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2025.08.18
金沢の旅にそっと彩りを。「茜やアーカイブギャラリー」で世界に一つだけの加賀友禅染め体験
金沢の伝統工芸として受け継がれてきた、加賀友禅。その魅力をより深く知り、実際にふれて体験できるのが「茜やアーカイブギャラリー」です。展示を通じて加賀友禅の制作工程を学べるほか、手描きや型染めの彩色体験も可能。職人の手仕事にふれながら、伝統の美しさを自分の手で体感してみませんか。

金沢21世紀美術館から歩いて約5分。にぎやかな観光エリアから少し離れた、里見町の静かな路地裏に、ひっそりと佇む町家があります。明治期の風情をそのままに残した、知る人ぞ知る「茜やアーカイブギャラリー」です。人通りの少ない落ち着いた場所にあるので、ゆっくりとした時間を過ごしたい方や、静かな場所が好きな方にぴったり。一人旅の途中にふらりと立ち寄るのにも、ちょうどいい距離感です。
加賀友禅の世界にふれるひととき

天井に張られた加賀友禅の反物は12mほどある
加賀友禅の老舗工房として120年の歴史を持つ「茜や」は、今も変わらず、手仕事のぬくもりを大切に受け継いでいます。1階はギャラリースペースとして生まれ変わり、2階では加賀友禅作家の奥田雅子さんと奥田勝将さんが今も制作を続けています。 館内では、予約制の染め体験も人気。加賀友禅の彩りに、実際にふれて楽しめるとあって、旅の思い出づくりにもぴったりです。
見て、触れて、知る加賀友禅の工程

ギャラリースペースには、かつての工房で実際に使われていた道具や制作工程を紹介する展示が並びます。加賀友禅ができあがるまでの工程は、全部で8つ。図案作成にはじまり、下絵、糊置き、彩色、地染めなど、すべての工程を学べます。 展示されているパネルには、職人の目線で書かれた言葉が添えられており、触れてみたり、覗き込んでみたりしながら、手仕事の奥深さをじんわり感じとることができます。

手描き体験で出会う“わたしの色”

「こぶろしき 手描き加賀友禅体験」(4000円)
ここでぜひ体験してほしいのは、加賀友禅の職人の世界を少しだけのぞける「本格手描き加賀友禅体験」。下絵と糊置きが済んだこぶろしきに、彩色の工程を自分の手で仕上げていきます。体験時間は60〜90分ほど。筆を手にした瞬間から、静かに集中の世界へ。気づけば、息をするのも忘れてしまうほど夢中になっているかもしれません。

まずは図案選び。「桜」「牡丹」「菊」「椿」「鉄線」の四季折々の花たち5種類から好きな図案を選んでスタートです。

使うのは、加賀友禅を象徴する伝統の色「加賀五彩」。臙脂(えんじ)、藍、黄土、草、古代紫の5色をそれぞれを少しずつ混ぜ合わせながら、自分だけの色を作っていくのも、この体験の楽しみのひとつです。

彩色の際には、加賀友禅ならではの「ぼかし」や「虫喰い」といった技法にも挑戦できます。難しそうに感じても大丈夫。職人さんがやさしく教えてくれます。

彩色が終わったら、水洗の工程へ。水の中で糊を落としていきます。 最後は布を乾かし、アイロンをかけてもらって完成。自分で染めた一品を、そのまま持ち帰れるのも、この体験ならではの楽しみです。

気軽に楽しめる型染め体験も

「きんちゃく型染め体験」(1300円)
もっと気軽に加賀友禅の染めを体験してみたい方には、型紙を使って模様を染め出す「型染め体験」がおすすめです。巾着袋やトートバッグなどの布製アイテムから好きなものを選び、季節のモチーフや伝統文様など、好みのデザインの型紙を選んでスタート。 使うのは手描き友禅と同じく、「加賀五彩」。筆をくるくるとやさしくまわして、型紙の上に色をのせていくと、少しずつ模様が浮かび上がるわくわく感に包まれます。仕上げた作品は、そのままおみやげに。旅の記憶をそっと包んでくれます。 加賀友禅の世界をのぞきながら、旅の合間に心を整えるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
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茜やアーカイブギャラリー
アカネヤアーカイブギャラリー
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土屋香奈
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