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2025.11.28
地下1階は見学自由!近代建築のシンボル「大阪市中央公会堂」を見に中之島公園へ
真っ赤なレンガ造りのレトロ建築が目を引く「大阪市中央公会堂」。1913年(大正2年)に建設が始まり、1918年(大正7年)に完成した歴史的建造物で、隣接する中之島図書館とともに国の重要文化財に指定されています。オペラやコンサートが開催されるホールと、予約制の貸室があり、その重厚感から外から眺めることしかできないように感じますが、実は地下1階は出入り自由。界隈の近代建築について学べる展示室も無料で入場できます。
大阪市と共に発展した歴史的建造物

堂島川と土佐堀川にはさまれた中州にある中之島公園。そこに大阪市役所、大阪府立中之島図書館、そして大阪市中央公会堂が並んでいます。大阪市中央公会堂は株式仲買人・岩本栄之助氏の寄付によって建てられたもの。コンサートや講演会など多彩なイベントを開催し、文化を育む場として大阪市の発展に関わってきた場所です。 アクセスは大阪メトロ御堂筋線淀屋橋駅1番出口から徒歩5分。梅田界隈からも徒歩15分で到着します。

正面玄関
建築様式はネオ・ルネッサンスを基調にバロック的な躍動感を加味した意匠で、その美しさから公会堂建築物としては西日本で初めて国の重要文化財に指定されました。 正面玄関は東側。外壁は現代建築ではあまり見られない赤レンガと白い花崗岩で構成されています。大きなアーチの頂点に飾られているのは、学問の神「ミネルバ」と商いの神「メルキュール」のシンボル像。創建当初のものは第二次世界大戦中に失われましたが、保存再生工事の際に復元されました。

南側にある出屋根スペース
北側と南側に2か所ずつある出屋根スペースは、岩本栄之助氏が「雨の日に雨宿りができるように」という意向のもと、造られたそう。この扉から入館はできませんが、美しい意匠を間近に感じられます。
レトロ建築の知識を深堀りできる地下1階

地下1階にある展示室
自由に出入りできる地下1階は、建物南側にある階段を下りて、左右にある入口から入館します。展示室には創建に大きな役割を果たした株式仲買人・岩本栄之助氏ゆかりの品々が並ぶほか、大阪市中央公会堂の歴史も貴重な史料や写真パネルでわかりやすく紹介。1999年から3年半にわたり実施された保存・再生工事により明らかになった、創建当時の意匠なども解説されています。 中之島~北浜界隈にあるレトロ建築物を紹介しているスペースもあるので、中之島散策のヒントにしてくださいね。


創建当時の大集会室2階席にあった椅子を移設
廊下にある木の椅子は、かつて大集会室の2階席で使われていたもの。座面を上げると帽子を収納するU字の金具が見つかります。大正~昭和初期は男性が帽子をかぶって出かけるスタイルが一般的だったと伝わってくる仕掛けが興味深いですね。

幅9.6×高さ2.8メートルの巨大なタペストリー
同じく廊下にある巨大なタペストリーは、50周年の際に作られた緞帳(どんちょう)をアレンジしたもの。ほかオーケストラピットの入口跡や、エレベーターの動力装置など、創建当時の遺構がたくさん残っているので、1フロアだけでも見ごたえがあります。
通常非公開の部屋を見学できる館内ガイドツアー

大集会室 写真提供/大阪市中央公会堂
1階~3階にはコンサートや講演会が行われる大集会室と、大小さまざまな貸室が16部屋あります。大集会室で行われるイベントのチケットを持っているか、事前に貸室を予約しないと利用できませんが、年に数回開催される館内ガイドツアーに参加すれば、一部の部屋の見学が可能。(予約制・有料)。開催時期は大阪市中央公会堂のホームページをチェックしてくださいね。 大集会室は、ヘレン・ケラーやガガーリンなど著名人の講演会、世界的アーティストのコンサートをした歴史あるホール。モダンなシャンデリアや金箔で彩られたステージの装飾、豪華なカーテンや大理石の柱&床など、細部にいたるまで創建当時の姿に復元されています。

特別室 写真提供/大阪市中央公会堂
貴賓室として利用されていた3階の特別室は、天井や壁画に日本神話が描かれています。ステンドグラスも配され、もっとも特別感を感じるお部屋です。

ライトアップされた大阪市中央公会堂 写真提供/大阪市中央公会堂
夜はライトアップされ夜景も美しい大阪市中央公会堂。中之島界隈で食事をした後、中之島公園を散歩しながら、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を感じてみてください。

大阪市中央公会堂
オオサカシチュウオウコウカイドウ
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取材・文/西 倫世 撮影/保志俊平
Writer
西 倫世

関西を中心に雑誌やWEBで旅・グルメ・トレンド情報に関する記事を発信。ラジオ番組への情報提供も担当
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