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2024.09.21
9/14-10/20|金沢と富山を舞台に、旅気分を味わいながら楽しめるアートイベント「GO FOR KOGEI 2024」
2024年9月14日(土)〜10月20日(日)の期間、金沢と富山を舞台に「くらしと工芸、 アートにおける哲学的なもの」をテーマとした「GO FOR KOGEI 2024」が開催中。この秋は、旅行気分でまちを歩きながら、日常のなかに溶け込むアートの新しい魅力を発見してみませんか?
暮らしや生活の場の中で楽しむアート
竹俣勇壱 展示風景(tayo・石川、2024年)
北陸から新たな工芸を発信する「GO FOR KOGEI」。5年目を迎える今年は、37名(15名+4組)のアーティストが参加し、工芸や現代アートの広がりを紹介しています。 今年は、歴史ある町並みでありながら暮らしがまだ色濃く残っているまちなかで、工芸や現代アートを楽しめるのが最大の魅力です。 会場は、金沢市・東山エリアと富山市・岩瀬エリアの2カ所。ともに観光地なので、旅行気分を味わいながらアートを巡れるのがうれしいポイントです。
体験を通して工芸に触れられる東山エリア
©️金沢市
まず足を踏み入れたのは、金沢の東山エリア。金沢随一の観光スポットでもある「ひがし茶屋街」を擁する東山エリアの裏手には、昔ながらの住宅地が広がっています。かつては多くの職人が軒を連ねており、今でも隠れ家的なカフェやギャラリーが点在するこのエリアでは、工芸と暮らしが密接に結びついた姿を垣間見ることができます。 迷路のような小道を進みながら作品を巡っていくので、ちょっと冒険しているような気分に。旅のワクワク感とともに、次はどんな作品に出会えるのか期待が高まります。 東山エリアでは、コラボレーションやイベントなどの体験を通じ、「こと」として工芸を紹介。アートと機能性が見事に融合しており、視覚だけではなく、五感で工芸の本質に触れられる貴重な機会です。
《経木の蓮弁皿》で食べる四知堂のスペシャルメニュー
例えば、台湾料理レストラン「四知堂 kanazawa」では、木工作家・川合優さんと「四知堂」を手がける塚本美樹さんとのコラボレーションを堪能できます。川合さんの《経木の蓮弁皿》で提供されるのは、四知堂手作りの台湾伝統菓子「雪Q餅(シュエキュウビン)」。 針葉樹を薄くスライスし、ハスの花を模したこの使い捨ての皿は、皿としての役目を終えた後、ハイキング型のワークショップで土に還されるという、自然との共生を感じさせるサステナブルなイベントも行われます。 さらに「tayo」では、竹俣勇壱さんと鬼木孝一郎さんによるコラボレーションの新作家具を展示。日曜・祝日の午後3時から1時間半限定でふるまわれるお酒は、竹俣さんによる真鍮製の盃で召し上がれ。手に取った瞬間、指先に伝わるひんやりとした快感が心地よく、その一杯はきっと格別のものになるでしょう。
金属のうつわで愛でる、立ち呑みふるまい酒
街並みや風景を生かした作品を楽しめる岩瀬エリア
松山智一展示風景
次に向かったのは、かつて北前船の寄港地として栄えた岩瀬エリア。富山駅から車でわずか15分の場所に広がる、歴史ある古い街並みが魅力のエリアです。 岩瀬エリアでは、町並みや風景を生かしたサイトスペシフィックな作品が数多く展示され、その場所や風景に新たな意味を込めたインスタレーションが点在。 古代の埴輪や土偶をモチーフに現代の感覚を織り交ぜたユニークな焼き物や、漆を素材に唇をモチーフにした作品など、町の風景に溶け込んだ工芸や現代アートの多様な表現を楽しめます。
岩村遠によるユニークでカラフルな焼き物
五月女晴佳《Bondage》2020年
青いフレームで切り取る世界
磯谷博史《花と蜂、透過する履歴》2018年
今年のキーヴィジュアルにも使われている青いフレームが、岩瀬エリアと東山エリアのインフォメーションセンターで数量限定配布中。フレーム片手に写真を撮る時間も楽しく、街歩きがさらに楽しくなりそう。作品はもちろん、街並みや風景のなかで「GO FOR KOGEI」らしい瞬間を見つけてフレームに閉じ込めてみてくださいね。
GO FOR KOGEI 2024
ゴーフォーコウゲイ2024
富山県
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土屋香奈
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