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2019.09.30
海景色と潮風を楽しんで、JR京葉線でめぐる千葉ベイエリアさんぽ
今度の週末は、JR京葉線を使って千葉市内の海辺エリアをめぐる小さな旅にでかけてみませんか?東京湾に沿って広々とした砂浜が続く稲毛海浜公園から、大小の船が行き交う千葉港へ。熱帯の植物園に工場夜景のクルーズなど、意外な楽しみもいっぱいですよ。
【稲毛海岸駅】約5万株の植物が彩る「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」
熱帯・亜熱帯の植物に圧倒される温室棟
旅の起点は、京葉線に乗って東京駅から約40分の稲毛海岸駅。ここから海に向かってバスで11分、徒歩だと25分ほど行くと稲毛海浜公園が広がっています。 東京湾のビーチ沿い、約2kmにわたって続く広大な公園で、ひときわ目を引くのが大きなガラス張りの建物。こちらは「フラワーミュージアム」の名のとおり、いつ訪れてもアート作品のようにカラフルな花々が迎えてくれる植物園です。
美しい花や木のほか、実のなったパイナップルなども見られる温室棟。屋外にはハーブ園(右下)などもある
ミュージアムのシンボルとなっているのが、巨大な円柱形をした温室棟。一歩入ると、そこは熱帯や亜熱帯の森のよう。滝を中心に、高さ10mもある大王ヤシなどの巨大な木々が茂っていて、1階から2階へ、小道を歩きながら植物観察が楽しめます。 足元を彩るのは、赤や黄色、ピンク、オレンジなどのカラフルな花々。温室棟だけで約300種、3000株が植えられていて、よく見ると見たことのない不思議な形の植物も。ひとつひとつ名前を確かめながら、ゆっくりめぐってみましょう。
季節ごとの花壇がつくられるアトリウムフラワーガーデン
温室棟以外では、アトリウムフラワーガーデンも見もの。こちらは大きな室内花壇といった趣で、多彩な多肉植物のほか、秋にはハロウィン、その後はクリスマスなど、季節のテーマに沿った植物の展示が楽しめます。 屋外にも、季節の花畑が楽しめる前庭、ハーブガーデンやローズガーデンなど見どころがいっぱい。カメラを手に、草木と花々が彩る都会のオアシスでのんびり癒されてみてはいかが?
三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館
サンヨウメディアフラワーミュージアムチバシハナノビジュツカン
【検見川浜駅】東京湾を眺める「THE SURF OCEAN TERRACE RESTAURANT」で絶景ランチ
潮騒が響くテラス席。晴れた日には海越しに東京タワーや富士山が見えることも
稲毛海浜公園のなかでも西の端、稲毛ヨットハーバーのあるエリアに建っているのがこちらのレストラン。植物園や広場などがある公園のメインエリアから少し離れていることもあって、周辺は静かな雰囲気が漂っています。 魅力は、なんといっても全席オーシャンビューという眺めのよさ。建物自体が稲毛海浜公園の海辺に位置していて、店内は海に面した側が天井まで続く全面ガラス張り。とくに、東京湾にせり出しているかのようなテラス席はとびきりの開放感が楽しめます。
前菜とパンが付くブイヤベースランチ(1780円、左)、落ち着いた雰囲気の店内(右)
名物は、フレンチの技法をベースにした魚介料理。ランチには、看板メニューの「海のごちそう特製ブイヤベース」が味わえるブイヤベースランチや、オードブルとパスタが選べるパスタランチ(1300円)を。料理によって、千葉の旬の魚介や地元契約農家の野菜も味わえます。 食後は、レストランの周囲でおさんぽを。緑の芝生と、カモメの飛び交う青い海のコントラストが美しく、東京湾とは思えないビーチリゾート気分が満喫できますよ。
レストランの周囲を歩くのもすてき。建物の1階には別店舗のベーカリーカフェも
土・日曜、祝日の15:00~17:00限定のカフェメニュー、「千葉の特大ホンビノス貝の白ワイン蒸し」(1400円)などアラカルトが豊富なディナータイムなど、ランチ以外の楽しみも豊富。刻々と変化する東京湾の風景を見ながら、曜日や時間を変えて何度も訪れたくなるスポットです。
THE SURF OCEAN TERRACE RESTAURANT
ザサーフオーシャンテラスレストラン
【千葉みなと駅】港という名のパン屋さん「Boulangerie Le Port」に寄り道
2階まで吹き抜けの空間にアンティークの和家具を並べた店内。奥がパン工房になっている
検見川浜駅からふたたび京葉線に乗って、次は千葉市中心部にある千葉みなと駅へ。駅から少し歩いた問屋町の大通り沿いで、その名も「港」という名の小さなパン屋さんに出会いました。 このお店、ユニークなのは大きな老舗の自転車店の店内にあること。近くでブックカフェを開いているオーナーが、大好きなパンで街を盛り上げたいと知り合いの自転車店の一角を“間借り”する形でオープンしたそう。レトロな引き戸を開けて中に入ると焼き立てのパンのいい香りに包まれるいっぽうで、店内の反対側にはカラフルな自転車がずらり…。なんとも不思議な空間です。
スイーツ系のパンはほどよい大きさでおやつにもよさそう
並んでいるのは、女性パン職人とパティシェがふたりでつくるフレンチスタイルのパンと焼き菓子。北海道産と外国産の小麦粉をブレンドし、日本人が食べやすい味や食感を追求しているとか。 もっちりとした食感の山食パンや、香ばしくて歯切れのいい丸バケットなどの食事系パンに加えて、惣菜系やスイーツ系のパンも豊富。その数20~30種類。それぞれのレシピを大切にしながら、なるべくたくさんの個性あふれるパンを並べたいと丁寧に少しずつ焼き上げているそうです。
カフェラテ(250円)、アーモンドクロワッサン(320円)など
店内では、千葉市内で人気のコーヒーショップ「自家焙煎珈琲豆屋 じゃくう鳥」の豆を使ったコーヒーや、チャイ、ルイボスティーなどのドリンクも販売。 紙カップでそのままテイクアウトしてもいいし、店内や店頭のかわいい椅子やベンチに腰掛けて、ちょっとひと息入れるのもよさそうです。
Boulangerie Le Port
ブーランジェリールポール
【千葉みなと駅】夜の千葉港を海上から探検する「工場夜景クルーズ」へ
街に灯りがともり始めた夕暮れ時になるといよいよ乗船タイム。出港後に振り返って見る千葉シティの夕景も印象的
最後は千葉市の海の玄関・千葉港へと向かってみましょう。 千葉みなと駅から歩いて5分ほどのところにあるのが、旅客船ターミナル「ケーズハーバー」。工場や倉庫が集まる千葉中央港地区に2016年に誕生した複合施設で、現在、ここから発着する千葉港の工場夜景クルーズがひそかな人気を集めています。
夜通し稼働するコークス工場。白い蒸気を上げながら高温で石炭を蒸し焼きにして固めているそう
千葉港と聞いても、一般的にはなじみのない人も多いかもしれません。ここは、千葉県のベイエリア一帯にまたがる巨大な港の中心部。貨物取り扱い量では国内2位の実績をもつ、世界でも有数の国際貿易港なのだそう。一帯には製鉄所や造船所、食品コンビナートなどが建ち並び、海上にはコンテナを積んだ大型タンカーなどがひんぱんに行き交っています。 そんな千葉港で楽しむナイトクルーズのお目当ては、オレンジ色のライトをともして夜も稼働しつづける工場群。ガイドさんの説明とともに港内をめぐり、青紫色の炎を上げる炉や、荷物を運搬する巨大クレーンなど迫力ある光景に海上から迫っていきます。 クルーズの終盤には、倉庫の壁面を利用したレーザーショーも。進行方向の左手の座席が見やすくておすすめですよ。
レンガ色の建物が目印のケーズハーバー。周辺には展望フロアのある千葉ポートタワーや千葉県立美術館、千葉ポートパークなどの見どころもいっぱい
乗船の際は、ケーズハーバー内にある「千葉ポートサービス」のカウンターでチケットの購入を。出港時間は時期によって異なりますが、秋は17時半頃が目安です。 ケーズハーバー内には眺めのいいレストランやカフェがあり、目の前の桟橋周辺には潮風が気持ちいい遊歩道もあるので、クルーズの前後にお気に入りの場所でのんびり過ごすのもよさそうです。
工場夜景クルーズ
コウジョウヤケイクルーズ
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佐藤史子、さとうようこ 写真:山下コウ太、THE SURF OCEAN TERRACE RESTAURANT
JR東日本 千葉支社
ベイエリアの稲毛海岸、検見川浜、千葉みなと駅へは、東京駅から京葉線を利用。ベイエリア各地へは、総武線快速列車や総武線各駅停車でも都心からダイレクトにアクセスできます。お出かけ前にルートや運行情報をチェックして、列車旅をどうぞお楽しみください。
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