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2025.01.04
伝統茶と韓菓子を楽しむ日本初の韓国アフタヌーンティー。東京・成城学園前「韓国宮廷茶室 HOSEKI」
東京・世田谷を代表する、閑静な住宅街の成城学園前。美しい街並みに溶け込むようにたたずむのが、日本初となる韓国アフタヌーンティーを提供する「韓国宮廷茶室 HOSEKI」です。果物や木の実など70種類以上の素材を使った宮廷韓菓子と伝統茶のペアリングをいただき、洗練された空間で身も心も癒やされてみませんか?
成城の街並みにふさわしい、非日常的な空間
ハングル文字のインパクトのあるロゴが目を引く
新宿駅から小田急小田原線に乗って約15分の場所にある成城学園前。ゆったりとした雰囲気が漂う街並みを5分ほど歩くと、「韓国宮廷茶室 HOSEKI」があります。
店内は空間にゆとりがあり、1階は12席ある
扉を開けると、モノトーンでまとめられた高級感漂う空間が広がります。通りに面した窓側は一面ガラス張りになっていて、日差しがたっぷり差し込み開放的。季節ごとに色移りする木々が目に飛び込んできて、ホッと心が安らぎます。
パクさんの穏やかな人柄と丁寧な接客にファンも多い
オーナーを務めるパク・スヒョンさんは、ヨーロッパやカナダで修業を重ね、広尾の韓国料理店「HASUO」を開業。統括シェフとして歴史ある韓国の宮廷料理をふるまってましたが、「日本でアフタヌーンティーが流行している今、韓国のアフタヌーンティーも関心をもってもらえるのでは」と思ったのをきっかけに、いつしか韓国の宮廷茶室文化を現代でも楽しめる店を開きたいと考えるようになったそう。前々から街の雰囲気に惹かれていた成城の地で、2023年11月に「韓国宮廷茶室 HOSEKI」をオープンしました。
テーマは宮廷韓菓子と伝統
仕込みに3日間かけて丁寧に作られるものもある
いったい韓菓子とはどんなもの?と思う方も多いでしょう。その歴史は古く、高麗時代(918年~1392年)まで遡るといわれています。仏教と共に茶文化が伝わり、茶菓子として韓菓子が発展。その伝統を重んじながら、現代で手に入る素材を取り入れて作られたのが「韓国宮廷茶室 HOSEKI」のアフタヌーンティーです。 「日本は一つの味を深く突き詰めるスタイルなのに対して、韓国は素材の組み合わせを楽しむスタイル。アフタヌーンティーには70種類もの野菜、果物、木の実などを使っています」と、パクさんは話します。素材そのものを生かして手間暇かけて作られた品々は身体にやさしく、ひと口食べると内側から整うような感覚になりますよ。
五感を刺激する、美食体験ができるアフタヌーンティー
「彩りHOSEKI」4500円 ※完全予約制で100分制、2人〜12人まで対応
アフタヌーンティーと聞いて思い浮かぶのは2〜3段のケーキスタンドですが、「彩りHOSEKI」はさまざまな韓菓子と伝統茶をコース料理のように5回に分けて提供するのが特徴。それぞれの効能、歴史や文化など、パクさんによる丁寧な説明を聞きながら堪能することができます。
「旬のアペリティフ」
「旬のアペリティフ」は、韓国の伝統菓子「カンジョン」とノンアルコールドリンクのセット。運ばれてきた瞬間、その演出に誰もが最初から驚くでしょう。「カンジョン」は大豆やゴマなど約14種類を使って作ってあり、手で割って食べます。裏についた海苔の香りがよく、雷おこしに似たカリカリの食感。素朴な風味がどこか懐かしい気持ちになりますよ。 月替わりのノンアルコールドリンクは砂糖や水は一切不使用。新鮮な野菜や果物の酵素が壊れないように低速で圧搾して作られたフレッシュな味わいです。
「本日特選茶」
「本日特選茶」は月替わりで提供され、取材時はさっぱりとした味わいの菊芋茶でした。そば殻で埋め尽くした演出が目を引く器の中には、レイシというキノコの一種が入っていて、レイシ茶を注いでいただきます。
「宝珠」
目の前にすると壺の存在感に圧倒される「宝珠」。ドキドキしながら開けてみると、直径2cmほどの球が現れます。
さりげなく飾ってある金箔のあしらいに見惚れる
野菜・ナッツ・大豆・ゴマなど31種類の素材をパウダーにして固めて3日間熟成。ひと口かじると、甘味や深いコク、苦味など、凝縮した味わいにゆっくりと噛み締めたくなります。
「彩りHOSEKI」
9種類の韓菓子が盛られた「彩りHOSEKI」は、美しく芸術作品のよう。どれから食べようか目移りしてしまいますが、食べる順番のおすすめをパクさんが教えてくれます。なかでも、代表的な韓菓子はこちらです。
「コッカムタンジ」
まず、鮮やかなピンク色の「コッカムタンジ」が目を引きます。表面をコーティングしているのは、クランベリーパウダー。その甘酸っぱい味わいと、中に入った干し柿のねっとりとした甘味がたまりません。
「ケソンチュアク」
本来はもち米粉にマッコリを入れて発酵させる「ケソンチュアク」ですが、代わりにシャンパンを入れて油で揚げ、蜜がけをしています。表面はカリッと、もちもちした食感がやみつきになります。
「韓国伝統茶」
最後の締めくくりは、漢方茶をミックスさせた「韓国伝統茶」。付け添えの卵黄と共にいただくことで、栄養を体内に閉じ込められるそう。飲むと身体の芯からポカポカ温まった感覚になりますよ。 日本の食文化にはない新しい美味しさや演出、ペアリングの未知の楽しさに最後まで驚くでしょう。伝統の宮廷茶室文化を体感して、まるで韓国に旅したような気分を体験してみてはいかがでしょうか。
韓国宮廷茶室 HOSEKI
カンコクキュウテイチャシツ ホセキ
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文:磯崎舞 撮影:古本麻由未
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