創業約70年の料亭で懐石料理を

JR角館駅と武家屋敷通りの中間ほどの場所にある

JR角館駅から桜の名所として有名な武家屋敷通り方面へ7分ほど。山吹色の外壁の2階建ての大きな建物が「料亭 稲穂」です。 創業したのは昭和25（1950）年。現在は2代目の店主・後藤悦朗さんが腕を振るいます。お店で味わえるのは、生産者の顔が見える地元の旬素材と、無添加の調味料で作る懐石料理。なかでも、伝統の郷土料理に店主の工夫を凝らし、この土地でしかだせない味を追求した「角館懐石」が評判です。

個室で庭を眺めながらゆっくりと

自然を身近に感じながら食事を楽しめる

通された個室はテーブルが配置され、窓の外に梅や松、ツツジなど、中庭の緑を感じられる静かで落ち着いた空間。2階には大広間があり、こちらからも庭園を見晴らすことができます。

落ち着いた雰囲気の個室

「角館の野菜や山の幸、地元で愛されているがっこ（漬け物）、寒天、しょっつるなどを使った角館懐石で秋田を感じてください」と、女将の後藤瑞子さん。 料亭というと、敷居が高いイメージで緊張してしまう人も少なくないと思いますが、女将さんの気さくな人柄もあって、はじめて訪れてもリラックスして食事を楽しめます。

この土地ならではの素材と食文化を味わう「角館懐石」

昼の角館懐石2420円～。写真は3630円

「角館懐石」は、特製のしょっつるフランスパンに特製季節の山菜みそを付けていただく箸付きからはじまります。 比内地鶏のお吸い物、角館で昔から食べられている八杯豆腐（はちへとうふ）の汁もの、いぶりがっこの甘露煮や紫芋寒天、干し柿ワイン漬け、イワナの一夜干しなどがカラフルに並ぶ焼き物、旬の野菜にがっこ、きりたんぽの天ぷら……と、この店ならではの料理が一品一品供されます。

あまりのおいしさに八杯も食べられたということに由来する八杯豆腐の汁物

地元産の食材を生かし発酵食を使った料理はどれも滋味深く、まろやかなうま味が溶けあっています。

あきたこまちのきりたんぽ

秋田名物のきりたんぽは、自家製の玉味噌を付けた田楽でいただきます。目の前で焼いて仕上げるので、もっちり香ばしく、後を引く味わいです。

稲庭うどんにもひと工夫が加えられています。山桜の木皮を使った角館のクラフト・樺細工の器に盛り付けた、この店特製の無添加うどん。麺に桜の葉が練りこまれ、ほのかに桜が香ります。 秋田の珍しい日本酒や角館ビールなど地元のお酒もそろいます。地元の素材の持ち味を引き出した料理とのマリアージュをゆっくり楽しめますよ。

がっこをアレンジした、食堂いなほの創作料理「がっこ懐石」1650円

「料亭 稲穂」には予約せずに入れる食堂も併設。カジュアルな雰囲気のなかで、比内地鶏の親子丼や角館風稲庭うどん、漬け物の創作料理が並ぶがっこ懐石などを味わえます。旅のなかで気軽に料亭 稲穂の味を楽しみたい場合におすすめですよ。 角館を訪れたら、この土地ならではの懐石料理を堪能しに「料亭 稲穂」や併設の「食堂いなほ」を訪れてみてはいかがでしょうか。

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