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2023.09.12
東京の名店で見つけた秋を感じる和菓子~江戸時代から続く老舗から、人気のおすすめ店まで~
芸術品のような姿と上品な味わいで、国内外から注目を集めている和菓子。少し敷居が高いように感じますが、最近はカラフルで親しみやすい創作菓子も多く店頭に並んでいます。お気に入りのひと品を見つけて、華やかお茶時間を過ごしましょう
とらや 赤坂店の「小佐女菊」と「木練柿」
文銭堂本舗 の「姫菊」と「こぼれ萩」
菓匠 菊家の「秋の野」と「栗名月」
萬年堂本店の「錦秋」と「翠- みどり」

とらや 赤坂店の「小佐女菊」と「木練柿」

【小佐女菊(こさめぎく)/左】 小雨に濡れた菊の花を思い起こさせる華やかな菓子。手間暇かけて栽培される希少な白小豆で作られる白餡はふくよか、品のある甘さが口に広がります。 ◆価格:540円 ◆発売期間:9月15日まで 【木練柿(こねりがき)/右】 枝に付いた状態で熟した柿「木練柿」を表現。中には北海道十勝産の小豆「エリモショウズ」で作る風味豊かな小倉餡が隠れています。 ◆価格:540円 ◆発売期間:期10月1日~10月15日
[お店の紹介]
室町時代後期に京都で創業して以来和菓子を作り続け、1980年にはパリに直営店を出店するなど海外へも和菓子の魅力を発信しています。熟練の職人が紡ぎ出す生菓子は季節の移ろいと共に半月ごとに替わり、秋は和菓子好きを魅了 する月見にちなんだ薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)や、栗生菓子も。伝統とこだわりを五感で堪能して。
とらや 赤坂店
トラヤアカサカテン

文銭堂本舗 の「姫菊」と「こぼれ萩」

【姫菊/左】 延命長寿の象徴でもある「菊」。薄紅色の上に白の練切を薄くまとい、花弁を広げて咲く姿を表現しました。繊細なグラデーションが目を引きます。こし餡入り。 ◆価格:330円 ◆発売期間:9月 【こぼれ萩/右】 求肥入りの小倉餡に、柚子が爽やかに香るきんとんを散らしたひと品。秋の野に咲く萩の花をイメージ、しっとりしたきんとんがスーッと口の中で溶けていきます。 ◆価格:330円 ◆発売期間:9月
[お店の紹介]
皮をむいてから小鍋で数度に分けて炊きあげるなど、手間暇かけて作る餡が評判の「文銭堂本舗」。上生菓子は月替わ りの6 種に加え、「黒牡丹」と「君牡丹」の定番2種。ほかに江戸時代の貨幣を模した代表銘菓「文銭最中」や、週3日限定販売の「豆大福」を目当てに足しげく通うファンも多数。
文銭堂本舗 新橋本店
ブンセンドウホンポシンバシホンテン

菓匠 菊家の「秋の野」と「栗名月」

【秋の野/左】 秋の草花が咲く中、うさぎが一匹お月見しているほほえましい様を表したもの。こし餡をシナモン餡で包んだ香り豊かなひと品です。 ◆価格:550円 ◆発売期間:9月中旬頃まで 【栗名月(くりめいげつ)/右】 栗の収穫の時期と重なることから栗名月とも呼ばれる、十三夜のお供えとして。ぽってりとした栗の中から月を思わせる蜜漬け栗が現れます。 ◆価格:550円 ◆発売期間:9月下旬頃まで
[お店の紹介]
多くの茶人・著名人から愛され、作家・向田邦子が常連だったことでも知られる「菓匠 菊家」。一子相伝により技を伝えているため支店はなく、お店は骨董通り沿いの1店舗のみ。伝統の技に洗練された味と意匠が溶け込んだ芸術品のような菓子を、二代目・三代目の親子の職人が作り続けています。
菓匠 菊家
カショウキクヤ

萬年堂本店の「錦秋」と「翠- みどり」

【錦秋(きんしゅう)/左】 色鮮やかな紅葉の様子をつくね薯の香り豊かなそぼろで表現しました。中の粒餡からは、豊かな小豆の風味がしっかりと感じられます。 ◆価格:432円 ◆発売期間:9月15日~10月31日頃 【翠(みどり)/右】 なかには、契約農家から仕入れた大粒のシャインマスカットが丸ごとひと粒。ジューシーで爽やかな酸味と上品な甘さをふんわりとお餅で包み込みます。 ◆価格:432円 ◆発売期間:9月15日~10月31日頃
[お店の紹介]
約400年前に創業、今は銀座7丁目に店を構えていますが、元々は京都の地で天皇家にお菓子を納めていたという、歴史あるお店です。自慢の和菓子に使うのは、小豆の皮の渋味を含んだ煮汁をあえて捨てずに煮込んだ「渋切らず餡」。小豆本来の味と香りが濃厚、抹茶の味を引き立てると茶人からも愛されています。
萬年堂本店
マンネンドウホンテン
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神島由布子 撮影/村上未知
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