歴史を感じる日本の伝統美に調和した西洋の建築

趣のある玄関

蕎麦と珈琲のお店「鎌倉 北橋」は、鎌倉市の文化財として指定されている旧加賀谷邸に暖簾をかかげます。この邸宅は明治時代に建てられたといわれていて、日本情緒あふれる玄関のすぐ脇に洋館があるモダンな建物です。

和洋折衷のお屋敷

このお屋敷には、戦後の一時期に作家やエッセイストとして活躍した山口瞳が住んでいたのだそう。斜め向かいには小説家の川端康成の邸宅が今も大切に保存され、近くには鎌倉文学館がたたずみ、文学の香りも漂うエリアです。

広々とした庭を見渡す居心地のいい和室

無垢材のテーブルとイスが整然と並ぶ

8畳と10畳の和室が続く日本家屋側は蕎麦のお店になっていて、障子で仕切られた純和風の雰囲気ははじめて訪れても心地のいい空間です。シンプルで無駄のない和室に座ると、気持ちも落ち着きますよ。

明るい縁側

縁側からは庭に敷いた芝がまぶしく映ります。芝の向こうには木々が生い茂り、豊かな緑に囲まれた一軒家です。

一枚のざるから伝わる蕎麦通を唸らせる端正な手仕事

「もり蕎麦」（1100円）食べ比べは（1850円/2産地～）

玄蕎麦と呼ばれる殻付きの蕎麦の実を栽培農家さんから直接仕入れる蕎麦は、蕎麦の殻をむき、自家製粉から蕎麦打ちまでの作業をすべて店内でこなすこだわりの味。北海道や信州をはじめ日本全国の産地から取り寄せた産地ごとの味わいを楽しむ食べ比べや、十割蕎麦も選ぶごとができ、蕎麦好きには嬉しいラインナップです。

繊細な蕎麦の味わいを懐石のランチで

前菜盛り合わせ・蕎麦・甘味「昼懐石さくら」（2800円）

こだわりの蕎麦をさらに美味しくするのが薬味です。手打ち蕎麦はそのままでも香りがよく、天然塩をパラパラとふりかけるほか、蕎麦つゆでいただく場合は相性のいい辛味大根がおすすめなのだそう。蕎麦の単品のほかに前菜とデザートのつく「昼懐石」もあり蕎麦割烹としての一面も楽しめますよ。

甘味の「蕎麦茶ぷりん」

楽しみなデザートは日替わりで「酒粕ぶらまんじぇ」などの甘味が用意されます。取材時の甘味「蕎麦茶ぷりん」は、蕎麦の香りがほんのりと漂いまったりとした味わいでした。

古き良き時代へタイムスリップしたかのようなレトロな洋館

時代を感じる引き戸から店内へ

和室から棟続きの洋館はカフェになっています。上げ下げ窓や鎧戸、暖炉などノスタルジックな雰囲気が漂い、まるで知らない時代へ時間旅行にでも出かけたかのよう。古都鎌倉にいることを忘れてしまいそうになるほどです。

窓の外を眺めて静かに過ごすカウンター

シャンデリアが吊り下げられる天井は高く、作家の山口瞳が住んでいたころは、この部屋をダンスホールとして使っていたこともあるのだとか。

オーダーはカフェカウンターで

バリスタが淹れるスペシャルティコーヒーでほっと一息

「カフェラテ」（730円）「そば粉の生シフォンケーキ」（600円）

このカフェではシングルオリジンのスペシャルティコーヒーと一緒に、パティシエが手作りするスイーツをいただくのがおすすめです。そば粉100％のシフォンケーキをはじめ、季節のケーキやスペシャリティコーヒーを贅沢に使った「コーヒーゼリー」など、素材の味わいを大切にしたスイーツです。散策の途中に立ち寄ってでのんびりと過ごしてくださいね。

「コーヒーゼリー」（700円）