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2025.03.11
高台寺御用達の杵つき餅を使う甘味を♪京都・東山ねねの道にある「甘味処 乃あん」
高台寺塔頭寺院のひとつ「圓徳院」の境内。三面大黒天がある場所に「甘味処 乃あん(のあん)」はあります。もともと宇治を拠点とする、お茶菓子やもち米を使った和菓子などの卸商による店で、おいしいお茶が手に入るのもこちらならでは。お餅がはいったぜんざいが名物で、清水寺から高台寺、八坂神社などの散策時の休憩に訪れるのがおすすめです。

時間がない時でも立ち寄りやすい甘味処

豊臣の家紋桐紋(五七の桐)が描かれている紫の幕が目印
豊臣秀吉の妻、ねねの400回忌(2024年)を機に、もともと圓徳院にあったとされる江戸時代の休憩所を復活させたのが「甘味処 乃あん」です。洛中洛外図がかかる店内はもちろん、囲炉裏を囲むような席もあれば、縁台に小さな座布団や赤い毛氈を敷いた屋外席もあり、天気の良い日は気持ちの良い時間が過ごせます。テイクアウトもあるので、気軽に和の甘いものが味わえますよ。

餅を使う甘味が人気

漬物の老舗「八百伊」の柴漬けと煎茶付きの丹波大納言餅入りぜんざい990円
店では、おはぎやわらびもち、抹茶ソフトクリームといった、京都らしい和スイーツに、宇治田原原産の抹茶や煎茶にアレンジ抹茶ドリンクが楽しめます。看板メニューは、おぜんざい。宇治抹茶せんざいなど季節により3種から5種あり、なかでも定番で通年ある「丹波大納言餅入りぜんざい」は、この味が忘れられないと通うリピーターがいるほど人気です。ふっくらと粒を残して炊き上げた丹波大納言は、ほどよく上品な甘さ。江州(滋賀)産羽二重餅米の味がしっかりするお餅もほどよく焼かれ、おいしいさが増す甘味です。

春秋冬の限定メニュー宇治抹茶とまめおはぎ920円は、2種から好きな1種を選べる。器は清水焼
お抹茶と相性の良いあんこスイーツもあります。舞妓さんも一口で味わえそうなまめおはぎは、北海道産小豆を炊き上げて使用。こしあん&粒あん入りのきなこと、こしあん&抹茶あんの2種から選べて、お濃茶用抹茶をおうすで仕立てる宇治抹茶とセットで楽しめます。

テイクアウトも可能な、ねねさんアイスもなか650円
小腹が空いたときにおすすめなのが「ねねさんアイスもなか」です。ほど良い苦みと上品な甘さが特徴の宇治抹茶アイスの上に、たっぷりの粒あんと白玉をのせて、パリパリ食感が楽しめるもなかの皮でサンド。ボリューミーながら、意外と女性もペロリといただける後を引く味わいです。

宇治抹茶クリームぜんざい1300円。夏期限定の宇治抹茶ごおり900円は、あんこや白玉のトッピングも用意(別料金)
甘くなりがちな冷たい和スイーツも上品な甘さが印象的で、年齢問わず味わえるよう工夫がされている和スイーツばかり。とはいえ、甘いだけで終わりがちな抹茶ソフトクリームは、お濃茶を使うことでしっかりコクと苦みがあり大人の味わい。もち米や小豆、抹茶とどれも上質な素材を使っていることが、味にうるさい美食家も納得するメニューがそろう証なのかもしれません。

お店で味わいおみやげも買える

宇治煎茶1620円、宇治ほうじ茶950円、ねねの薫り1個220円、みるくまんじゅう1個184円
甘味処で味わい虜になり、お茶を購入する人も。また1個単位で買えるので、京菓子をホテルに帰ってから食べたいと自分へのおみやげにする人もいるそう。 ねねの道からすぐの圓徳院の境内で、少しの時間足を休めて甘いものを味わうのにちょうどいい甘味処。何より時間をかけずにサクッと楽しめるのが嬉しいお店です。

甘味処 乃あん
カンミドコロノアン
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文:土井淑子 撮影:増田えみ
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