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2025.02.12
カフェや文具店などが集まる、愛知・春日井の古民家店舗「taneya」で心満たされるひととき
名古屋市と隣り合う春日井市の商店街にある、古民家シェア店舗「taneya」。懐かしい風情が漂う建物に、カフェや文具店など4軒が集まっています。コーヒーやチーズケーキ、選りすぐりの文具など、自身が愛するものを分かち合いたいと願う店主さんが営むお店。思いを込めたメニューや一品と出合い、気持ちも満たされる時間を味わいにでかけませんか。
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駅前の商店街に残る古民家
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入口の暖簾が営業中の目印
「taneya」があるのは、愛知県春日井市の勝川駅前通商店街。名古屋駅から勝川駅までは、JRで約20分です。駅から歩いてすぐの商店街には、長く愛されている老舗や新しい飲食店など、さまざまな店が立ち並び、そぞろ歩きも楽しい雰囲気。通り沿いに2階建ての古民家が見えたら、taneyaに到着です。 かつてはその名の通り、種苗店だったという築90年の建物。現在はリノベーションされて、1階に「カフェ百時(ももとき)」、2階に「文具の店 カキノタネ」、「フラワーアストロジー なごみの華」、「菓子十三夜」の工房が入居しています。
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のんびり過ごしたくなる「カフェ百時」
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座敷の所々に衝立が置かれ、隣の席とほどよい距離感
カフェ百時は、お母さんが淹れるコーヒーに子どものころから親しみ、カフェとコーヒーが大好きになった伊佐治さんのお店。食事や喫茶、おしゃべりや読書など、さまざまな目的や気持ちを携えて訪れた人が、それぞれにいい時間を過ごしてもらえるようにと願っています。 以前は別の場所にお店がありましたが、あるきっかけでシェア店舗として入居者を募集するtaneyaと出合うことに。扉を開けたときの土間の雰囲気の良さに魅せられて、移転を決意。2014年からこちらで営業しています。
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通りからの外光が入る土間
土間に置かれたテーブルと座敷の席がある店内。元々あった家具や調度品を生かした空間は落ち着いてくつろげる雰囲気で、一人でも誰かと一緒でも過ごしやすい席が備えられています。店内には、以前からおつきあいのある作家さんの作品が並ぶコーナーも。アクセサリーや小物など、個性豊かで多彩なラインナップです。 店内に飾られている花も、心を和ませてくれる存在。運ばれてくるトレイにちょこんと添えられたかわいらしい花は、お店で育てたものだそう。素朴なやさしさが古民家のたたずまいによく似合います。
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2つ並んだ文机。元々taneyaにあるものと、味噌屋さんからの頂きもの
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雑貨が並ぶ棚やディスプレイの仕方も素敵
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ベイクドもレアもずらり♪種類豊富なチーズケーキ
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ニューヨークチーズケーキ561円、フレンチブレンドとマイルドブレンドが選べるコーヒー550円には「菓子十三夜」のクッキーが付く
これがお目当てという人も多い、百時のチーズケーキ。カフェを営みながらマルシェなどに出店して人気が高まり、専門店を立ち上げました。安曇野産のフレッシュチーズと北海道産の濃厚な生クリーム、富山の初産み卵を使用し、低温でじっくり焼くことでなめらかな口当たりに。“食べた後にやさしい気持ちが残る味”を目指して作られているので、濃厚なのに後味は軽やか。もう一つ食べられるかも…、なんて欲張りな気持ちが湧いてきてしまいます。
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ショーケースに並ぶチーズケーキ。もちろんテイクアウトもOK
チーズケーキの種類はベイクドとレア、定番と季節限定をあわせて20種類以上。ベイクドのバリエーションはニューヨークチーズケーキを基本にしていますが、種類によって材料に変化を付けているので、それぞれに違った味わいに。パルミジャーノと黒胡椒などの組み合わせもあるので、コーヒーや紅茶、ワインなど何をおともにしようかと考えるのも楽しみです。
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一つだけに決められないときは食べ比べやシェアをして、楽しむのもいいかも
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ランチタイムの食事も充実
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2品の小鉢や具だくさんの味噌汁、自家製の漬物などが付いてバランスよく、満足感もある、お月見とろろご飯1100円
11時から14時にはオムライスや数種類のパスタ、肉味噌丼などランチメニューもそろっています。マルシェでつながった作り手さんの梅干しや胡椒などの食材も取り入れた、手作りの料理。毎日食べたくなるような親しみやすさがありながら、一品一品に、はっとするようなおいしさが秘められています。14時以降にもバターチキンカレーとオムライスがあるので、ランチタイムに遅れた人もご心配なく。 ほっとする心地よい空間に、おいしいチーズケーキや食事がある幸せ。慌てずゆっくりと味わってくださいね。
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とろろと富山の初産み卵がのった十六穀ご飯に醤油をかけて
カフェ百時
カフェモモトキ
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「文具の店 カキノタネ」で、書くことが楽しくなる文具と出合う
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窓からの光が明るい、白を基調とした店内
昨年11月、taneyaの2階にオープンしたのが「文具の店 カキノタネ」。ライターでもある店主の甚沢さんによる、“手に取った瞬間、書きたい気持ちが湧いてくるもの、書くことが楽しくなるものを集めた文具の店”です。以前から、誰かがほっとする場所を作りたいと、なんとなく思い描いていた甚沢さん。文章や言葉にまつわる仕事の傍らに、いつもあったのが文房具。カキノタネの前に入居していた古本屋さんが移転したことを機に、“文具の先にある言葉を書いたり、読んだりすることを楽しんでもらえたら”と、文具店を開きました。
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布川愛子さんのポストカードはオープン時のフェアから引き続いて(左上)、京都尚雅堂の和綴じメモ(右上)、kakimoriのインクは色にちなんだネーミングがユニーク(左下)、店内には試し書きコーナーがあり、子どもたちにも好評(右下)
カキノタネに並ぶのは、使い勝手がよく機能性に優れたものと、持っているだけでうれしくなり、どちらかというとプライベートで使いたいもの。甚沢さん自らが愛用している手帳やペン、付箋などに加えて、ずっと好きだったイラストレーターさんのステーショナリーなどもセレクトされています。 大手の文具メーカーの商品から、紙の専門店や作家さんが手がけるものまで。商品に添えられた説明書きにはメーカーの紹介や商品の魅力、使い方などが記され、その端々からは甚沢さんの文具への愛が伝わってきます。 2階には、予約制でフラワーレッスンや星読み鑑定(アストロジー)が受けられる「フラワーアストロジー なごみの華」も。「菓子十三夜」は工房のみですが、お菓子はカフェ百時で販売しているので、おみやげにするのもいいですね。 商店街をぶらりと歩いて、taneyaで食事や喫茶、お買い物。心ゆくまでのんびりと、思い思いの時間を楽しんでみませんか。
文具の店 カキノタネ
ブングノミセカキノタネ
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文:豊野 貴子 写真:北川 友美
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