![温泉と読書を思う存分愉しむための宿♪ 文豪が癒された大正15年創業の「蓼科親湯温泉」](https://image.co-trip.jp/content/14renewal_images_l/680160/main_image_20250131162929241.jpg)
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2025.02.07
温泉と読書を思う存分愉しむための宿♪ 文豪が癒された大正15年創業の「蓼科親湯温泉」
明治、大正、昭和史に彩りを添えてきた、日本の文豪たち。束の間の休息とひらめきを求め、お気に入りの温泉宿に足繁く通った作家も少なくありません。居心地のよい空間と、身も心も癒す名湯が、歴史に残る作品を生み出す源となったのです。 そんな文人たちに愛された温泉宿の一つが、長野県茅野市にある「蓼科親湯温泉」。創業は大正15年、およそ100年前から続く歴史ある老舗旅館です。そして、2019年のリニューアルオープンを機に造られたのが、文化の発信地であった名残を受けたライブラリーラウンジ。本好きにはたまらない時間が流れます。
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文豪や本の文化に関わる人たちが集った老舗の温泉旅館へ
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蓼科の歴史と文化を守り続ける「蓼科親湯温泉」
蓼科親湯温泉は、武田信玄の“隠し湯”として地元の人に愛されてきた湯治場。伊藤左千夫、斎藤茂吉、太宰治といった数々の文人たちがぬる湯に浸かり、歴史に残る作品を紡いできました。大正15年の創業以来、宿を訪れる文化人と交流を重ねてきた初代と二代目。彼らから譲り受けた貴重な掛け軸や書は、館内で大切に展示されています。 そもそも当宿が文学のゆかりの地となったのは、小説「野菊の墓」で有名なアララギ派の歌人・伊藤左千夫が蓼科温泉を訪れたことが始まりでした。蓼科を気に入った伊藤を中心にやがてこの地で歌会が開催されるようになり、多くの文人歌人が頻繁に通うように。蓼科の美しい自然に魅了され、文学談義を繰り広げ、彼らの常宿となっていったのです。
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ワインを片手にくつろげる「みすずLounge & Bar」
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「物語のある宿」で本と過ごす時間は格別
そんな蓼科親湯温泉の歴史を物語る象徴となっているのが、当宿自慢の「みすずLounge & Bar」です。出版社「みすず書房」の創始者・小尾俊人が茅野市の出身であり、日本の文学会に多大な功績を残し続けていることから、2019年のリニューアルオープンを機にその名を冠したスペースが造られました。 ラウンジに所狭しと並ぶおよそ3万冊の蔵書は、現社長が30年かけて集めた珠玉の良本。純文学や現代文学、古典、近代古典、アート、写真集、絵本など、さまざまなジャンルがそろいます。もちろん客室に持ち込むこともできますが、その名の通り「ラウンジ・バー」なのでワインやウイスキーを片手に読むことも可能。本棚から好きな1冊を選び、本の香りとシャンソンやジャズの音色に包まれながら、時を忘れて読書の世界に入り込む……。他では体験できない、至福の時間が流れます。
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併設されたバーが読書時間を特別なものにしてくれる
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誰もが手にした文庫本が並ぶ「岩波文庫の回廊」
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初期のものから現代のものまで、一堂に並ぶ岩波文庫
文庫といえば、岩波書店の岩波文庫。その文庫本だけを集めた「岩波文庫の回廊」も当宿の人気スポットで、長い年月の間に発刊された新旧さまざまな文庫本がずらりと並びます。誰もが一度は手にしたことがあるであろう岩波文庫を前に、昔読んだ懐かしいタイトルを探したり、今まで出会ったことのない一冊を求めたり……。この回廊での楽しみ方は無限にあります。 こちらのスペースも「みすずLounge&Bar」と同様、岩波書店の創業者・岩波茂雄が諏訪市の出身であることから、出版事業を通して日本の文学、哲学に多大な功績を残し続けていることを讃えて造られました。昭和初期、当時の学生たちは懐に岩波文庫を忍ばせて歩くのが定番のスタイル。そんなかつての風景に思いを巡らせてみませんか?
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武田信玄の隠し湯を心ゆくまで堪能する
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宿泊客は貸切露天風呂を30分無料で利用できる
蓼科温泉は、武田信玄が戦で傷ついた兵士を癒したといわれる隠し湯。弱酸性のさらりとした泉質で、美人の湯としても知られています。5つの露天風呂とお座敷風呂があり、なかでもおすすめなのが貸切露天風呂。清らかな渓流と深い森が織りなす渓谷の絶景を愛でながら、家族やカップルのほか、誰にも邪魔されず贅沢に1人だけで堪能したい人にも好評です。 大浴場に直結する露天風呂は、眼下に一級河川である「滝ノ湯川」を望む場所にあり、渓流の力強い音と大木が迫りくるダイナミックな景色が広がります。文豪たちが浸かった湯に身を委ねれば、日頃の疲れや悩みもゆるやかに流れていくはず。体も心も頭も、思う存分開放してあげましょう。
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露天風呂に浸かりながら自然美を五感で楽しんで
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宿にゆかりのある文人たちをイメージした客室「蓼科倶楽部」
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昭和から平成にかけて活躍した小堀杏奴をイメージ
蓼科親湯温泉の客室は、四季の美しい姿を楽しめる眺望抜群の部屋から、人目を気にせずゆったりと過ごせる露天風呂付きの部屋まで、それぞれの特徴を持つ空間が広がります。人気なのは、この土地と関わりの深い10人の文人たちをイメージして造られた「蓼科倶楽部」。各部屋すべてのデザインが異なり、クラシックでモダンな設えになっています。 とくに、大正期を思わせる調度品の数々は、普段なかなか触れる機会のないものばかり。艶やかな板の間に置かれた絨毯やソファ、かわいらしく装飾されたランプなど、タイムスリップしたような気分を味わえます。その部屋のイメージとなっているそれぞれの文人たちに、思いを馳せながらくつろいでみてはいかがでしょうか。
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黒と金が混ざる独特な色使いの太宰治スイート
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信州の山の幸を存分に味わえる「蓼科 山キュイジーヌ」
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体に良いものを和フレンチに仕立てた創作料理
夕食は、和フレンチをベースにした「蓼科 山キュイジーヌ」。蓼科の旬の山の幸をふんだんに味わうことができ、諏訪の日本酒や長野ワインと合わせればさらに心躍ります。 実は、信州は常に健康長寿トップクラスであることでも有名です。その要因の一つは食にあり、豊かな自然環境に育まれた味噌・醤油・漬物といった発酵食品が体を整えてくれています。さらに、新鮮で栄養価の高い果物や、旨味の凝縮した凍み豆腐、凍み大根といった、日本の伝統食を味わえるのも「蓼科 山キュイジーヌ」ならでは。自然と温泉に癒された体を、夕食でさらに労わります。
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蓼科 親湯温泉
タテシナシンユオンセン
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文 / ナガシマエミ
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