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2026.03.11
本とアートに浸り、体験や温泉など記憶に残る金沢時間を過ごす旅へ
加賀百万石の歴史建造物や自然、風情ある町並みに魅力がある「金沢」。二度目、三度目に訪れるなら「本とアート」に注目をしてみませんか。想像力や気分を高めるだけでなく、脳にも良い刺激を与えてストレス軽減にもよいというので、旅のテーマにはぴったりです。 本との出会いや読書、アート鑑賞は、心を豊かにするためのアクティビティ。館内・室内で楽しめるので、暑さ寒さや雨も気にせず過ごせる、金沢らしいスポットを、さまざまなジャンルで紹介します。
文学作品はもちろん工芸展示に建築空間♪長居したくなる「石川県立図書館」

(左)設計は、世界一美しいスタバがある富岩運河環水公園などを設計した建築家の仙田満氏 (右上) 加賀五彩をあしらった特別仕様のNelson Marshmallow Sofa (右下)館内には県内の作家による工芸品が展示される
学生の町で知られる、金沢市小立野(こだつの)にある「石川県立図書館」。金沢駅東口から北鉄バス石川県立図書館行に乗り約30分で到着し館内へ。思わず見上げてしまう4階までの巨大な吹き抜け空間は、まるで円形劇場のようなアートな場所です。 2022年夏に移転し、新しく開館。「思いもよらない本との出会いや体験によって、自分の人生の1ページをめくることができる場所」というコンセプトどおり、「仕事を考える」「好奇心を抱く」など、12のテーマで分かりやすく分類された本が約8万冊あります。「里の恵み・文化の香り~石川コレクション~」というコーナーもあり、県内各地をさまざまな角度から知る本、旅のヒントがもらえそうな一冊もありますよ。

(左上)加賀前田家ゆかりの成巽閣を彷彿とする深みのある群青色が特徴的な天井(右上)1階にある石川県に関するコレクションのコーナー(右下)2階閲覧エリアにあるカラフルなソファ(左下)ハムアンドゴー 石川県立図書館カフェの営業時間は閲覧エリアに準ずる
蔵書はもちろんですが、本を楽しむ以外にもたくさんの魅力があります。ひとつは、建築好きな方へのアプローチ。約15mもの吹き抜け空間に、ドーム状に組まれた木材が夜は星空のようにも見えます。天井デザインなどひとつひとつ見ていくと、より興味をそそられるはず。また、「本との出会いの窓」をはじめ趣向を凝らした各コーナーや、県内の作家による工芸品、100種以上のデザイナーズチェアなど、半日以上いても飽きないほどです。 館内には、金沢で人気のカフェ『ハムアンドゴー 石川県立図書館カフェ』もあるので、ランチを楽しむつもりで訪れてみるのもいいかもしれません。

石川県立図書館
イシカワケンリツトショカン
https://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/
※cafeの営業時間は閲覧エリアに準ずる
文豪ゆかりの地で金沢の魅力を知る時間

(左上)泉鏡花の作品は装丁が美しいことでも人気。初版本なども展示する(右)室生犀星の作品約160冊を下から上へ年代順に紹介する壁(左下)徳田秋聲の生い立ちから小説家になるまでのあゆみなどを紹介する1階
昔から多くの作家や文学者に愛され、作品の舞台となってきた金沢。文学の町と呼ばれ、明治以降に活躍した「金沢三文豪」の記念館がそれぞれあります。 華やかで美しい文体が特徴。幻想的な世界の起源を知る「泉鏡花記念館」。 遺品や直筆原稿などの展示、原稿筆写コーナーもある、生家跡に建つ「室生犀星記念館」。 ひがし茶屋街の近隣にあり、自然主義文学の大家を紹介する「徳田秋聲記念館」です。 文学史上に名を刻み、高い評価と影響力があった作家3人。その生きざまや作品を通して、人間関係、家族愛など、今に通じる普遍的なテーマについて深堀りしたくなる時間。旅先で、日々言葉にできないことも明確になる、そんな発見もありそう。当時の装丁の美しさにも心奪われる、文芸アートを楽しんでみましょう。

泉鏡花記念館
イズミキョウカキネンカン
https://www.kanazawa-museum.jp/kyoka/
入館料310円
※企画展~2026年5月17日『鏡花本の絵師たち』

室生犀星記念館
ムロオサイセイキネンカン
https://www.kanazawa-museum.jp/saisei/
入館料310円
※企画展2026年3月14日~6月28日『犀星の戯曲』

徳田秋聲記念館
トクダシュウセイキネンカン
https://www.kanazawa-museum.jp/shusei/
入館料310円
※企画展2026年3月20日~6月28日『昭和100年記念「怠け者の文学」』
レトロモダンな近代建築にも見惚れる♪日本で唯一の「国立工芸館」

(上)明治建築のクラシックな西洋風外観 ©金沢市(左下)高さ3mを超える陶器作品はパーツを組み立てるのではなく一体で制作されたことに驚く。金子潤《無題 13-09-04》(右下)金沢出身の漆芸家・松田権六(1896-1986)の工房を移築・復元。人間国宝の仕事場を垣間見ることができる
文化施設が点在する広坂から本多の森公園あたりには、金沢21世紀美術館をはじめ、いくつかの文化施設が点在しています。なかでも「国立工芸館」は、日本で唯一の近現代工芸とデザイン作品を専門に扱う国立美術館です。陶磁やガラス、漆工、木工、染織、金工、グラフィック・デザインなどの作品4000点以上を収蔵し、1階には作品内容を気軽に知ることができるタッチパネル式のデータベースもあります。 建物は、国の登録有形文化財に登録された木造の旧陸軍施設を、過去に撤去された部分も含めて復元。明治時代の建物外観に惹かれ中へ入ると、階段や照明器具などのディテールに当時の面影を感じ、建築としての見応えもあります。

(左上)アートライブラリは、展覧会開催中の平日週4回、13時~16時30分入室受付(右上下・左下)ミュージアムショップには、国立工芸館のオリジナルアイテムもそろう
東京から移転して5周年を迎え、記念企画展も開催された2025年度。2026年度は、3月20日(金・祝)から6月14日(日)まで『ルネ・ラリック展 -ガレ、ドームから続く華麗なるフランスの装飾美術-』から始まります。展覧会に合わせて商品のラインナップも変わるので、帰りにミュージアムショップでおみやげを買うのもいいですね。 また館内には、展覧会開催中の火曜から金曜の午後に開室される「アートライブラリ」もあります。近現代の工芸・デザインに関する資料の専門図書館です。展覧会関係資料が見やすく配置され、企画内容や作者をより深く理解するきっかけになりそうです。
国立工芸館
コクリツコウゲイカン
050-5541-8600
(ハローダイヤル)
https://www.momat.go.jp/craft-museum/
※観覧料は展覧会によって異なる、そのほか夏の夜間開館は開館時間が異なる場合があります
職人の遊び心も楽しい ♪ 九谷焼窯元直営店「金沢長右衛門」

上出長右衛門窯を代表する湯呑「笛吹」シリーズから、シンプルながら色彩豊かな器までをディスプレイ
石川県を代表する伝統工芸、九谷焼。九谷焼の名工として知られる、九谷庄三氏の出生地・能美郡寺井村(現在の能美市寺井町)で、明治期に創業した老舗窯元「上出長右衛門窯(かみでちょうえもんがま)」。時代が変わってもスタイリッシュでみずみずしい器を作り続けています。金沢市内にはフラッグシップショップがありますよ。

(左上)花入れや筆立てにも使えそうな、薬瓶 笛吹(右上)ユニークな姿に思わずクスッと笑う、サーファー箸置き(右下)くまの蜂蜜瓶や鳥型醤油さしなど食卓にあると楽しくなりそうなアイテムがいろいろ(右下)より福を呼びそうな招き猫
香林坊裏通り、せせらぎ通りにある「金沢長右衛門」。白を基調とした空間には、窯元が明治期から受け継いできた伝統と高い技術が宿る職人技を象徴する器から、伝統に新しさを加えた今の暮らしにしっくりと馴染む作品まで。九谷焼の多彩な魅力と、職人の手仕事を感じられます。 うつわの成形を自社で手がけているので、形もいろいろ。手元に置きたくなる自分好みの器が見つかる、工芸アートなお店です。

金沢長右衛門
カナザワチョウエモン
贅沢な朝食時間。金沢の文化と美食を知る老舗料亭「つば甚」

予約して味わいたい「かに粥」5280円。7時から10時まで4回、定刻にお料理の提供が一斉スタートする朝食。つば甚の歴史説明も聞くことができる
北陸の豊かな食文化と伝統建築を今に伝える、金沢で最も古い料亭「つば甚(つばじん)」。加賀百万石の礎を築いた前田利家が、刀の鍔師(つばし)として金沢に呼び寄せ、三代目甚兵衛が鍔師の傍らで営んだ料理店の小亭・塩梅屋「つば屋」から約350年を経て、今に至るといいます。 文明開化後は、地元を代表する料亭として知られ、初代内閣総理大臣伊藤博文が眺望に感動し筆をとった「月の間」など、金沢らしい風雅なしつらえにも注目。2025年夏からは、新しい試みとして、古くから伝わる「かに粥」の朝食が始まりました。

(左上・右)会場は2階。金沢の美しい街並みを一望できる部屋で特別な朝食を(左下)古くから伝わる、かに粥
完全予約制の朝食「かに粥」は、あおさを使用したあん添えの出汁巻き卵に、季節の小鉢、自家製豆腐など、職人の技と心が込められたお膳から始まります。そして土鍋で炊かれた「かに粥」が登場し、あつあつとろりとしたお粥を器によそい分け、目の前へ。カニの旨味を凝縮した朝の一椀は、香りもご馳走です。
金沢の体験旅プラン・料亭つば甚の朝食はこちらから

つば甚
ツバジン
凛としたたたずまいの美しい古民家空間「CAFE たもん」

(左上)格子を通して光が入り込む美しい光景 (右上)能登大納言あずきの米粉パンケーキ1700円(右下)2階の座敷席(左下)朝8時~10時までの限定メニュー「朝たもん」から、エッグベネディクトパンケーキ1900円
ひがし茶屋街の宇多須神社前にある米粉のパンケーキ店。明治期に建てられた2階建ての古民家を改装した店は、しつらえや置物などにも空間美を感じます。 素材の米粉は、通常破棄される規格外のお米も自家製粉するという食品ロス削減にも取り組み、循環型環境農法で育てた石川県産米を余すことなく使います。また、石川県産の旬のフルーツや地元特産品など、地産地消を考えた食材選びをしているのもこちらならでは。地元のおいしいものを、ふわっともっちりしたパンケーキとともに味わえます。

CAFE たもん
カフェタモン
食べるのがもったいないアートな一皿を楽しむ「MONET」

(左上)ランチもコースも前菜は、旬の素材で少しずつ味わえるワンプレートを (右上)ディナーのメイン料理など素材を活かした料理が楽しめ(右下)二人席もある店内(左下)朝食で楽しめるサンドウィッチも人気
新竪町商店街にある、フレンチビストロ「MONET(モネ)」。古民家をリノベーションした店内は、ひとりでも入りやすい雰囲気。朝9時から営業しているので、モーニングからランチ、カフェ、ディナーと、使い勝手の良さが魅力です。 おすすめは、シェフの料理を堪能できるコースです。コスパが良いと評判で、ランチコースは5品3980円の魚も肉も付くフルコース。ディナーは、シェフのおまかせで10品前後8000円。いずれも、前日までの予約が必要で、お皿をキャンバスに見立てるような、見た目も美しい料理が登場しますよ。

MONET
モネ
ランチと温泉を楽しむ日帰りも可能 ♪ ライブラリーがある金沢犀川温泉「滝亭」

(左上)滝亭の名の由来ともなった美しい落水「宝生の滝」と「辰巳の滝」がある(右上下)辰巳亭にある天然温泉半露天風呂付き客室、月うさぎ&風の音(左下)辰巳亭にはメインライブラリーの書庫兎夢。またArt Bookギャラリーこもれびもある
金沢市内には、市街地から少し離れるだけで歴史ある湯涌温泉、犀川峡温泉、深谷温泉など、多彩な泉質と自然景観を楽しめる温泉地があります。 金沢駅から車で約30分圏内、兼六園から車で15分という温泉もあります。そのひとつが金沢犀川温泉「滝亭(たきてい)」。美肌の湯として親しまれ「つるつる温泉」とも呼ばれている天然温泉で、犀川上流にある一軒宿です。

(左上)客室以外にも、露天岩風呂や大浴場を完備 (右上)ロビーラウンジからは中庭に植えられた四季桜が見える(右下)日帰りランチの滝しぶき御膳6000円。掘りごたつ式の個室で楽しめる (左下)日帰りランチのひとつ1日5食限定「能登牛重」3300円。カウンター席で味わえる
宿の客室は3棟全25室で、それぞれが異なる魅力を持ちます。裏庭に面した広い部屋とすべての客室に眺望の良いお風呂がつく「別邸辰巳亭」と、窓からの風景が四季折々に変わる「椿花亭」。新館は、犀川に面した露天風呂付きの「離れ犀川」。どの部屋も落ち着いた雰囲気です。 食事代+500円で天然温泉(大浴場)を利用できる日帰りのランチプランもあります。天婦羅御膳や能登牛重など気軽なメニューもあれば、個室で楽しむ会席コース6000円~も。冬季限定(~3月31日)完全予約制で、活ズワイガニも用意されています。のどかな早春や暑い夏、紅葉の美しい秋など、静かな時間を過ごしたい方におすすめです。

金沢犀川温泉「滝亭」
カナザワサイガワオンセンタキテイ
076-229-1122
(8:30~18:30)
https://takitei.co.jp/
※日帰りランチプランは、11:30~14:30(火曜日・木曜日は定休日、事前予約制)
築200年の古民家ホテル・レストラン。自然に囲まれた七曲温泉「 Onsen & Garden 七菜」

(左上)自然を借景にして絵画みたいな風が楽しめる、ヒバ造りの風呂(右上)エントランスは春になると桜が咲く(右下)陽光差し込むカフェ&レストラン。建物は「奥飛騨おもちゃ博物館」として活躍していた建物を移築(左下)要予約のランチは羽釜で炊いたごはんもご馳走
金沢駅から車で約30分、兼六園から15分という温泉、もうひとつは七曲温泉の一軒宿「Onsen & Garden 七菜(オンセン&ガーデンなな)」です。趣のある古民家を改装し、力強い梁など歴史の証を残しつつ、快適でデザイン性を極めた宿です。全3室のみで、ライブラリーがある客室や露天風呂付きの客室など、それぞれ趣があります。 別棟に専用天然温泉があり、宿泊の方だけでなく、お昼間は日帰り温泉で楽しむこともできます。また、ランチやお茶のみの利用ができるレストラン&カフェもありますよ。

Onsen & Garden 七菜
オンセンアンドガーデンナナ
https://nana-garden.nuture.co.jp/
日帰り温泉11:00~15:50(入浴時間50分)
レストラン&カフェ12:00~14:30(食事時間90分)
「ぶどうの森 本店」蒸留所見学とテイスティング& 農園イタリアンランチ

体験は2026年4~9月(8月をのぞく)の平日。ランチ、蒸留所見学と試飲、ガイド代5500円で、貴重な体験ができる
金沢は、見て楽しむことはもちろん、五感を使って楽しむ体験プランがあります。 2.5ヘクタールのぶどう棚中にあるエリアで、シーズン中はぶどうの香りに包まれながら別世界が楽しめる限定プラン。ぶどう園からスタートした「ぶどうの森」が人とのつながりを通して成長してきたストーリーをガイドが説明し、2025年秋に誕生した蒸留所「MORI NO NIWA」の見学とテイスティング。イタリアンレストランで、自社農園野菜のサラダビュッフェや自家製ジビエソーセージを使った特別ランチを味わえます。 開催日時:2026年4~9月(8月をのぞく)の平日 10:15~12:30 料金:5,500円 料金に含まれるもの:ランチ、蒸留所見学と試飲、ガイド代 定員:25名 最少催行人数5名 参加希望日の3日前までにご予約ください 新しいこと、まだ見ぬ体感が待つ金沢は、何度も訪れたくなる旅先です。
「ぶどうの森 本店」詳細や予約はこちら

ぶどうの森 本店
ブドウノモリホンテン
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文:土井淑子 撮影:増田えみ、新井智子、佐藤佑樹
金沢市観光公式サイト

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