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2021.07.12
前橋で話題の「白井屋ホテル」で、アートとともに過ごすすてきなひととき
群馬県前橋市で江戸時代に創業し、多くの芸術家や著名人に愛されてきた老舗旅館が、昨年装いも新たに「白井屋ホテル」として開業しました。どこを切り取っても絵になるような空間で、すてきな時間を過ごしてみませんか?
創業約300年の老舗旅館を大胆にリノベーション
全体設計を手がけたのは建築家・ 藤本壮介。前橋に暮らす人と訪れる人、双方の集いの場を目指した
JR前橋駅から街の中心部へとつながる国道50号沿いを歩くと、目に飛びこんでくるポップな色文字。世界的に活躍する現代アーティスト、ローレンス・ウィナーによる色鮮やかなタイポグラフィに覆われたこの建物は、江戸時代から約300年も続いた老舗旅館が1970年代にホテルに建て直したもの。2016年に発足した前橋の再生プロジェクトの一環としてリノベーションが進められ、昨年12月「白井屋ホテル」として開業しました。
世界で活躍するアーティスとの作品がそこかしこに

(左)金沢21世紀美術館「スイミング・プール」でも有名なレアンドロ・エルリッヒの作品 (右)レセプションには杉本博司の『ガリラヤ湖、ゴラン』を展示。群馬に海がないことから「海景」シリーズ唯一の湖の写真を選択
ホテルへ一歩足を踏み入れると、まるで美術館のように、フロントやロビー、ラウンジなど、あらゆる場所にアートが配されています。象徴的なのが、ロビーの吹き抜けスペースにあるレアンドロ・エルリッヒの作品。水道の配管のように張り巡らされた「ライティング・パイプ」にはLEDライトが仕込まれていて、夕方にはオレンジ、夜は青など、時間帯によってさまざまな表情を見せてくれます。

(左)山形県出身の武田鉄平の絵画と、安東陽子のテキスタイルアートがラウンジを彩る (右上)エントランスにはリアム・ギリックの壁画。宿で旅人たちが物語を披露し合う『カンタベリー物語』がモチーフ (右下)階段の踊り場にもアートが。白川昌生作「円環ー世界『 生成するものⅠ 』」

(右)ネオンのデジタル・カウンターを用いたインスタレーションの制作で知られる宮島達男によるアート作品『Time Neon – 02』(左)小屋の中はLEDのデジタル・カウンターを用いたインスタレーションで、宿泊者のみ入ることができる
客室は作家が手がけた世界にひとつだけの空間
ミケーレ・デ・ルッキが手がけた「スペシャルルーム」。日本家屋の屋根などでよく使われる「板葺(いたぶ)き」の技法を用いている
客室も個性的でレイアウトや室内を彩るアートは、ひと部屋ずつ異なります。なかでも注目はスペシャルルーム。ジャスパー・モリソンやミケーレ・デ・ルッキといった世界で活躍する4人のクリエイターが「自分の泊まりたい部屋」をテーマに内装設計をすべて手がけた、世界にひとつだけの空間です。ほかにデラックスルーム、スーペリアルームも用意されており、トランプをテーマにした部屋や、写真家の作品が大きく配された部屋など、どれもユニーク。ひとつとして同じ部屋がなく、どの作家の部屋になるかは当日のお楽しみです。

グリーンタワーデラックスルームの一部屋。部屋の至るところにトランプモチーフが
こちらは写真やドローイングの上に刺繍を施した、平面のインスタレーションを発表している竹村京(たけむらけい)による作品。彼女が近年取り組んでいるトランプを取り入れた作品世界を再現し、ラグやトイレに飾られた絵画など、すべてトランプがモチーフになっています。
アメニティにもこだわりが光り、群馬名物の上毛かるたも
洗練された美しいデザインのアメニティ
客室に置かれているアメニティも見逃せません。タオル類は上質な今治タオルで、バスローブやパジャマも特注品。竹の歯ブラシなどのアメニティも、エココンシャスですっきりとしたデザインが魅力です。各客室には、その空間に飾られているアート作品の詳細がわかるQRコードも掲示され、作家や作品背景について知ることができます。また県の名所旧跡や著名人などを詠んだ「上毛かるた」も設置されているので、こちらもチェックしてみて。
群馬の歴史や文化に触れられる「上毛かるた」はすべての客室に置かれている
上州の食材を使ったグルメも楽しんで
「the LOUNGE」で味わえる赤城牛100%の自家製ハンバーグステーキ2420円。ブラータチーズの中身を使ったソースが極上の味わい
食事は館内のふたつの施設で。ひとつはミシュランガイド東京で二つ星を獲得した、東京・青山にあるフランス料理レストラン「フロリレージュ」の川手寛康シェフ監修のメインダイニング「the RESTAURANT」。地元の自然に育まれた食材の数々を使った「上州キュイジーヌ」が味わえます。もうひとつは朝食からランチ、ティータイム、ディナー、バータイムまで、オールタイムで利用できる「the LOUNGE」。朝食やランチセットからアラカルトまで用意されていて、シーンに合わせて気軽に食事が楽しめます。
ショーケースには色とりどりの美しいタルトがずらり
さらにホテルの一角には、フルーツタルト専門店「the PÂTISSERIE」も。東京・青山の人気店「EMME」のオーナーパティシエ延命寺美也がプロデュースし、群馬の苺「やよいひめ」をはじめ、旬のフルーツをふんだんに使った甘さ控えめのタルトが並びます。焼き菓子などとともに、おみやげにするのもいいですね。こちらはテイクアウトのお店ですが、ホテルのラウンジではランチセット+800円で味わうこともできますよ。
アートに包まれた空間でゆったりとくつろげる「白井屋ホテル」で優雅なひとときを過ごしてみてくださいね。
白井屋ホテル
シロイヤホテル
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