東京・あきる野の森で見つけた♪ おとぎ話に出てくるような可愛らしいアートスポット「深沢小さな美術館」
heart

73

東京・あきる野の森で見つけた♪ おとぎ話に出てくるような可愛らしいアートスポット「深沢小さな美術館」

深い森に囲まれた、秋川渓谷にも近い東京・あきる野市の深沢エリア。その山奥で、妖精たちが道先案内人をしてくれる、不思議で可愛いアートスポットを見つけました♪ 「深沢小さな美術館」は、造形作家・友永詔三さんが創り上げたギャラリー。江戸時代の古民家をリノベーションした幻想的な空間で、友永さんが紡いだ、やさしい物語の世界を楽しめます。

leaf

道先案内人は、森の妖精たち

image

道すがら立っている森の妖精たちを目印に

東京都・あきる野市に広がる、自然豊かな観光スポット「秋川渓谷」。その玄関口となる、JR五日市線の終着駅「武蔵五日市駅」から、さらに3kmほど離れた場所に「深沢小さな美術館」はあります。 道中、山道を進むと、白いヒゲをたくわえた小人があちこち現れます。彼らは、造形作家・友永詔三さんが作り出した森の妖精「ZiZi(ジィージィー)」。風に揺れる葉の影から顔をのぞかせたり、庭の片隅でそっと佇んでいたり。まるで森の守り人のように訪れる人を優しく見守ってくれます。

image
入り口で出迎えてくれたのは、3人の妖精。木のぬくもりに笑顔をのせて、「ようこそ♪」とささやく声が聞こえそう。
leaf

物語の世界へ誘われる緑のアプローチ

image

奥へ進むと、そこは緑に囲まれた別世界。緑、また緑。石畳の小路を進むと、周囲の木々が寄り添うように並び、やわらかな木漏れ日が足元を照らします。

image
森の中には、水槽の中をスイスイ優雅に泳ぐ錦鯉の姿も。風に揺れる緑、ゆっくりと流れる水の音、そして錦鯉の静かな動き……。そのすべてが心地よくて、思わず立ち止まって深呼吸したくなるほど。
leaf

森の中に溶け込む、可愛らしい美術館

image

おとぎ話に出てきそうなメルヘンな建物

しばらくすると、色とりどりの草花に囲まれた石の家が見えてきます。ここは、ギャラリーであり、アトリであり、友永さんのご自宅。江戸時代末期の古民家を購入し、友永さん自らがリノベーションしたのだとか。 驚くことに、石を埋め込んだ凸凹の壁も、不思議な形の窓も扉も、すべて友永さんの手づくり。今から40年以上も前に造り始めたのにも関わらず、まだ完成していない。物語の途中の家です。

image

今もなお現役で活躍し続ける友永さん

高知県生まれの友永詔三さんは、40年以上前にNHKで放送された人形劇「プリンプリン物語」の人形を生み出したアーティスト。国内外で幅広く活躍し、ニューヨークでも個展を開催。創作への情熱は尽きることなく、80歳を迎えた今も、ひとつひとつの作品に生命を吹き込んでいます。

leaf

どこか懐かしく、ほっこり癒やされる作品の数々

image

奥に飾られている大きな木版画も見応えたっぷり

中に入ると、手しごとのぬくもりが空間を包みます。濃茶の梁は、江戸時代の名残をそのままに。愛らしさの中に、どこか不思議な驚きを秘めた造形が展示されています。 思わず目を奪われる綿帽子のような照明は、「樹の娘」と書いて「きのこ」と読む、1986年生まれの作品。これは、もともとお寺にあった桐の木の形を活かし、木と和紙で丁寧に作り上げられたものだとか。

image

ファンにはたまらない、プリンセス・プリンプリンの人形

そしてガラスの向こうに佇むお姫さまは、NHKの人形劇「プリンプリン物語」でおなじみ、プリンセス・プリンプリンです。 ホロホロチョウのまつげを持ち、繊細な日本刺繍の糸やインドの小物でおめかし。その精巧な造りに、思わず時間を忘れて見入ってしまいます。

image

くぐもった光が射す窓辺には、「プリンプリン物語」に出てくる「ルチ将軍」の原画が。実際にテレビに登場したキャラクターのスケッチが、今、目の前にあるなんて。物語に命を吹き込んだ“はじまりの線”に、心がほころびます。

image
さらに奥には、「プリンプリン物語」の人形約250体を展示。ずらりと並ぶ個性的な顔ぶれに、思わず「この子、いたいた!」と声が出てしまうかも。ルチ将軍の人形もあるので、探してみてくださいね。
image

小人たちが、スイカを割って、結婚式をあげて、温泉に浸かりながらお酒をぐびっと呑んで。こちらは、友永さんの子ども時代の記憶をもとに作り上げた、やさしさあふれる作品です。 小人たちは、とっても表情豊か。それぞれが静かに物語を秘めていて、眺めるだけでふんわりと優しい気持ちになります。

image
「魚が歩いたらいいな」友永さんが少年時代に感じたことが、作品となって、今ここに。
image

そんな友永さんの作品は、実は身近なところにも。明治神宮の干支鈴の原型も、友永さんの手によるもの。ねずみ年から続くこの楽しみも、今年でもう6年目になりました。

image

ここにいると、窓の向こうも作品の一部。作品を見ているのか、風景を見ているのか。気づけば、アートと自然の境界線が、ふわっと消えていくような不思議な感覚に包まれます。

image

美術館には、思わず深呼吸したくなる。自然豊かなテラスも完備。水面をすべる鯉の姿、木々を抜ける風の音、湿った森の香り。日常のスピードをゆるめてくれるこの場所で、五感をそっと開けば、静かで豊かな時間が味わえますよ。 作品はすべて、写真・動画撮影OK。 お気に入りの瞬間を切り取って、大切な思い出として持ち帰ってくださいね。

spot

深沢小さな美術館

フカザワチイサナビジュツカン

clock-icon10:00〜17:00 
pin-icon水・木曜、冬季(12月〜翌3月)
pin-icon

https://www.akirunokanko.com/?p=332
(あきる野市観光協会)

heart
19
left

ことりっぷ編集部おすすめ

このエリアのホテル

right

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。

Writer

安藤美紀

avatar

湘南を拠点に全国を旅するフリーライター。執筆した記事は1000以上。温泉の資格も複数保持。

sunshine
pin東京都

の人気記事

sunshine

おすすめ記事

sunshine
pin東京都

× したいことから

他の記事を探す

旅プラン日帰り旅ひとり旅ご利益めぐり絶景旅街さんぽいやされる避暑地花さんぽニュースポット雨の日ランチ
sunshine

あわせて読みたい

onlinestore
onlinestore
magnifier
アプリでもっと便利に
おすすめスポット90,000件を掲載
あたらしい情報を毎日お届け
季節の景色や名所、おいしいスイーツやグルメ情報などこれからの旅、週末に行きたい素敵なスポットが見つかります♪
point
自分だけの旅行・おでかけ
情報がみつかる
map
気になるスポットを
お気に入り登録
これから行きたいスポット情報や記事投稿を
クリップしてあなただけのリストを作れます。
search
便利な検索機能で
行きたい場所が見つかる
旅行前の情報収集で使える観光エリア、
ジャンル、ハッシュタグ検索から、
今いる場所から周辺の見どころや
カフェを探せる現在地まで
役に立つ検索機能がたくさん。
passport
電子書籍が手軽に読める

ことりっぷガイドブック・マガジンの
電子書籍版の購入ができます。
旅行・お出かけ中にさくさく閲覧♪
月額400円で120冊以上が
読み放題になる「ことりっぷpassport」も。
point
旅の思い出を共有、
旅好きユーザーとつながる
photo
かんたんに
思い出の写真を投稿
旅先のとっておきの瞬間や、
お気に入りのスポットをアップすることができます
app
さぁ、あなただけの
小さな旅を
見つけましょう♪
ios_download