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2020.08.07
有田焼の名窯元「深川製滋」で優雅なティータイム。六本木「FUKAGAWA SEIJI 1894 ROYAL KILN&TEA」
日本の磁器発祥の地といわれる有田で創業した老舗窯元・深川製磁によるティー&ギャラリーが、東京ミッドタウンのガレリア3階にオープン。 カフェでは、カウンターに並ぶ美しく精巧なカップ&ソーサーから自分で選んだセットに紅茶をいれていただくことができます。オリジナルのチョコレートやケーキなどのスイーツとともに、型から絵付けまで手作業で作られた手元の器を眺めつつ、ゆったりと過ごしてみませんか。
明治時代から続く、有田の窯元「深川製磁」
「深川製磁(ふかがわせいじ)」は、1894(明治27)年に佐賀県・有田町で創業した窯元。きめの細かい純白の陶磁器に、フカガワブルーと呼ばれる、深く澄んだ青の釉薬を使ったうつわで知られています。その上質さから、皇室御用達として使われたり、繊細な絵付けで海外にもコレクターがいるなど国内外で人気を誇っています。 有田にある本店は、明治時代に作られたレトロな洋館。館内にはさまざまなコレクションが並び、観光スポットとしてもうつわ好きに人気です。
都内初となるティールームが東京ミッドタウンにオープン
同じ六本木エリア内にもショップがあるが、カフェ併設店は初となる
六本木にある東京ミッドタウンにオープンした「フカガワセイジ 1894 ロイヤル キルン アンド ティー」は、深川製磁のカップやお皿でサーブしてくれるティー&ギャラリーです。 白を基調とした店内は、食器が映えるシンプルでモダンなインテリア。カフェスペースは、すっきりとしたカウンター席と、ゆったりくつろげるソファ席の全10席です。
紅茶をオーダーしたらカップ&ソーサーも好みで選んで
植物や唐草、波の模様などさまざまな意匠のカップを選ぶ時間も楽しい
こちらのカウンターでは、奥に展示された“本日のティーカップ”のなかから、自分で選んだ好きなデザインのカップに、オーダーした紅茶を淹れてもらえます。 カップはどれも、季節の花などが丁寧に描かれた、繊細な作りのもの。外側だけでなく、内側まで絵付けされたデザインの器は、紅茶を注ぐと、表面に絵が浮かびあがってくるような静かな美しさにうっとりします。
紅茶の茶葉は、紅茶鑑定士がセレクトした上質なもの。オリジナルブレンド(1400円)、ディンブラ(1000円)など
華やかな香りと彩りを楽しめる「季節のタルト」
季節のタルト(1000円)のプレートは、フカガワブルーが美しい「瑠璃」の陶板。
紅茶とセットで頼みたいスイーツは、自然素材にこだわるパティスリー「shodai bio nature(ショウダイビオナチュール)」の自然素材をふんだんに使った華やかな香りと彩りを楽しめる「季節のタルト」。 「タルト テ メルヴェイユ」は、青リンゴのジュレとローズ、マリーゴールドの紅茶ガナッシュとの華やかな香りが楽しるタルト。散りばめられたローズやハーブの彩りが目にもあざやかです。
手みやげにしたくなる小さく美しいお菓子とつややかな蓋物
「トリュフ メルヴェイユ」(お好きな2粒・1000円)
こだわりのフルーツを使ったコンフィチュールが入った、リッチで繊細な味わいのトリュフにも注目です。 ダマスクローズのコンフィチュールと木苺、愛媛産柚子のコンフィチュールと抹茶のガナッシュといった2種類のフレーバーを掛け合わせて、新しい味わいを生み出しています。ひと粒でさまざまな味が楽しめますよ。
ボンボニエールとは、砂糖菓子(ボンボン)を入れるケースのこと。 日本では、皇室の慶事に贈られる品として知られている
カウンターのショーケースには、特別なときの手みやげにしたいお菓子がラインナップ。 花びら型のチョコレートが華やかな「ペタルチョコレート(10000円)」や、「トリュフ メルヴェイユ」(4種入り・8000円)、「緑寿庵清水の金平糖と伝統模様のボンボニエール」(15000円)は、どれも深川製磁の“ボンボニエール”に入っています。 本格的な作りのボンボニエールは、食べ終わったあとも暮らしの中で活用できるのが嬉しいですね。
見れば見るほど器の美しさに引き込まれるギャラリー
「鍋島花兎」のシリーズは、かつての佐賀の藩主・鍋島家の衣装文様から創作されたもの
ゆっくりお茶の時間を過ごしたあとは、ぜひギャラリーものぞいてみて。こちらのギャラリーでは、お茶の時間に活躍するカップやポット、蓋物が豊富にそろっています。 ティースペースでも使われている、鍋島家の花嫁道具として作られたティーセット、深川ブルーがシックな明染付のセットをはじめ、優雅にカーブする持ち手が美術品のようなカップ&ソーサーなど、そのエレガントさに思わずため息がこぼれます。
5センチほどの大きさのかわいい蓋物
小ぶりな形が愛らしい「蓋物」には、思わず目を奪われます。焼成の縮みなどもあり、上下がぴったり合う蓋物を作るのは、至難の業だそう。きもちよく蓋が閉まる形はもちろん、蓋を閉めたときに絵がきれいに合わさるその絵付けは、職人技そのものです。 ギャラリーには、器に詳しいスタッフが常駐しているので、器選びの相談にも乗っていただけます。どんな色や形がいいのか、気になるものがあればぜひ聞いてみましょう。
いつもより優雅に振る舞いたくなる、特別な時間を過ごして
美しい器とこだわりのスイーツを楽しめる時間を大切な人への贈り物や自分へのご褒美に、特別な日にぜひ訪ねてみませんか。
FUKAGAWA SEIJI 1894 ROYAL KILN & TEA
フカガワセイジ 1894 ロイヤルキルン アンド ティー
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朝光洋理 写真:小林利穂
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