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2025.01.08
フランス菓子をベースにした暮らしに溶け込むおやつを。東京・幡ヶ谷「Equal(イコール)」
新宿から2駅の場所にある幡ヶ谷は、どこか懐かしい街並みが散策したくなるエリア。商店街通りをまっすぐ進んでいくと現れるのが、洋菓子店の「Equal(イコール)」です。「街のお菓子屋さん」をテーマに作られたスイーツは親近感がありながらも、フランス菓子の技術をベースに作られた本格的な味わい。その美味しさが評判を呼び、開店前から列をなすほど人気です。とっておきのシュークリームやチーズケーキなどを今日のおやつに選んでみませんか。
下町の雰囲気が残る商店街通りにある洋菓子店
可愛らしいタイルが目を引く、アンティークな雰囲気の入り口
京王新線幡ヶ谷駅から代々木上原方面へ進むこと3分。昔ながらの飲食店など個人店が軒を連ねる西原商店街沿いにあるのが「イコール」です。
奥には簡易的に食べられるスタンディング席もある
一歩足を踏み入れると、まるでジュエリーショップのような心ときめく空間が広がります。
ところどころにあるヨーロッパ調のインテリアがアクセント
アンティーク調のショーケースに並ぶスイーツや、ウィリアム・モリスによる繊細な花柄の壁紙がアクセントになったレトロモダンな空間は絵本から飛び出してきたような世界観です。
目指したのは、地域に根付いた“街のお菓子屋さん”
店内奥にあるガラス張りの厨房でせっせと手際よく作業するのが、オーナーの後藤 裕一さん。東京・四谷のフレンチ 「オテル・ドゥ・ミクニ」「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」を経て、フランス「トロワグロ」本店でアジア人初のシェフ・パティシエに抜擢。独立後は、シェフの原 太一さんと共同で代々木八幡にあるビストロ「PATH」をオープンさせ、2019年9月に「イコール」が生まれました。
パッと見てどんな構成か分かる佇まいに仕上げるのが信条
店名は洋菓子を身近で平等な存在として捉えてもらいたいという願いが込められています。商店街通りに位置するだけあって、子どもやお年寄りも多いそう。なので、店内に並ぶのはシュークリームやチーズケーキといった誰からも愛される菓子が中心となっています。
フレンチクルーラーは常時約3種ある
「味の組み立て方やレシピに対するアプローチの仕方がパティシエとは違い、レストランパティシエ出身だからこその表現がそれぞれにあります」と、後藤さんは話します。たとえば人気のフレンチクルーラーは、調理法の選択肢として揚げ物があるレストランでの経験をしたからこそ生まれた商品。一見シンプルながら、職人の技と個性が出た菓子に多くの人が魅了されています。
定番菓子を新しいおいしさにアップデート
「チーズケーキ」680円
「イコール」の代名詞ともいえる「チーズケーキ」は必食。「通常レアチーズケーキはゼラチンを入れて冷やし固めるレシピで作られますが、どういう風に卵に火を入れたらチーズの風味を損なわずになめらかな食感で固まるかという料理っぽい発想から生まれました」。焼いているのに生っぽい舌触りは、ファンの間で“正真正銘のレアチーズケーキ”と呼ばれているそう。塩気を効かせた極薄の生地が、北海道産クリームチーズの程よい酸味とコクを引き立てます。
「シュークリーム」300円
日常的に食べてもらえるように大福をイメージして作られた「シュークリーム」。気軽に手に取れる小ぶりなサイズで、「今日のおやつに」と一個だけ買いに来るお客さんもいるそう。パクッとほお張ると、カスタードクリームのなめらかな舌触りとコクにうっとり夢心地になります。極力火を入れる時間を短時間にすることで、軽い口当たりにするのが「イコール」流。アーモンドクリームを絞って焼いたシュー皮の香ばしさも満足感を底上げしてくれます。
「フレンチクルーラー(プレーン)」400円
「今まで食べてきたものとは全く別物」と多くの人が夢中になるのが「フレンチクルーラー」です。米油で揚げることで舌にベタッとつくような油っぽさがなく、表面はサクッ。卵を多めに配合することで、ふわっと軽さがありながらしっとりした食感を叶えています。噛み締めていくと口の中でとろんととろけていくようで、まさに魔法のような食感♪ 卵の風味と共にやさしい甘さが広がり、ぺろっと一個食べられますよ。
「和栗のモンブラン」880円
2024年秋から新発売をして、瞬く間に人気になった「和栗のモンブラン」。「栃木県にある那須栗園の和栗を使っています。前々からモンブランをやりたいと思っていましたが、ただ美味しいだけでなくどういう考えで育てているか農家さんの志に共感できるものを使いたくて」と、後藤さんの心意気も感じられる品です。
カップ入りでスプーンですくって食べるスタイルに心躍る
ほくほくとした和栗の上品な甘味に、カスタードクリームや生クリームがバランスよく一体になるさまは幸せそのもの。和栗の良さを引き出しつつ洋菓子らしさも表現するため、最下層にあるメレンゲにはホワイトチョコレートをコーティングしてあります。ザクザクとしたクランブルのアクセントもあって、最後まで食べ飽きません。 そのほかにも、フランス伝統菓子を現代の嗜好に合わせて再構築するのが得意な後藤さんならではの品々が並びます。
フランス伝統菓子など個性豊かな顔ぶれの焼き菓子
焼き菓子やジャム類が約15種並ぶ
個包装になった菓子は、マドレーヌやフィナンシェなどの定番商品のほかに、めずらしいフランス伝統菓子があるのも見どころです。焦がしバターやアーモンドプードルを使った「ヴィジタンディーヌ」、最初の修業先である「オテル・ドゥ・ミクニ」で教わったレシピをアレンジした「メープルパウンドケーキ」は開業当初から人気の商品。ギフトボックスがあるので、自由に詰め合わせて贈り物にしてみてはいかがでしょうか。 親しみやすさがありながら繊細な味わいや食感の菓子を目当てに、散歩の合間に立ち寄ってみて。
Equal
イコール
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文:磯崎舞 撮影:古本麻由未
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