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2023.03.18
3/18-6/11|「憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」展
2023年3月18日(土)から、6月11日(日)まで、上野公園にある国立西洋美術館で開催される「憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」展。 19世紀後半から20世紀にかけ、各国の画家たちに注目されたフランス北西端のブルターニュ地方。本展では国立西洋美術館の「松方コレクション」をはじめ、ブルターニュを表した作品約160点を選りすぐり、それぞれの画家たちがこの地に何を求め、見出したのかを探っていく展覧会です。
フランスの北西部に位置するブルターニュ地方
クロード・モネ 《ポール=ドモワの洞窟》 1886 年 油彩/カンヴァス 茨城県近代美術館
ブルターニュ地方は、フランス北西部、大西洋に突き出た半島を中心としたエリア。断崖の連なる海岸線をはじめとする雄大な自然、先史時代の巨石遺構、ケルト系言語を話す住民の生活様式など、フランスでありながら「異郷」を感じさせる地域です。
日仏の近代画家たちがとらえた「ブルターニュ」
ポール・セリュジエ 《ブルターニュのアンヌ女公への礼賛》 1922年 油彩/カンヴァス 100.5 x 95cm ヤマザキマザック美術館 ※展示は5月7日(日)まで
本展は、日仏の近代画家たちがとらえた「ブルターニュ」を紹介する初めての展覧会。ブルターニュが多くの画家を惹きつけた19世紀後半から20世紀初めに制作された、フランスを中心とする多彩な画家たちによるブルターニュ・テーマの作品が一堂に会します。さらに同じ時期、日本から渡仏した画家の作品も併せて展観。黒田清輝や藤田嗣治、長谷川潔や山本鼎たちが見出した「ブルターニュ」にも注目です。
ポール・ゴーガン 《ブルターニュの農婦たち》 1894年 油彩/カンヴァス 66.5×92.7cm オルセー美術館(パリ) ⒸRMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
見どころのひとつが、ブルターニュの名を美術史に刻印した画家、ゴーガンの手による作品10点以上の集結です。 ブルターニュの風土に自らが求める「野生的なもの、原始的なもの」を見出したゴーガンは、この地に繰り返し滞在し、やがて絵画史に残る革新的な造形表現を生み出しました。会場では、その変遷する造形様式を段階的に追うことができます。
黒田清輝 《ブレハの少女》 1891年 油彩/カンヴァス 80.6 x 54 cm 石橋財団アーティゾン美術館
国内美術館、個人コレクション30か所以上から選りすぐった珠玉の作品約160点のうち、国立西洋美術館の核となる「松方コレクション」からは約30点を紹介、モーリス・ドニ、シャルル・コッテ、リュシアン・シモンら、フランスでも近年研究が進み、再評価の兆しがみえる画家たちの作品にも光をあてています。 画家たちを惹きつけた19世紀のブルターニュの風を、描かれた絵画を通して感じてみませんか。
憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷 La Bretagne, source d’inspiration : regards de peintres français et japonais
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ことりっぷ編集部
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