
129
2014.04.11
パンの街、神戸に昔ながらのパンを買いに
神戸は横浜と並ぶ日本のパン発祥の地。そしてパンの消費量、消費金額でも全国第1位を誇ります。そのパンの激戦区で80年以上変わらぬ製法とレンガ窯で、食パンを焼き続けるお店を訪れました。
今年82歳になるご主人と、手づくりのレンガ窯

一層式のレンガ窯は、2時間以上かけてガスで内部を熱し、その余熱だけでパンを焼きます。すると、遠赤外線効果で熱の通りがとてもよく、サクサクとした軽い食感に焼きあがるのだそうです。
パンから聞こえてくる「産声」がおいしさのあかし

窯出しの瞬間を見せていただきました。 板の上に並べられた食パンからは、“ピキ、ピキ”という、はぜるような音が聞こえてきます。 これを竹内さんは「パンの産声」と呼び、おいしく焼きあがった合図なのだそうです。
予約でほぼ完売の食パン

食パンが焼きあがるのは、午後2時と4時の2回。焼きあがると半地下の窯場からお店に運ばれ、次々と白い紙で包まれていきます。 この紙で包まれたパンは、すでに予約が入っているもの。1日に平日で約60本、週末は80本ほどを焼きますが、そのほとんどが予約で売り切れてしまうそう。なかには毎月1回通って、20本近くまとめ買いをする人もいるといいます。
機械を使わず、手ごねにこだわる理由

この店では、道具の一つ一つも大切に守り続け、機械を使わない製法でパンを作っています。厚い一枚板の作業台は、先代が岡山まで探しに行ったもの。生地をこねたり丸めたり、レンガ窯と同様、大活躍。 昭和の戦争も、平成の震災も奇跡的にくぐり抜けたレンガ窯。この窯で焼かれる食パンには、トーストした時、軽い食感とともに、ガリッという香ばしさと独特の風味があります。日本一のパンの街、神戸でも、この味は唯一無二。80年以上の年月を経た窯だけに出せる味わいに違いありません。
電話で予約して訪れたい

食パンは1本810円。ほかに、バゲット410円、カンパーニュ930円、くるみパン500円、ぶどうパン大500円・小170円などがあり、当日の朝9時から電話で予約できます。

フロイン堂
フロインドウ
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
永田さち子
の人気記事













































