歴史を紡ぐ、登録有形文化財のおいしい名店

重厚感のある純和風の建物

JR逗子駅からバスで約15分。葉山町の入り口に近い、小ぢんまりとした「小浜海岸」のそばに「日影茶屋」はあります。 建物は、古き良き日本らしい外観。初めてでも、落ち着きを感じられるゆったりとした雰囲気が漂います。

入ってすぐの場所は、渋みのある待合室。天井には、いろいろな人を呼び寄せる縁起物がぶら下がり、鎌倉・建長寺や京都・建仁寺の天井画で知られる、日本画家・小泉淳作さんの「龍の絵」も飾られています。 店内はじっくり見て回るほど、見どころがたくさん。まるで博物館に来たようで、訪れる人をわくわくさせてくれます。

待合室に、年賀状印刷などに使われていた昭和初期の印刷機を展示

こちらは、旅籠時代に使われていた看板。有名な文豪・夏目漱石も、毎年、夏になると、家族で泊まりに来ていたのだとか。

竹林の中庭を一望できるロケーション

涼し気な竹林が見える店内

店内は上質で洗練された雰囲気。大きな窓から見える、風になびく竹林にも癒やされます。

葉山のほうじ茶をかけて味わう「鯛茶膳」

「鯛茶膳 」昼食は5500円、夕食は6600円（夜は地場食材や旬の味覚をより堪能できる会席形式になります／昼夜共にサービス料金10％別途）

ランチタイムのおすすめは、日影茶屋名物の「鯛茶漬け」をメインにした、旬の食材をふんだんに使用した前菜、焼き物、揚げ物、水菓子などを一度で味わえる御膳。 この日は、清流で育った鮎のうるか焼き、地元でとれた蛸とはす芋の梅肉かけ、初夏から夏にかけて旬を迎える穴子の天ぷらなど。どれも“今だけ”の季節を感じられる味わいでした。

お庭を眺めながらいただく「かき氷」は夏だけのお楽しみ♪

かき氷を味わえる時間帯は、14：30～16：30

夏のお楽しみといえば、毎年恒例の「かき氷」イベント。2024年は８月５日(月)～８月30日(金)まで。月・木・金曜の期間限定で行われます。※8月13日(火)・14日(水)は営業、8月16日(金)は休業。 凛とした空気が心地良い庭は、緑あふれる癒やしの空間。ここに身を置くだけでも、心が洗われるよう。

自家製シロップをかけて楽しむ、２種類のかき氷

「かき氷 いちご」

かき氷のフレーバーは、いちごと抹茶の２種類（各1500円）。いちごのシロップは、横須賀にある「嘉山農園」の苺を冷凍させ、果肉たっぷり。溶けてもジュースのように楽しめる、フルーティーなおいしさです。 シロップや練乳は自分でかけられるので、味の微妙な変化を楽しんで。

「かき氷 抹茶」

クラシカルな時間が流れる広間も開放中

特別な時しか開放されない奥の広間

かき氷のイベント期間中は、エアコンの効いた涼しい広間を利用できます。広間がある建物は、昭和９年に建てられ、平成24年には登録有形文化財にも登録されました。 自然豊かなお庭を眺めながら、のんびり、まったり。ノスタルジックな空間で味わうかき氷は格別です♪

ガラス窓の向こうにはお庭が広がる

名物の「日影大福」をお土産に

お腹が満たされたら、同じ敷地内にある蔵をリノベーションした菓子舗で、旅の思い出としてお土産も忘れずに。 菓子舗では、目にも舌にも嬉しい手作り和菓子を販売。一番人気の「日影大福」を始めとして、葉山の夏みかんを使った最中や季節に合わせた和菓子が並びます。

売り切れ必至の「日影大福」

「ひかげ」の焼印を入れ、真心を込めて焼き上げた「日影大福」は、日影茶屋の自信作。添加物が入っていないため賞味期限は当日中と短いものの、素材本来の旨味を感じられる、体に優しいおいしさ！ぱくっと一口ほおばれは、上品な甘さが口いっぱいに広がり、幸せな気分になりますよ。 レトロな建物とこだわりの味に出会える「日影茶屋」。ちょっぴり贅沢なランチを楽しみたいときに、ぜひ訪れてみてくださいね。