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2025.09.17
和栗のモンブランも♪ 多彩な美食と豊かな自然が満ちる、京都丹波の癒し旅へ
亀岡市・南丹市・京丹波町の総称「京都丹波」は、豊かな自然と大地が育む美食の宝庫。2026年の秋には「第43回全国都市緑化フェアin京都丹波」の開催が決定しており、いま京都でもっとも注目しておきたいエリアです。 今回は、そんな「京都丹波」エリアの秋の週末旅におすすめのスポットをご案内。木漏れ日がふりそそぐ森や植物園、ぶどう畑を眺めながら料理とのマリアージュを楽しむワイナリー、ご当地グルメが豊富な道の駅の名物モンブランなど、心ほどける場所ばかりです。
「全国都市緑化フェア」って?
【京丹波町】「丹波ワイン」で、ぶどう畑とワイナリーを見学
【京丹波町】旬のイベントが話題、「道の駅 和」でグルメ三昧
「全国都市緑化フェア」って?

京都丹波の旅では、空と大地と森が奏でるおだやかな風景が待ち受ける
全国都市緑化フェアは、緑豊かなまちづくりを目指して1983年にスタートした花と緑の祭典です。仙台、川崎、岐阜に続き、2026年は亀岡市、南丹市、京丹波町の2市1町を総称する「京都丹波」が舞台。「食農と環境そしてアートで輝く『京都丹波』」をテーマに、2026年9月18日から11月8日の52日間にわたり「京都丹波みどりの里まつり」が開かれます。 フェアの拠点は、「わち山野草の森」「京都府立丹波自然運動公園」「園部公園」「亀岡運動公園」「京都・亀岡保津川公園」の5つとその周辺。拠点以外にも一帯の40を超える場所にスポットを当て、京都丹波の多彩な魅力を発信します。京都駅を起点とすると、各拠点へはそれぞれ車で45~70分ほどでアクセスできます。
「第43回全国都市緑化フェアin京都丹波」イベント情報はこちら
【京丹波町】「丹波ワイン」で、ぶどう畑とワイナリーを見学

6ヘクタールものぶどう畑に囲まれたワイナリー。ショップからさらに坂を上がると醸造所が現れる
丹波ICから車で10分の「丹波ワイン」は、1979年、照明器具メーカーの社長を務める初代が海外で味わったワインに感銘を受け、日本酒の酒蔵を借りてワインづくりを行ったのがはじまりです。ぶどう畑で栽培する品種は約50種で、500軒ほどある日本のワイナリーのなかでもトップクラスの豊富さ。シャルドネやピノ・ノワールなどあえてヨーロッパ系の品種を使った「和食との相性を楽しめるワイン」をコンセプトに、現在はおよそ10品種が商品化されています。

仕込場、搾り機、醸造所内部の瓶詰ラインや熟成庫、ぶどう畑の見学とテイスティングを合わせた所要時間は50分前後。専任スタッフが案内してくれる
土・日曜、祝日の10時30分と14時の1日2回、ぶどう畑や醸造所の見学と3種のテイスティングが付くワイナリーツアーが開催されています。3日前までに電話または公式ウェブサイトでの申込みが必要です。ワインのできる工程を間近にたどれば、テイスティングの楽しさも格別に感じられますよ。
地元産素材を使った料理とワインのマリアージュ

レストランは要予約。メニューは季節替わりで、このときはほろほろとやわらかくなるまでじっくり煮込んだ「濃厚!赤ワイン香る京丹波ぽーく赤ワイン煮込み」2200円。グラスワイン400円~
「丹波ワイン」のワイナリーには、ぶどう畑が一望できるレストラン「du Tamba」を併設。肩ひじ張らずに過ごせるカジュアルな雰囲気のなか、地産地消をテーマに旬の食材を散りばめたプレートランチや自家製スイーツとワインが堪能できます。このときは「自家製フォカッチャ 京丹波ぽーくとフレッシュ野菜の厚切りサンドイッチ」、「Chef Kido カレー」、「大人の和牛赤ワイン煮込み ボロネーゼパスタ」など、ワインが進むものばかり。

ぶどう畑が目の前に。8月下旬からの収穫期までは、たわわに実るぶどうの房も見られる
レストランでいただくワインは、隣接するバーカウンターのキャッシュオンシステムでオーダーするスタイル。赤、白、スパークリング、デザートワインのほか、季節限定、ワイナリー限定のレアなワインもお目見えします。料理に合うワインの提案をしてもらえるのもうれしいところ。
丹波ワイン
タンバワイン
【京丹波町】旬のイベントが話題、「道の駅 和」でグルメ三昧

JR和知駅から無料の送迎バスが出ていて、車がなくてもアクセスできる
山々に囲まれた和知地域は昼夜の寒暖差と清冽な水が育む野菜、果物、お米がおいしいことで知られています。京丹波わちICから国道27号線を走ること6分、由良川のほとりにたたずむ「道の駅 和」では、イチゴづくしの「春ざんまい」、夏の「鮎ざんまい」、秋の「栗ざんまい」、冬の「餅ざんまい」「鍋ざんまい」など季節の移ろいに合わせた”ワクワクを提供する”イベントを実施。休憩所としてだけでなく旅の目的地にしたくなる、魅力あふれる道の駅です。

鮎の塩焼きは1本550円。カフェやキッチンのメニューは、地元産の杉の木で作った40mの長さのカウンター席も利用OK。刻一刻と表情を変える風景が目にも心にもやさしい
1998年の道の駅オープンからつづく夏恒例「鮎ガーデン」では、焼きたての身がふっくらとした鮎の塩焼きがいただけるほか、鮎のつかみどり体験も。川風が心地いいテラス席でいただく鮎のおいしさはひとしおです。屋内の「和キッチン」や「なごみCafe」では、鮎御膳や鮎バーガーといった期間限定鮎メニューも味わえます。
「道の駅 和」のカフェで、秋の味覚・栗を満喫

新メニューの和栗パフェ「モンブランモンブラン」1200円は通常サイズの2倍の大きさ 。「生どら和栗モンブラン」480円や「粉栗と糸絞りモンブラン重」2200円は手みやげに
和知が全国有数の栗の産地であることにちなみ、「なごみCafe」の名物メニューは、一年を通して味わえる和栗スイーツ。10月4日からはじまる秋恒例イベント「栗ざんまい」では、スイーツから和・洋食まで100種もの栗メニューがお目見えする予定です。昨年は50種をそろえて話題になりましたが、今年はその2倍。どんなメニューが登場するかは、公式インスタグラムをチェックしてみてください。
道の駅 和
ミチノエキナゴミ
【南丹市】「ASOBIYUKU 京都るり渓温泉」でリトリート

左上・下:「るり湯」内の水着温泉は、半身浴や泡風呂、季節替わりのイベント湯、サウナ、露天風呂も。右上:国産小麦と京丹波産きなこを使用「豆乳もちもちドーナッツ・きなこ」300円、「ホワイトチョコ苺」330円 右下:るり湯の受付横にあるショップで販売するオリジナルみやげはパッケージデザインも素敵。人気は、「わらび餅(和三盆・抹茶)」1580円、「浅練り羊羹」5本入1800円
国の名勝に指定される京都府立自然公園「るり渓」は、宝石の瑠璃のような美しさが名の由来と伝わります。るり渓の一画にあり、2025年春にリニューアルオープンしたばかりの「ASOBIYUKU 京都るり渓温泉」は、遊ぶ・泊まる・癒す・食べるをテーマに、天然ラドン温泉の大浴場をはじめ、サウナ、岩盤浴、温水プール、水着で入れる温泉までそろうレジャー&スパリゾート。幅広い世代が思い思いの時間を過ごしながらリフレッシュできる、とっておきのくつろぎスポットです。

肌ざわりのいいタオルなど上質なアメニティにもおもてなしの心が込められている
大自然に浸れるグランピングや一棟貸しのヴィラのほか、2026年2月にはプライベート温泉付きの一棟貸しヴィラもオープン予定。ホテル感覚でくつろぎたいときは、伝統工芸「京からかみ」を取り入れた和モダンな部屋と貸切風呂を備える旅館「こぶし」がおすすめです。ブルー系、ブラウン系、グリーン系など部屋ごとに雰囲気が異なり、リピートするたび新鮮な気分になれると評判。夜は中庭を照らす焚火で焼きマシュマロを楽しむこともできます。

夕食は、京丹波高原豚の鍋や、丹波篠山熊野園の茶蕎麦、炊き込みご飯など地元産食材を中心とした季節替わりの会席料理に舌鼓
「シナスタジアヒルズ」で幻想的な光のアートに感動

左上:光の渦に吸い込まれそうな「スパイラルトンネル」 左下:日本最大級のオーロラを描く「オーロラエクスペリエンス」右:蓮の花をモチーフにした「クリスタルレイク」。入場料は1000円(土・日曜、祝日は1200円)
晴れた日の昼間には、るり渓を見渡す高台や、フレームやブランコなどフォトジェニックな撮影スポットをそなえたハイキングロード「TEKUTEKU ROAD」まで足を延ばしてみるのもいいかも。夜は、「共感覚(シナスタジア)」をコンセプトとしたイルミネーションが一年中楽しめる「シナスタジアヒルズ」へ。現代アーティストによる光のアートと音楽が融合して幻想的。夜空を見上げれば星たちが瞬いて、現代アートと自然の共演に魅了されます。
ASOBIYUKU 京都るり渓温泉
アソビユクキョウトルリケイオンセン
【南丹市】「芦生の森」で、自然に囲まれたトレッキング

芦生の森を象徴する「下谷の大カツラ」
日本の原風景をいまに伝える美山かやぶきの里から車で30分ほどの「芦生の森」は、ほぼ半分を原生的な林が占める希少な森として、いま世界的にも注目されています。森を象徴する「下谷の大カツラ」、由良川の源流をたどって”最初の一滴”が見られる場所などは研究林として京都大学が管理しています。そのため、訪れる際は専門のガイドが案内する「芦生の森ネイチャーガイドトレッキングツアー」を利用しましょう。 グループ向けのオーダーメイドツアーや、ひとりでも気兼ねなく参加できるツアーなど、レベルもテーマもさまざまなプランが用意されています。プランの詳細は、公式サイトでご覧いただけます。
「芦生の森をあるく」詳細はこちら

左:「下谷の大カツラ」 右:おみやげにぴったりな「芦生原生林 下谷の大カツラ 本染め手ぬぐい」は芦生山の家で販売
一部のツアーで出会うことができる大カツラの幹には、ヤマザクラ、タラノキ、ヤマウルシ、ナナカマドなど30種もの植物が根を宿し、それぞれが生き生きと命を輝かせています。まだ雪の残る頃、薄紅色の花を咲かせるヤマザクラ、緑まぶしい夏に楚々とした白い花を咲かせるツルアジサイなど季節ごとの彩りに思いを馳せてみて。仰ぎ見るほどに元気をもらえる場所です。

空気や水、潤んだ苔の清らかさに癒される
やわらかな土を踏みしめつつ足元に目を向けると、まるみのあるハート形をしたカツラの葉、美しい飴色のブナの葉、栗の実のようにコロンとしてかわいいトチの実など、色とりどりの落ち葉や木の実が。環境保全のため持ち帰るのは禁止されていますが、森の中では宝さがしの気分で自然が生み出す造形美を見つけてみて。森に包まれ、澄みわたる森の香りを胸いっぱいに吸い込めば、いつしか心もほどけていきます。
芦生の森ネイチャーガイドトレッキングツアー
アシウノモリネイチャーガイドトレッキングツアー
https://ashiu-moribito.jp/inquery/
(芦生もりびと協会)
問い合わせはHP内「お問合せ」フォームへ
https://miyamanavi.com/sightseeing/ashu-no-mori
(美山町観光情報サイト 京都美山ナビ)
【亀岡市】体験型ミュージアム「天然砥石館」で奥深い砥石の世界へ

約200種もの体験用砥石をそろえる。古生物の這った跡(生痕)、変成、風化など、悠久の時が刻む美しい大地の模様を宿している
亀岡は、太古の昔の地殻変動の恵みを受けた天然砥石の産地。森のステーションかめおか内の「天然砥石館」では、約2億5000万年前〜1億5000万年前の地層から産出される亀岡産の「合砥」や「丹波青砥」をはじめ、国内外の貴重な天然砥石を展示しています。天然砥石による研ぎ体験コーナー、販売コーナーのほか、漆研ぎ・蒔絵ワークショップなども開催されています。

砥石への愛があふれるスタッフの指南で包丁砥ぎ体験(2000円)に挑戦。砥石に当てる角度と力加減が切れ味良く仕上げるコツなのだとか
館長の田中亜紀さん曰く「研ぎあげた切れ味の良い包丁で丹波の野菜を切ると、甘みが一層引き立つ」のだとか。天然砥石で包丁をお手入れして大切に扱う――そんなひと手間が、日々の料理をちょっと特別にしてくれます。砥石は暮らしに寄り添いながら、和食をはじめ日本刀や工芸、建築といった日本の伝統や文化を陰ながら支えてきた、欠けがえのない存在であることに気づかされます。目で見て、ふれて、奥深い砥石の世界を体感してみてはいかがでしょうか。
天然砥石館
テンネントイシカン
【亀岡市】大地の恵みが集まる農産物直売所「京都佐伯の里」

旬のみずみずしい野菜や亀岡産米を手頃な価格で買えるのがうれしい。丹波産大豆を使った濃厚豆腐「たま豆腐 コボウズ」3玉入450円、ドライタイプの油揚げ「かめぽん」380円、梅きくらげ280円
国指定重要無形民俗文化財の伝統行事「佐伯灯籠」を受け継ぐ地域の一角に建つ「京都佐伯の里」は、2023年にオープンの農産物直売所。コシヒカリを中心としたお米をはじめ旬の野菜と果物、漬物、ジャム、ご飯のおともといった加工品、和・洋菓子など、地元亀岡の幸が所せましと並んでいます。流通には乗らない希少な野菜や果物と出会えることも。配送にも対応してもらえるので、たくさん買い込んでも身軽に旅を続けることができます。
4.2ヘクタールの畑一面にコスモスの花が咲き満ちる、夢コスモス園 写真提供:(一社)亀岡市観光協会
京都佐伯の里から車で5分ほどの場所には、「身代わり観音」として名高い西国観音霊場二十一番札所・穴太寺や、夢コスモス園も。約20種800万本ものコスモスが咲き誇る夢コスモス園の開園期間は、10月上旬から11月上旬にかけての約1か月間。秋風にそよぐ可憐なコスモスの花と亀岡の味覚が集まる「丹波味わい市」が楽しめます。
京都佐伯の里
キョウトサエキノサト
【亀岡市】四季の草花に会える街なかのオアシス「大本花明山植物園」

1951(昭和26)年、出口直日(でぐちなおひ)大本三代教主の発意により開園
JR亀岡駅から歩いて10分の「大本花明山植物園」は、織田信長の命で明智光秀が築いた亀山城の跡地に広がります。約5500㎡の敷地は起伏に富み、シンボルともいえるコノハナザクラの原木のほか、野生植物を中心に自生種も含めて約860種が栽培され、街なかにありながら無料で野の趣きにふれられるオアシスのような存在。堀跡や石垣のほか、タラヨウ、テンダイウヤク、キチジョウソウといった城郭のあった頃から息づいてきたと考えられる植物もみられ、園内を歩けば戦国時代の一幕を飾った亀山城の面影を感じることができます。

無料配布される月ごとの「花だより」を手に、園内をめぐって
春は亀岡の名木・コノハナザクラの淡紅色、夏の新緑から深緑、秋の紅葉など四季折々に移ろう色彩が訪れる人の目を楽しませてくれます。いまも清らかな水がこんこんと湧き出る「玉の泉」の周辺には、涼やかな水生植物も見られ、「水辺の宝石」とも呼ばれるカワセミなど野鳥たちが遊びにくることもあるとか。また、13万点を超える標本を所蔵する標本室があり、事前に予約をすれば気になる植物の標本を閲覧することもできます。

左下:コノハナザクラ オレンジ色のショウキズイセン(左上)や薄紫色のヤブラン(右下)は秋の花 右上:万葉平は青もみじや紅葉の隠れ名所
大本花明山植物園
オオモトカメヤマショクブツエン
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文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ
第43回全国都市緑化フェアin京都丹波

全国都市緑化フェアは、みどりの大切さを知るとともに、みどりを守り、たのしめる知識を深め、みどりがもたらす快適で豊かな暮らしがあるまちづくりを進めるため、開催される「花と緑の祭典」です。 京都市から西に電車で約20分、亀岡市、南丹市、京丹波町の2市1町をエリアとする「京都丹波」は、日本の原風景ともいえる農村・里山など緑豊かな自然が広がっており、京都丹波でのフェアをきっかけに「こころ豊かなライフスタイル」による幸福社会の実現を目指します。
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