異国情緒漂う街で38年愛され続ける紅茶専門店

みなとみらい線馬車道駅から徒歩3分

昭和47年のオープン以来、紅茶専門店として変わらない味を馬車道で提供し続けてきた「サモアール」。日が暮れると今なおガス灯が灯る馬車道沿いにたたずみ、昭和から平成、令和へと時代の移り変わりを見守ってきた紅茶の老舗です。黒のベストに黒のエプロンといったギャルソン風のいでたちのスタッフが出迎えてくれます。

正統派の喫茶店らしいレトロな落ち着き

イスやテーブルなど色の統一感のある店内

照明を落とした店内は絨毯が敷かれ、ビロードの椅子や座ると頭上あたりまでビロードが張られた壁面沿いのハイバックのソファなど、レトロでいてリッチな雰囲気も漂います。 お店の中央の丸い曲線を描いたカウンターと脚の長いスツールに昭和の時代の名残りを感じるものの、スツールは安定感があり意外と座りやすく、カウンターのカーブの丸みと木の素材感があいまって居心地のよさは抜群です。

壁にはいくつか絵が掛かり、テーブルにはあらかじめカトラリーがセットされるなど昭和の時代の喫茶店の文化がそのまま受け継がれている

黄金比のバランスが独特のコクを生み出すアイスミルクティ

「アイスロイヤルミルクティ」（750円）

紅茶の種類は「オリジナルブレンドティ」（650円）をはじめとして「ナッツミルクティ」（700円）など専門店ならではの品揃えで50種類以上あり、メニューを見ながらどれにしようか迷うほど。ホットならカップにたっぷり2杯分をポットサービスで楽しめます。 その一方で、いつしかこのお店の看板メニューになったのが「アイスロイヤルミルクティ」です。ベルガモットの香るアールグレイで淹れるアイスティにガムシロップと生クリーム、ミルクを独自の配合バランスで加えたミルクティー。大き目のグラスにたっぷりはいった逸品です。

3分かけて紅茶を淹れ、黄金比で決めたガムシロップと3分たての生クリーム、フレッシュミルクを加えて仕上げていく

紅茶の本場である英国では、パーティーのお客様に“ゴールデンドロップ”と呼ばれる最後の一滴を注ぐのが習わしです。その1滴が紅茶独特の渋みがギュッと詰まった一番おいしいところなのだそう。このお店のアイスロイヤルミルクティは、生クリームやミルクを加えることでその渋みをまったりとしたコクに変化させ、ベルガモットの香りが漂う独特の深い味わいになるのが人気の秘密なのだとか。

焦がしバターの香りが食欲をそそるふわとろオムライス

「オムライス」（1000円）ランチタイムはスープとサラダがつく「今週のオムライス」（1000円）

もう一つの人気メニューが半熟に仕上げた玉子がライトに当たってキラキラと光るオムライスです。都内の老舗ホテルで腕を磨いた初代のシェフが作る焦がしバターを使ったレシピを継承した一皿で、口に入れるとほんのりとしたバターの香りが広がります。その焦がしバターの技術を活かした「フレンチトースト」（650円）もおすすめですよ。

なぜかグランドピアノの上にある食品サンプル

色艶のいいオムライスとドリンクの食品サンプル

オムライスのご飯はオーソドックスなチキンライスからイカ墨やキノコ風味など種類豊富でカラフルです。馬車道通り沿いの入口すぐのところに置かれたグランドピアノの上には、色鮮やかな本物そっくりの食品サンプルがいくつかあるのでそれを見ながら決めるのもレトロなお店ならではのお楽しみ。美味しい紅茶と一緒に味わってくださいね。