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2014.11.26
祇園の路地奥にひっそりと佇む隠れ家的カフェ「ZEN CAFE」
多くの観光客で賑わう花街・祇園の路地奥に佇む「ZEN CAFE」。まるでギャラリーのような空間で、京都屈指の老舗の和菓子をゆっくりと楽しむことができます。
江戸時代創業の老舗和菓子店「鍵善良房」プロデュース
「Kagizen Gift Shop」の店内。ここでしか買えないお菓子のほか、工芸作家の作品などが並ぶ。「ZEN CAFE」は北に隣接
歌舞伎劇場・南座前から四条通を東へ歩き、一筋目の大和大路通を南へ、一筋目の路地を再び東へ歩いていくと、「Kagizen Gift Shop」のモダンな和風建築が見えてきます。そして、その奥のグレーの建物が「ZEN CAFE」。ともに、おいしい「くずきり」で知られる江戸時代・享保年間に創業した老舗和菓子店「鍵善良房」が、「和菓子のある風景のようなもの」をコンセプトにプロデュースしているお店です。
日の光が差し込むカウンターで、自宅のようにくつろいで
日の光が窓から差し込むカウンター席。お気に入りの席を決めている常連さんもいるのだそう
「ZEN CAFE」に足を踏み入れると、最初に出会うのは日の光がすっと差し込む整然としたカウンター。壁で仕切られた奥のスペースには、ひとりで静かな時を楽しむことのできる個室のようなソファ席、4人がけのテーブル席もあります。 「自宅のような気持ちのまま、ゆっくりとくつろいでいただきたくて」と揃えられたテーブルや椅子をはじめ、器やカップに至るまで、店内にあるものはそれぞれ、スタッフが吟味を重ねたものばかり。また、あちらこちらに絵画やオブジェ、花などがそっと飾られており、花街の喧騒を忘れてしまうほど静かで上質な時間がゆったりと流れます。
カフェのみでいただけるお菓子を月替わりで
10月の「季節のお菓子」(800円)。大きな栗が秋の訪れを感じさせてくれます
おすすめのメニューは、「季節のお菓子」。おおむね月代わりで、その名の通り、季節の和菓子がいただけます。訪ねたのは10月の半ば。ちょうど、栗がおいしくなる季節ということで、この月のお菓子は、丹波栗の渋皮煮がごろりと入った「浮島」でした。「浮島」というのは、餡を使った蒸し菓子で、カステラのようなもの。しっとりと蒸し上げられた2色の生地が市松に合わせられたモダンなひと品です。 オリジナルのコーヒーとのセット(1500円)もあり(メイン画像)、かすかに酸味が感じられるあっさりとしたブレンドは、和菓子の落ち着いた甘さとよく合います。コーヒーのほか、煎茶やほうじ茶、カフェオレ、ジュースなどからもセレクトできます。 また「上生菓子」(月代わり、600円)や「特製くずもち」(800円)、「フルーツサンド」(1200円)などもいただけますが、いずれもこの「ZEN CAFE」のオリジナル。本店でも購入できないので、毎月通う人もいるそうです。祗園の隠れ家カフェで季節の甘味を味わいながら、ゆるりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
ZEN CAFE
ゼンカフェ
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清塚あきこ
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