな明かりが透けて、きれい。 すばやくシャッターを切ると、色とりどりの幻想的な光を背景に捉えることができました。
カラフルなキャンドルを横浜港町土産に
日が暮れて、横浜で、ノスタルジックなものに出会うカメラさんぽも、そろそろ終わりの時間。最後に訪れたのは、キャンドルを手作りできる「ベッキーキャンドル」。 カラフルでおいしそうな蝋細工のパーツを集めて、まるで料理をするように自分の好きなキャンドルを作るワークショップが人気です。小さなお店のなかは、アロマの甘い香りが微かに感じられ、ところ狭しとパーツが並びます。 そして完成したおいしそうなパフェのキャンドルと、本日活躍してくれたEOS Kiss Mを一緒にパチリ。カメラのコンパクトさも伝わりますね。 この写真が港町の1日を締めくくる思い出の一枚になりました。

[PHOTO POINT]とても小さな小物なのでマクロレンズを使って撮りました。大きなボケ感もこのレンズの特徴です。スクエアで撮るとそれだけで面白い絵になるので、ポイントになる色の配置に気をつけると、さらに目を引く写真になると思います。

物撮りをするときは、実際に目で見ているのとカメラのレンズを通して撮るのとでは少し変わってくるので、立体感が出るように底上げしたり小物の向きを変えてみたり。レンズを覗きながら微調整していくことがポイントです。EOS Kiss Mは、軽くてコンパクトなので、1日持っていても疲れない。そして、いろんなシーンで様々な表現ができてとても楽しい撮影旅行でした。
旅のおともは、EOS Kiss M。散歩の途中で出会ったシーンをさっと切りとる携帯性はもちろん、夜景モードやスクエア機能などにあわせ、レンズを交換すると、写真の表現の幅が広がります。港町にあるノスタルジックな風景を探す際には、日頃から何気ないものを見つめている感性が重要。カメラやレンズの機能を味方につけて、自分の感性を生かした無限大の表現をEOS Kiss Mで実現してみませんか?
EOS kiss Mの詳細はこちらから

- 横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区海岸通1-1-4)
- 山下公園(横浜市中区山下町279)
- パブロフ(横浜市中区山下町105 tel. 045-641-1266/11:00~19:00 土日祝日 9:00~ /月休(休日の場合は翌日休) )
- 港の見える丘公園( 横浜市中区山手町114)
- ベーリック・ホール( 横浜市中区山手町72 tel. 045-663-5685/9:30〜17:00/第2水休 修繕工事のため1月1日~3月22日まで休館)
- 横浜中華街( 横浜市中区山下町)
- The CAFE (横浜市中区山下町143/tel. 045-663-5128/10:00~21:00 土曜は〜22:00/無休)
- ベッキーキャンドル(横浜市中区元町1-24-2/tel.045-662-6415/11:00〜18:00 金土日は〜19:00/月休 )
<旅人の横顔>

写真家・鵜川真由子。広告や雑誌などでポートレイトを中心に活動。またアパレルメーカーとのコラボ展の企画など、写真を通じて幅広く表現活動を行い、作品制作を続ける。
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もりことり 写真コメント:鵜川真由子 編集:ことりっぷ編集部
キヤノン EOS学園オンライン

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