都市型水族館「átoa」がひとり旅におすすめな理由

「átoa」の入口は2階

JR三ノ宮駅から徒歩18分、元町駅から徒歩15分、三宮駅前バス停から神姫バス（ポートループ）に乗り新港町で下車すれば徒歩1分で到着する「átoa」。周辺観光と合わせて楽しめる好立地です。 通常の営業時間は10:00～19:00（最終入場18:30）ですが、2025年8月9日（土）～17 日（日）は9:00～20:00（最終入場19:30）と開館している時間が長く、より旅の目的地として利用しやすくなっています。

（左上）日本最大規模の球体水槽「AQUA TERRA」（右上）ぬり絵にもなる、美しいパンフレット（右下）3Fの「MIYABI 和と灯の間」は風光明媚な和の世界（左下）青い光が差し込む水槽で優雅に泳ぐウシバナトビエイ

「átoa」の魅力は、なんといっても劇場型アクアリウム。幻想的な光に包まれた館内では、生きものたちとアートが融合した世界が広がり、どこを切り取っても非日常で、ひとりの世界に没頭できます。 なかでも日本最大級の球体水槽は圧巻です。ひとりでも撮影しやすいミラーやライティングがあり、写真が撮りやすいのもうれしいポイント。写真を撮りたい場合は、人が少ない平日の夕方16時以降が狙い目ですよ。

（左上）カワウソセット（手のりカワウソまんとカワウソエクレア）1430円（右上）アクアリウムバブルスカッシュ（ノンアルコール）800円（右下）海中を飛ぶように泳ぐフンボルトペンギン（左下）4Fルーフトップからはメリケンパークが見渡せる

「átoa」公式サイトはこちら

見どころ1：虹色に光る魚に導かれる「CAVE はじまりの洞窟」

魚を模した照明は白、赤、青、緑、虹色などに色が変化

館内は8つのエリアに分かれ、それぞれがフォトジェニックな展示。まずは大きな見どころを3つ紹介します。 2階にある入口を入ってすぐ、エントランス部分に当たるのは「CAVE はじまりの洞窟」。色合いが次々と変わる魚群が次のエリアへと導いてくれます。壁一面に鏡のアートがあしらわれているので、まるで万華鏡の中にいるような錯覚に陥ります。

アマゾン川に住むカージナルテトラ。青色のラインは構造色と呼ばれ、見る角度により色が変化するそう

このエリアにいるのは青いラインが美しい熱帯魚・カージナルテトラやピラニア、グッピーなどの淡水魚。空間の美しさもあいまって、魚そのものがアート作品のように見えてきます。

見どころ2：没入感は「átoa」イチ！「PLANETS 奇跡の惑星」

無数のスターライトに包まれた空間はまさに宇宙

ひときわ幻想的な存在感を放つのが、3階「PLANETS」ゾーン。無数のスターライトにより宇宙にいるような感覚に陥ります。

日本最大の球体水槽「AQUA TERRA」が鎮座する部屋では、宇宙から深海をイメージさせるレーザーパフォーマンス「AQUA UNIVERSE」を上演

奥に進むと見えてくるのが、直径約3ｍと日本最大級の大きさを誇る球体水槽「AQUA TERRA」。ミストとレーザーが織りなす光のベールに包まれた球体水槽「AQUA TERRA」は、宇宙に浮かぶ惑星のよう。 キンギョハナダイ、サクラダイといった美しい色合いの海水魚が優雅に泳いでいるので、水槽に近寄り間近で眺めてみてくださいね。

見どころ3：伝統的かつ幻想的「MIYABI 和と灯の間」

光の演出により、日本の四季折々の情景を表現

3階「PLANETS 奇跡の惑星」に隣接する「MIYABI 和と灯の間」は、日本の伝統美を伝える和空間。左官職人が手がけた土壁、朱色の舞台と橋、組子細工の前に並ぶ金魚鉢と、日本の美学である侘び寂びが宿る世界が広がっています。

次々と移り変わる映像美に思わずうっとり

圧倒されるのは、壁三面を使ってダイナミックに映し出される風光明媚な映像。 光の切り絵作家・酒井敦美氏の「にほはしき時の巡り」というオリジナル作品で、四季が移りゆくなかで、四季の鱗を持つ「花咲案内魚」が春の化身「櫻龍」へと姿を変えていく成長ストーリーです。

艶やかな打ち上げ花火の映像には見入ってしまうはず

夏バージョン、冬～春バージョンの前・後編からなり、それぞれ上映時間は6分間。9分の休憩をはさむので計30分間の滞在で全編を鑑賞できます。

（左上）障子や建具に用いられる組子細工の前に金魚鉢が並ぶ（右上）壁面だけでなく柱にも映像が映し出される（右下）ガラス床水槽の下ではニシキゴイが優雅に泳ぐ（左下）ジキンなどの美しい金魚たち

映像を待つ間は、舞台前の壁一面に広がるアートスクリーン「咲 -SAKU-」の中にひそむ金魚やトンボを探したり、ガラス床水槽を泳ぐニシキゴイや金魚鉢をたゆたう金魚を眺めたり、雅な和空間を味わい尽くしてくださいね。

「átoa」公式サイトはこちら

海と水辺の生きものに間近でご対面

「生命のはじまりから終わり」を表現するため、「円」で統一された空間と水槽

残るエリアもご紹介します。2階の「CAVE はじまりの洞窟」を抜けた先にあるのが「MARINE NOTE 生命のゆらぎ」。

（左上）ニョキッと顔を出す姿がかわいいチンアナゴ（右上）頭部（頭ビレ）が牛の鼻に見えるウシバナトビエイを間近でチェック。（右下）円柱水槽の餌やりを鑑賞できるのは火曜・木曜・日曜の14:00～14:10予定（左下）黄色の尾びれが特徴のユメウメイロ

フロアの真ん中にあるのはメガシリンダーと呼ばれる円柱水槽。薄い黄色とコバルトブルーが美しいユメウメイロ、飛ぶように泳ぐシバナトビエイ、迫力あるトラフザメなど様々な生きものが暮らしています。このまわりにも小さな水槽が。チンアナゴのキュートな姿も必見です。 また、このエリアは海をイメージした爽やかな香りが漂っているので、嗅覚も働かせてくださいね。

天井から木漏れ日に見立てた光が降り注ぐ

2階の最奥にあるのが「ELEMENTS 精霊の森」。流木を集めてできた大きな木や、壁に巨大テラリウムを設けたり、樹海をイメージさせる空間で、魚や爬虫類に出合えるエリアです。 アルダブラゾウガメ4匹を放し飼いしているので、巨大なカメが目の前に来ることも。生きものとの距離の近さにも驚き、ときめきます。

屋上で出会える、かわいい動物とパノラマビュー

（左上）モグモグタイムもお昼寝する姿も癒し系のカピバラ（右上）（左下）コツメカワウソは小さな手でごはんを食べる姿がかわいい（右下）7頭いるフンボルトペンギンを見分けるポイントはお腹の模様

4階・屋上にあたる「SKY SHORE 空辺の庭」にいるのは、フンボルトペンギン、カピバラ、コツメカワウソといった水辺で暮らす哺乳類。 毎日正午はペンギンのフィーディングタイム。飼育員の解説とともに、えさやりの様子が見学できるので、ペンギン好きは要チェックです。

ルーフトップからはハーバーランド、メリケンパーク、神戸ポートタワーといったべりエリアが見渡せる

屋上にある外階段をのぼると、神戸のベイエリアが一望できる場所に到着。2024年にリニューアルした神戸ポートタワーや神戸港が見渡せ、思わず記念撮影したくなる景色に出会えます。

ROOF TOPへ続く階段のそばにある魚のウォールアートも見逃さないで

休憩や気分転換に。ひとり静かに過ごせるブックエリア

生きものの標本や映像、テラリウムの展示など、知的好奇心をくすぐる空間

3階にある「FOYER 探求の室」は2025年3月にリニューアルした本が並ぶゾーン。生きものに関する図鑑や写真集のほか、話題の小説など大人が楽しめる本が約2500冊並び、魚を眺めながらゆっくり読書ができます。

（左上）カーブした水槽には時折カピバラが登場（右上）書棚の中に隠れたベンチはフォトスポットとして人気（右下）多数のアクリル標本を顕微鏡で観察できるキュリオスコープエリア（左下）海洋プラスチックごみから作られた魚のオブジェを展示

椅子やベンチが多数あるので、散策の際のひと休みにもぴったり。「átoa」の「a」マークを記したベンチはフォトスポットなので、記念撮影を楽しんでみては。 さらに、さまざまな標本を観察できる顕微鏡などもあり、まさに「探求」がテーマのエリアです。

浮世絵師・葛飾北斎の「赤富士」をモチーフに描かれた「蛸富士」

このエリアで目を引くのは迷路作家 Mr.Amazer によるウォールアート作品「蛸富士」。兵庫県を代表する「明石の蛸」を浮世絵風に描いています。よく見ると「S（スタート）」「G（ゴール）」の文字があるので迷路に挑戦してみてくださいね。

南米の川に生息する淡水エイ・ポルカドットスティングレイ。名前の由来でなっている水玉模様が特徴

ウォールアート前の水槽に生息しているのは、ポルカドットスティングレイ。淡水・汽水で生きる、めずらしいエイで、水玉模様がかわいいとグッズの人気が高い生きもの。スタッフさんの制服もポルカドットスティングレイがモチーフになっているそうですよ。

御朱印帳2420円、ポストカード200円、アクリルスタンド700円、ステッカー各500円。すべてアトアオリジナル

「FOYER 探求の室」内にある「átoa LAB SHOP」では、限定グッズを販売。スタッフ発案のオリジナルグッズは、1階のミュージアムショップにも置いてないので、気になったらこちらで購入を。

観るだけでなく五感で感じて学ぶ仕掛け絵画のギャラリー

額縁にアートかつユニークな仕掛けが。動物にまつわるあの音・あの匂いを体感

3階の球体水槽がある「PLANET 奇跡の惑星」と上記の「FOYER 探求の室」をつなぐ場所にあるのが「GALLERY 探求の回廊」。 額縁ひとつひとつにユニークな仕掛けがあり、美術館で絵画を鑑賞するような感覚で、生物の機能美や造形美を体感できます。

大人が1人で楽しめるアイテム＆体験イベントが充実

STAMP NOTE500円。販売場所は2階チケット窓口、2階インフォメーション、3階 átoaLABショップ

ぜひ手に入れて欲しいのがSTAMP NOTE。「átoa」のコンセプト“ここは、世界のどこにもない世界。”を詰め込んだ1冊です。館内5か所にあるスタンプを押せるほか、生きもの解説ページも。イラストで描かれた生きものを探しながら、館内を巡るといった楽しみ方もできます。 美しい写真とイラスト、アート作品のようなスタンプは、旅の思い出を形に残せますよ。

体験料1,000円～、加工料1,500円～3,000円　※加工するアクセサリーにより価格は異なる

参加型のイベントとしては、2025年11月3日まで「真珠取り出し体験」を開催中。用意されたアコヤ貝の中から好きな貝を選び、バターナイフとピンセットで真珠を取り出します。自分の手で取り出した出した真珠は、ネックレスやリングなどのアクセサリーに加工することもできますよ。 他にも餌やり体験やバックヤードツアーなど、大人が楽しめる体験イベントが多数あるので、公式ホームページを確認してくださいね。

体験プログラムの詳細はこちら

グルメは「átoa cafe」&1階フードホール へ

カワウソセット（手のりカワウソまんとカワウソエクレア）1430円

「átoa」の飲食スポットは２か所。屋上にある「átoa cafe」には、ペンギン、カワウソ、カピバラをモチーフにした、かわいいスイーツが多数。 涼しげなブルーのドリンクは、エルダーフラワーシロップを炭酸で割り、ゼリーを加えたノンアルコールカクテル。優しい甘さとやわらかいゼリーの食感は、リフレッシュしたい気分のときにぴったりですよ。

アクアリウムバブルスカッシュ（ノンアルコール）800円

約400席ある巨大なフードホール

「átoa」の1階にはあるのは「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL & NIGHT FES」。神戸発祥の飲食ブランド「TOOTH TOOTH」がセレクトした9つのショップが集い、神戸牛や洋食、中華、クレープなどのほか、神戸のクラフトビールや灘の日本酒など多彩なグルメが楽しめます。

水槽を下から眺められるレアな体験ができるのは水族館併設のレストランならでは

バーカウンターの真上には巨大水槽が。実はこちら、2階の「MARINE NOTE 生命のゆらぎ」の円柱水槽。「átoa」らしい空間演出のなか、食事を楽しんでくださいね。 ちなみに「átoa」の入場料金で利用できるのは2階・3階・屋上のみ。1階は入場前もしくは退場後の利用となるので要注意。

ミュージアムショップでおみやげをピックアップ

チケットファイル330円、刺繍タオルハンカチ770円、アクアチッククリップ770円

旅のおみやげを探しに立ち寄りたいのが1階にある「ミュージアムショップ」。「átoa」で暮らす動物モチーフのアイテムが豊富に揃います。

リアルぬいぐるみ3,000円～

「átoa」のオリジナルグッズ売り場の奥にあるセレクトショップ

「ミュージアムショップ」の奥には、神戸にまつわるグッズが手に入るセレクトショップ。日常使いしやすいおしゃれなアイテムばかりなので、合わせてチェックを♪

「元町imari」骨董の器でいただく手作りランチ

月替わりの豆皿定食1350円（10月1日から価格変更予定）、ひとくちネコもなかはフードとセットで+380円。「átoa」帰りの取材チームのために魚にまつわる器でおもてなししてくれました

「átoa」と合わせて立ち寄りたいのが、1階がカフェ、2階が骨董品店の器カフェ「元町imari」。 兵庫県西宮市にある骨董品店「古美術 結和堂」店主と、その奥様が「骨董の器の良さを気軽に知ってもらいたい」と立ち上げたお店です。場所は話題のカフェが数多く集まる乙仲通りの1本北の路地沿い、JR元町駅西口から南へ徒歩4分です。 カフェでいただける月替わりの豆皿定食は、家庭料理にひとひねり加えた、季節感のある料理を豆皿に盛り付けて提供。ホットドリンクやお茶をオーダーすれば、好きなそば猪口を選べます。

（左上）小ぢんまりした一軒家カフェ（右上）壁向きのカウンター席が多く1人で利用しやすい（右下）（左下）江戸から明治時代に作られた器や古道具を販売

扱う器は、江戸から明治にかけて作られた伊万里焼が中心。骨董といっても豆皿は1000円台から。ランチと合わせて、器との一期一会をキャッチして。

涼しげなクリームソーダをお目当てにレトロな純喫茶「モトマチ喫茶」へ

クリームソーダ700円

赤レンガ造りの外観が歴史を物語る「モトマチ喫茶」。JR元町駅東口から北へ徒歩3分の場所にあります。クリームソーダや自家製のカスタードプリンなど、純喫茶らしいメニューがいただけます。

（左上）（右上）かつて喫茶兼スナックだった居抜き物件で、カウンターを張り替えた以外は当時のまま。レトロは風情が残る（右下）（左下）店の真ん中にカウンターがあり、出窓と入口のそばにテーブル席がある

1人なら店の真ん中にカウンターへ。天井の埋め込み式スピーカーから流れてくるのは落ち着いた気分にさせてくれるジャズ。レトロな照明や使い込まれた木の家具など、昭和の喫茶店を彷彿させるもので統一されているので、ほっとくつろぎの時間が過ごせそうです。

夏の旅先は涼感漂う「átoa」でリフレッシュ

美術館のような落ち着いた空間で、水辺の生きものを眺めていると、水の音や光の揺らぎが心を整えてくれるはず。今年の夏旅は、ひとり時間に没頭できる「átoa」でリフレッシュしませんか？

「átoa」公式サイトはこちら