住宅地の中にたたずむドーナツと雑貨のお店

通り沿いには目立った看板もない、シンプルなグレーの建物。三重県伊勢市の郊外にある「水色レコード」は、隠れ家のようにたたずむ小さなお店です。

レトロな家具が並ぶ店内は、ドーナツが並ぶショーケースのほか、CDや本、雑貨なども並んでいます。数席ですがカフェスペースもあり、ドリンクやお菓子を楽しむことができます。

ざっくり、しっとり。新食感のドーナツ

店主の伊藤さんが作るドーナツは、伊勢うどんにも使われている小麦粉を使ったドーナツ。安心安全な食材を使って作り上げたオリジナルレシピとなっていて、生搾り菜種油で生地を揚げるなど、こだわりが満載です。 フレーバーも数種類あり、ざらめやコーヒー、ラズベリーなどのほか季節限定のものも。生地もすべて異なる味わいなんだそう。さらに冷たくして食べると美味しい、というのがこちらのドーナツの特徴。ざくっと固めの食感でどんなドーナツとも異なる、独自の生地に仕上がっています。

「ドーナツパフェ」（850円）

そんなドーナツや自家製のお菓子で作る「ドーナツパフェ」は、店内で楽しめる人気のデザート。ソースやフルーツが季節でいろいろ変わるので、お楽しみに。コーヒーやクリームソーダなどドリンクも充実していてテイクアウトもOK。ぜひ一緒に楽しんでみてください。

レコードやCD、雑貨なども独自の視点でセレクト

ドーナツ以外にもお店には雑貨やCD、レコードなど、面白そうな品がいっぱい並んでいます。お店に並ぶレコードやCDは、インディーズや自主制作など、一般には流通していないものばかり。最近再び注目を集めるようになったカセットのアルバムも並んでいます。 店主の伊藤さんとデザインを担当している水谷さんがセレクトしていて、イベントなどで出会ったクリエイターや気になるアーティストから直接買い付けているのだとか。雑貨やアクセサリーも、デザインにこだわった品やハンドメイドの作品が並んでいます。

「夏の島旅」のお供に連れて行きたいアルバム3選

そんな個性的なセレクトが光る「水色レコード」のCDやレコードの中から、「夏の島旅」をテーマに3つの作品をセレクトしてもらいました。どれも日常を忘れさせ、海や島の情景が浮かんできそうな、心地よい音楽ばかりですよ。

Rachael Dadd『Connected to the Rock / Archipelago』(7インチレコード＋CD) 「尾道と英国・ブリストルで一年の半分ずつを過ごす英出身のソングライターの作品。ジャケットのイラストもブリストルの南西にある勇壮なチェダー渓谷と静かな瀬戸内の島々を彷彿とさせます。爪弾くバンジョーと柔らかな歌声、日常音や自然音等々を取り込んだサウンドが波紋が広がるようにゆったりと旅人の心を満たしてくれそうです」

Koryo Saito & The Mirage Band 『narrative songs』(CD) 「歌と語り、そして多彩な楽器のアンサンブルが絶妙で旅への高揚感が高まります。また民族音楽や北欧神話、昔話などから影響を受けた作品ということもあり、土着的な神秘性とノスタルジックな心地よさが漂います。旅先の風土やその土地に息衝く伝承に目を向けるきっかけを与えてくれそうな1枚です」

Little Wings 『People + Ropes In Parade』(2枚組CD) 「絵描きでもありサーファーでもあるカイル・フィールド＝リトル・ウィングスによる4年ぶりのニュー・アルバム。優雅に漂うメロウなリズムと自然体なテンダーボイス。日常の喧騒を切り離し、ゆったり気ままな気分にさせてくれます」

ドーナツと一緒に、楽しい発見ができる場所に

ドーナツから始まった「水色レコード」ですが、さまざまな人と出会いをきっかけに、雑貨や音楽が並び、イベントも開催するなど、どんどんとお店は進化しています。「美味しいおやつを食べに来てくれた人が、何か面白そうだなとCDやレコードを手に取ってくれて、新たな発見や出会いがある場所になったら」という伊藤さん。そんな出会いを楽しみにしながら、ぜひお店を訪ねてみてくださいね。