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2021.02.08
加賀の伝統工芸を車両いっぱいに散りばめた、きらびやかな観光列車「花嫁のれん」
石川・加賀地方などには幕末の時代から続く、花嫁の幸せを願い結婚の日に華やかなのれんをくぐるという伝統文化があります。その「花嫁のれん」にちなんで、加賀の伝統工芸を車体の隅々まで詰め込んだ観光列車が、金沢と能登をつないで走っています。豪華絢爛な車両に揺られて、電車旅をしてみませんか。
加賀の工芸が走る、観光列車「花嫁のれん」
車体はシンプルながらも優雅なあしらいが散りばめられている
「花嫁のれん」は、石川県の玄関口・金沢駅から全国屈指の温泉街・和倉温泉駅までをつなぐ、JRの特急列車。乗車券と指定席特急券で利用でき、加賀友禅や輪島塗など、加賀地方の伝統工芸を贅沢にあしらった雅な車両が特徴です。
和倉温泉駅構内では、花嫁のれんくぐりの体験ができる
列車の名前である「花嫁のれん」は、石川県や富山県西部など加賀藩の領土で伝わってきた婚礼文化から名付けられています。婚礼の日に花嫁が旦那さんの実家のご先祖にあいさつする際にくぐるのが花嫁のれん。幸せを願い、花嫁の両親がのれんを贈るこの土地ならではの習わしです。乗車するお客さんが幸せになってほしいと、同じ名前がつけられました。 和倉温泉駅のある能登には女性が注目するパワースポットも多く、幸せに満ちた土地といわれています。雅な列車からも力をもらえるかもしれませんね。
「和と美」でもてなすデザイン
通路は日本庭園の飛び石をイメージ
「花嫁のれん」は和と美のおもてなしをコンセプトに作られています。車体も車内も加賀の伝統工芸が惜しみなく使われています。 車両は2両編成で1号車・2号車それぞれにまた一風変わった趣を楽しめます。まずは車体の外観から。黒と赤の漆に金箔のラインが映え、加賀友禅をイメージした模様も華やかさをより演出しています。 まずは1号車へ。2〜4名で座れる個性豊かな8つの半個室があり、各部屋によって加賀友禅のオールドコレクションのデザインも変わります。春を感じる「桜梅の間」や商売繁盛を願う「扇絵の間」などテーマも様々。それぞれの部屋に込められた思いを想像したり見比べたりしながら乗車するのも、「花嫁のれん」の楽しみ方のひとつです。
シックな雰囲気も兼ね備える2号車
観光列車でいただくスペシャルメニュー

季節で変わるオリジナルスイーツがうれしい「スイーツセット」(2000円)
車内では「花嫁のれん」限定の食事を楽しむことができます。ラインナップは「スイーツセット」(2000円)、「和軽食セット」(2500円)、「ほろよいセット」(2000円)の3種類。 一番人気の「スイーツセット」は、能登出身のパティシエ・辻口博啓氏が手がける「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」のオリジナルスイーツがいただけます。能登をはじめ、北陸の食材をふんだんに使用したスイーツは、この地ならではの美味しさが詰まっています。おみやげにぴったりな焼き菓子のセットもついてきますよ。「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」の店舗は和倉温泉街にもあるので、ぜひ温泉さんぽの際に立ち寄ってみましょう。

地物の惣菜や地酒を楽しめる「ほろよいセット」(2000円)
金沢の老舗料亭「大友楼」の料理がいただける「和軽食セット」や「ほろよいセット」もチェックしておきましょう。「和軽食セット」は、老舗が手がけた加賀の郷土料理や旬の食材がたっぷり入った贅沢なメニュー。能登の「宗玄酒造」が手がけた純米吟醸酒と一緒に楽しむ「ほろよいセット」には、おつまみの和惣菜が入っています。 どれも電車の豪華さに負けないメニューばかり。注文できるセットは電車の時間帯によって変わるので、事前に確認しておきましょう。 車内には石川の伝統工芸を展示するミニギャラリーや、車内販売スペースもあります。オリジナルのキーホルダーやクリアファイル、あぶらとり紙などの雑貨もぜひチェックしておきたいですね。
里山里海を走り、彩る電車

田園風景に華やかな電車が走り抜ける姿も美しい
加賀百万石を誇った金沢から、海辺の和倉温泉をつなぐ「花嫁のれん」。食事メニューも季節によって変わるので、四季の移り変わりとともに景色や食事の変化を楽しむのもおすすめです。 能登の里山里海の景色を楽しみながら、電車に乗って、ちょっとひと旅してみませんか?
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高木真依子
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