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2014.03.26
みずみずしいフルーツの味わいが口いっぱいに広がる「SIOMI」の舟形タルト
くねくねと曲がりくねった道沿いに、ベーグル屋さんやアクセサリーショップが並ぶ千駄木のへび道。その裏道にオープンしたSIOMIは、週末だけオープンする小さなタルト専門店です。谷中さんぽの途中に立ち寄って、季節の果物を使った舟形タルトを味わってみませんか?
知り合いの果樹園から届く新鮮なフルーツがたっぷり

手前から「愛媛の三種柑橘のタルト」(300円)、「いちごショコラタルト」(350円)、「晩三吉(梨)のタルト」(300円)。小さなタルトは180円~
千駄木駅から歩いてすぐの住宅街の中に、週末だけ営業している小さなタルト屋SIOMIがあります。民家の一部を改装した店内の扉を開けると、ショーケースには、色とりどりの果物が乗ったかわいいタルトが6種類ほど並んでいました。 「タルトに使う果物は、どれも縁のある果樹園から取り寄せているものばかりなんですよ」と話すのはオーナーパティシエの三浦さん。今の季節は茨城県の農園から届くイチゴをはじめ、愛媛県の農家さんが送ってくれる「せとか」などのかんきつ類、三浦さんのおばあちゃんが小田原で育てているレモンを使ったタルトなどがおすすめだそうです。
ル・コルドン・ブルーの伝統レシピが基本

子育てしながらお店をオープンしたママパティシエの三浦さん
舟形タルトの中には、それぞれの果物に合わせてアレンジしたクレームダマンド(アーモンドクリーム)がたっぷり。砂糖は控えめなので、フレッシュな果物そのものの甘さや酸味がより一層引き立ちます。 実は、SIOMIのタルト生地とクレームダマンドは、料理学校ル・コルドン・ブルーの伝統レシピがベースなのだとか。独身時代にイギリスに短期留学し、ル・コルドン・ブルー ロンドン校の集中コースを受講した三浦さんは、そこで教わったクレームダマンドのおいしさに感激。その経験が、タルト屋さんを始めるきっかけになったのだそうです。
客船でのパティシエ経験を生かして

海や船をモチーフにした店内のインテリア
小さい頃からの夢が「船乗りになること」だったという三浦さんは、ロンドンのル・コルドン・ブルーで学んだあと、世界を一周する客船のパティシエとして働くことに。客船の厨房では、世界各国から集まったスタッフとともに、ディナーのデザートや焼き菓子、時には記念日用のデコレーションケーキも作っていたそうです。航海で訪れた国は、なんと40ヶ国以上! 店内には、アラスカに立ち寄った時に買ったドリームキャッチャーなど、客船で航海していた頃の思い出の品が飾られていました。 「店名はこの周辺の昔の地名から付けたんです」と三浦さん。お店がある千駄木界隈は、かつて東京湾が見えていたことに由来して、「汐見」という地名で呼ばれていたのだそう。オープン以来、ご近所のママ友やおばあちゃん、子どもたちがよく買いに来てくれるというSIOMIの舟形タルトは、地元の人に愛されるご当地タルトになるかもしれません。

小さなタルト屋 SIOMI
チイサナタルトヤシオミ
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小野沢啓子
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