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2014.03.27
京都に春の到来を告げる、早咲き桜の名所へ
京都に春本番の到来を告げるように、早咲きの桜がちらほらと咲き始めてきました。京都御苑に咲く雅の糸桜など、京都でも一足早く咲き始める、早咲きの桜名所をご紹介します。 メイン写真:京都御苑・近衛邸跡「糸桜」
天皇も愛でた早咲きの糸桜が咲く「近衛邸跡」
京都御苑・近衛邸跡
地下鉄・今出川駅からすぐ、京都御苑の近衛邸跡には、早咲きの糸桜が雅やかに咲き始めました。京都御苑はかつての公家町が明治以降に整備された国民公園であり、御苑の北に公家の筆頭・近衛家の邸宅跡を示す石碑が立っています。 公家の近衛家は、かつて摂政や関白など務めた格式高い公家で、江戸の頃から近衛邸は糸桜の名所として知られていました。 幕末、孝明天皇は近衛邸に咲く糸桜を眺めて、「目が離せなくなるほどに美しい桜」と褒め称えたといいます。近衛邸跡には大きな糸桜が3月末から4月初旬にかけて咲き誇り、かつての宮中や公家の雅を偲ばせてくれます。 ○京都御苑(きょうとぎょえん) [所] 上京区京都御苑3 [TEL] 075-211-6348(環境省 京都御苑管理事務所) [URL] http://www.env.go.jp/garden/kyotogyoen/
大きな枝垂れ桜が威風堂々と咲き誇る「醍醐寺」
醍醐寺・霊宝館前の桜
地下鉄東西線・醍醐駅から東へ徒歩約10分、京都屈指の早咲きの桜名所として「醍醐寺」は大いに賑わいます。霊宝館の中庭に咲く「醍醐深雪桜(だいごみゆきざくら)」を筆頭に、境内には大きな枝垂れ桜が咲き並び、まさに圧巻の桜風景が広がります。 一躍、醍醐寺が桜の名所となったのは、天下人・豊臣秀吉が1598(慶長3)年、近畿一円から約700本もの桜の木を移し植えて、女房衆1300人余りを従えた「醍醐の花見」を催してから。 現在、醍醐寺で見ることができる桜は、醍醐の花見の際に移し植えられた桜の子孫と伝えられています。秀吉の盛大なる花見に想いを馳せながら、毎年3月下旬には満開を迎える醍醐寺の早咲きの桜を眺めてみませんか。 ○醍醐寺(だいごじ) [所] 伏見区醍醐東大路町22 [TEL] 075-571-0002 [時間] 9:00~17:00(受付終了16:30) [拝観料] 三宝院・伽藍・霊宝館 各600円(複数拝観割引あり) [URL] https://www.daigoji.or.jp/
京情緒あふれる「祇園白川」の夜桜へ
祇園白川の夜桜
京阪・祇園四条駅から北へ徒歩3分ほど。石畳の道が続く「祇園白川」では、早咲きの桜が京情緒あふれる花街をさらに美しく彩り始めます。 祇園白川では、3月28日(金)から4月6日(日)にかけて夜桜のライトアップが行われて、祇園に軒を並べるお茶屋さんに夜桜が重なり合い、一層、華やいだ風情に包まれます。 ○祇園白川宵桜ライトアップ(ぎおんしらかわよいざくら) [所] 東山区末吉町(祇園白川南通り) [TEL] 090-8520-1484(京都祇園縄手繁栄会) [時間] 3月28日~4月6日 18:00~22:00 [URL] http://www.gion-nawate.com/sakura
静かに佇む桜 知恩院の「友禅苑」
知恩院・友禅苑の桜
京阪・祇園四条駅から東へ徒歩約15分、知恩院の大きな三門の南に庭園「友禅苑」があり、行き交う人びとで賑わう東山界隈の中では静かな場所で、苑内には早咲きの枝垂れ桜が美しい姿で咲き始めます。 友禅苑は、京都の伝統産業のひとつ「友禅染」を始めた宮崎友禅の生誕300年を記念して、1954(昭和29)年に造園され、東山の湧き水を引き入れた池泉庭園と枯山水庭園で構成された昭和の名庭です。人びとで賑わう桜の名所も素敵ですが、喧噪を離れた静かな苑内で早咲きの桜を眺める贅沢な時間を過ごしてみるのもオススメです。 ○知恩院・友禅苑 [所] 東山区林下町400 [TEL] 075-531-2111 [時間] 9:00~16:30(受付終了16:00) [休] 4月25日 [拝観料] 友禅苑300円 [URL] http://www.chion-in.or.jp/
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若村亮 写真:吉村晋弥
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