金沢町家を改築した住宅街の中の隠れ家ブックカフェ

浅野川沿いに茶屋が並ぶ「主計町茶屋街（かずえまちちゃやがい）」

金沢の人気観光スポット、ひがし茶屋街や主計町茶屋街が近い浅野川大橋から住宅街へ入って徒歩2分。自宅の金沢町家を改装した、出版と古本とカフェの「あうん堂」があります。

出版と古本とカフェの「あうん堂」

観光スポットの賑やかさから一転、ひっそりとした住宅街を進むと、白い壁が印象的な建物が見つかります。ガラスの扉を入ると、まずはちょっとしたギャラリースペースが。そこから奥は靴を脱いでくつろぐスタイルです。店主の本多博行さんが、もともと大好きだった本と珈琲を皆さんにも楽しんでもらえる場所をと、会社勤務から一転、2004年にオープンさせました。

暮らしを愉しむ本など2000冊以上の古本が並ぶ

本多さん自身の蔵書15000冊の中から選んだ本を中心にスタートしたというブックスペースは、暮らしを愉しむ本や旅の本、小説などが並びます。

おしゃれな本やかわいい雑貨が飾られたカフェスペース

おしゃれな本が飾られたカフェスペース

白い壁と木目調の落ち着いたカフェスペースにも、表紙が目をひく雑誌や洋書などがセンス良く並べられていて、思わず1冊1冊に見入ってしまいます。地元の作家さんによる「あうん堂」の店名をモチーフにしたさまざまな置物や、国内外の雑貨もかわいいものばかり。

オリジナルの「ブック・ブローチ」（右下、800〜1000円）も

出会えたらラッキー「中川ワニコーヒー」

かわいいブック型のクッキーは、妻・恵子さんの手作り

珈琲の種類はシンプルに3種類。特に人気があるのは、金沢出身の焙煎人・中川ワニさんの「中川ワニコーヒー」（400円）です。本多さんがもともとファンで、「どうしても送ってほしい」という一通の手紙を出したことをきっかけに、現在は、年に数回、毎回違ったブレンドの珈琲を送ってもらっているほか、中川さんを招いてのワークショップも開催しています。

小説サイズのブック型メニュー。奥能登の「二三味（にざみ）ブレンド」や金沢の「東出ブレンド」も

一番人気のこだわりの「チキンカレー」

「古本屋おやじのチキンカレー」は自家製らっきょうとニンジンのマリネがついて600円

若い頃から本が好きだった本多さんにとって、古本屋街の喫茶店といえばコーヒーとカレーが定番だったそうで、「古本屋おやじのチキンカレー」（600円）は本多さんが鶏肉の手羽先がとろとろになるまで煮込んで作っています。シラスと玉ねぎだけをご飯と炒めたシンプルな味の「カフェママのシラスチャーハン」（600円）も一度食べると忘れられない味だと、ファンも多いんですよ。

珈琲にぴったりの手作りスイーツも

手作りの「チョコレートケーキ」

珈琲のおともに手作りスイーツもありますよ。手作りの「チョコレートケーキ」（400円）はしっとりとした生地に珈琲にぴったりのほどよい甘さでおすすめです。

「中川ワニ ジャズブック」（2160円）ほか、あうん堂で出版している本

店名の「あうん堂」には、向田邦子の小説にもある「あ・うん」の呼吸で、訪れた人との出会いを大切にしたいという本多さんの想いが込められています。そんな出会いの中から生まれたあうん堂で出版した本も、じわりじわりと話題になって遠方から買い求めに来る方もいるそうです。 ついつい長居したくなる「あうん堂」で、たくさんの本とおいしい珈琲とともに、ゆったりとした時間をすごしてくださいね。