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2026.03.22
春爛漫の西陣桜さんぽ。京都よりみちこみち 寺之内通&小川通【前編】
「西陣織」の産地として知られており、ふだんの暮らしが息づく京都の西陣。織物の町というだけでなく、茶の湯、アート、ものづくりなどさまざまな顔を見せてくれます。 さらに、春はお寺や神社の境内に桜が咲き誇り、街中がピンクに染まる、知る人ぞ知る隠れ桜のスポットです。
寺院アートと茶の湯を楽しむ春爛漫の西陣桜さんぽ

京都には西陣という住所はない、というと驚く方が多いかもしれません。諸説ありますが、堀川通と今出川通の交差点を中心にしたおおよそ1㎞四方が西陣と呼ばれ、室町時代の応仁の乱で西軍が陣を置いたことがその名の由来となっています。 今回旅するのは、その応仁の乱で激しい戦いが繰り広げられた西陣の百々橋周辺。寺之内通と小川通が交わるエリアです。
秋から春に咲く御会式桜と新旧の西陣の至宝「妙蓮寺」

「妙蓮寺」は、日蓮聖人の孫弟子である日像が1294(永仁2)年に創建した本門法華宗の大本山。 御会式桜が日蓮聖人の命日(御会式)である10月13日前後から咲き始め、お釈迦様の誕生日である4月8日頃に満開に。本堂前の1本が華やかに咲き誇り出迎えてくれます。散った花びらを持ち帰ると恋が成就するとか。

書院前の十六羅漢石庭は、寺が収蔵する長谷川等伯の『鉾杉図』をイメージして、御会式桜と北山杉が交互に植えられ、春になると文字通り「絵のような風景」が広がります。

襖絵『春の野』は、幸野 豊一の全34面からなる大作 『四季』の一部。最近は結婚式の前撮りスポットとしても人気
また、幸野豊一が1981(昭和56)年に奉納した、藤の花の下で遊ぶ鹿たちがかわいい『春の野』も、ぜひ鑑賞したい襖絵です。

桜の窓は遊び心いっぱい
妙蓮寺
ミョウレンジ
地元の愛されイタリアンで大原野菜の旨味をたっぷり「OASI」

オーナーシェフの吉田香織さんは、料理により深く向き合いたいという思いから自身の店を一度閉め、渡米。現地での学びと経験を経て、目指していたかたちを実現したのが、現在の「OASI(オアジ)」です。 食材の生産者との関係を大切にしたいので、野菜は京都・大原まで足を運んで仕入れています。ていねいに調理された野菜料理の魅力に目覚める人も多く、春には野ゼリとレモンのパスタなども登場予定。

「大原の季節のやさい畑」1800円

「静岡 生桜エビのパスタ」1900円。添えられた野菜はルッコラ。野菜はもちろん、魚介や肉の産地や旬にもこだわる
OASI
オアジ
花粉症の季節にうれしい、たんきり飴をおみやげに「たんきり飴本舗」

棚には小袋に入ったあられやおつまみなどが並 ぶ
「たんきり飴本舗」は、1875(明治8)年創業のお菓子屋さん。店内には、あられやラムネなど懐かしい昔ながらのばら菓子が所せましと並んでいます。 たんきり飴は、繊維や糸のほこりで喉を痛めがちな西陣で働く人たちに愛されてきたという看板商品。香料を使わず、生姜の絞り汁と砂糖などから作る飴は甘口と辛口の2種類があり、常連さんからは「甘い方」「辛い方」と親しまれています。

飛行機の形のビスケットにピンクや黄色などカラフルな砂糖がかかったヨーチなど昭和の雰囲気たっぷり
たんきり飴本舗
茶の湯のミュージアムで立礼式のお抹茶体験「茶道総合資料館」

茶道三千家のひとつ、裏千家の歴代が蒐集した茶道具や美術工芸品を展示する美術館。 4月12日までは企画展「芦屋・滴てき翠すい美術館の名品-山口吉郎兵衛コレクション」が開催されており、京焼や珍しいカルタ類が紹介されています。

茶道資料館
チャドウシリョウカン
幻の蝶、アサギマダラが舞う本堂の祈りの天井画「尊陽院」

1575(天正3)年に本法寺の塔頭として創建した「尊陽院」。 寺の改修の際に、本堂の仏壇前を素敵な空間にしたいと考えていた、住職夫人であり尼僧でもある伊丹理恵さんが美術家のmaisさんに出会ったことから、2022年に浄化をテーマにした『祈りの天井画』が奉納されました。

今では、鮮やかなブルーのアサギマダラが舞う天井画をお目当てに訪れる参拝者も多いのだとか。

授与所前は陽光が差し込むガラス張りの開放的な空間。
授与所ではアサギマダラの御朱印とステッカーをいただくことができます。アサギマダラは長距離を飛ぶことから、ステッカーを旅のお守りとしてスーツケースに貼る人もいるそう。
尊陽院
ソンヨウイン
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文:戸塚江里子 写真:小川康貴 編集:ことりっぷ編集部
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