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2019.01.29
サンドイッチやアイスクリームも! 琵琶湖の伝統食をアレンジした注目の新名物♪「BIWAKO DAUGHTERS」
「鮒ずし」をはじめ滋賀県にはエビや小魚、貝など琵琶湖で獲れる魚介類を使った郷土料理が数多くあります。しかし近年では魚の減少や食生活の変化によって、その伝統の味が失われつつあるとか。今回紹介するお店はそんな伝統的な琵琶湖の味を若い世代にも知って欲しいとさまざまな料理を創作しているお店です。サンドイッチやピザ、スイーツなど気軽に楽しめそうな料理で琵琶湖の魚の魅力を紹介しています。
琵琶湖のほとりにある小さな魚屋さん
滋賀県・野洲市にある「BIWAKO DAUGHTERS」は、琵琶湖の湖畔に店を構える小さな魚屋さん。外国の港町にあるフィッシャーマンズワーフをイメージしたおしゃれな建物が目印です。近くにはキャンプ場があり、夏場は湖畔でマリンスポーツを楽しむ人々でにぎわうエリアです。
ビワマス、もろこ、鮒など、琵琶湖特有の魚がずらり
店内を入ると黒板には「もろこ」「まじか」など、聞いたことのない魚の名前がずらり。この地域で昔から親しまれている“湖魚”と呼ばれる琵琶湖で獲れた魚介類を専門に扱うお店です。店主である中川さんの両親は琵琶湖の漁師。なので鮮度抜群の湖魚を使った料理や惣菜がたくさん並んでいます。
地元の味を守りたいという思いを込めた料理の数々
もともと中川さんの両親は獲った魚を販売するほか、煮物や佃煮なども作っていて評判だったそう。「今は2軒のみとなってしまいましたが、かつてこの地域にはたくさんの漁師がいて、湖魚を使った料理は各家庭でも作られていました」という中川さん。どんどんと漁師が少なくなっていくなかで、琵琶湖の魚料理のおいしさを若い世代に伝えていきたいと思いこの店を開いたといいます。
鯉をぶつ切りにして甘辛く炊いた「筒炊き」や大豆と網エビを一緒に煮付けた「エビ豆」はこの地の伝統料理。少しの量からでも楽しめるよう、量り売りで販売しています。甘辛い味がご飯やお酒を進めてくれる、中川さんも親しんできた母の味です。
滋賀県伝統の発酵食品「鮒ずし」も昔から中川さんの父親が毎年仕込んでいるもの。琵琶湖のニゴロブナを塩漬けにし、ご飯を詰めてさらに発酵させます。独特の匂いで有名ですが、お店では優しい風味に仕上げているそうです。地元の人の中には胃腸の調子が悪いときに食べる人もいるとか。
洋風の料理とも好相性。意外な美味しさを発見
「鮒ずしサンド」(1000円、手前)、「バスバーガー」(550円、奥)、「琵琶湖のエビパン」(330円、右)
煮物や佃煮など昔ながらの味のほかにも、幅広い世代に湖魚を味わってもらおうとピッツアやサンドイッチなども創作している中川さん。網エビはかき揚げにしてサンドイッチにしたり、自家製味噌とチーズをのせたピッツアに。香ばしい風味が食欲をそそります。外来種ですがブラックバスも今や琵琶湖の名物。上品な味の白身魚なので、フライすると絶品なんだとか。
自家製「鮒ずし」は、スライスしたチーズと一緒にバゲットにはさんでサンドイッチとして販売しています。同じ発酵食品だからでしょうか、相性は意外にも抜群です。パンもふなずし用に特注したものを使用しています。ワインと一緒に楽しんでみたいですね。
湖魚のおいしさを身近に感じてもらえるように
ほかにもお店では「鮒ずし」のご飯を混ぜ込んだ、つぶつぶとした食感のアイスクリームや鯉の一種である「まじか」を入れた餃子など、さまざまな商品を開発。その日のおすすめの惣菜や魚を詰め合わせた、琵琶湖尽くしのお弁当などもあり、毎日の食事の中に気軽に取り入れられるようにと工夫した品々であふれています。 パッケージにはおしゃれなロゴをあしらって、デザインにもこだわっている「BIWAKO DAUGHTERS」。琵琶湖の魚を初めて食べる人はもちろん、食べたことがある人もきっと楽しい発見をすることができるお店ですよ。
BIWAKO DAUGHTERS
ビワコドーターズ
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田口真由美
Writer
田口真由美
好物は古いものと発酵したもの。名古屋を拠点に町や人、美味しいものを訪ねる日々を過ごしています。
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