
289
2017.03.06
京あげやおぼろこんぶ入りのうどんでぽかぽかに。中目黒「豊前房」
「うどん 豊前房(ぶぜんぼう)」は全国からおいしくて体によい食材を集め、それらの持ち味をていねいに引き出した一杯を作り続けている中目黒のお店。あつあつのうどんをふうふうしながらすすると、そのやさしい味に身も心も包まれてぽかぽかに温まりますよ。
気軽に立ち寄れるカフェみたいなうどん店
中目黒駅や池尻大橋駅から歩いて約10分の「うどん 豊前房」。わかりやすいのは中目黒駅から山手通りを進み、大型ディスカウントストアの先の交差点を左に曲がる行き方です。 のれんをくぐって入った店内は、打ちっ放しの白い壁にタイル床、オープンキッチンのカウンター席、座り心地のよさそうなソファー席など、カフェのような雰囲気です。
黒板には季節やおすすめのメニューが書かれている
開店して18年。お客さんは近隣の会社勤めの人から家族連れ、仕事帰りの人まで、時間帯や日によって変わります。女性の1人客や10年以上通う常連客もいて、だれもが気軽に立ち寄っていく人気店です。
全国各地のこだわり食材を厳選して使用
現在の店主、佐藤克明さん。注文が入ると手際よく麺を茹でていく
初代店主が福岡県と大分県にまたがる“豊前地方”の出身。大分佐伯産いりこと北海道日高産の昆布でとった出汁のつゆに、岡山産手延べうどんを合わせ、“毎日食べられる”やさしい味に仕上げています。メニューは温かいうどん17種、冷たいうどん7種と豊富です。

手延べうどんは包丁で切っていない角がない麺なので、口あたりがつるつる
看板メニューの「豊前房うどん」(メイン写真、1080円)は、京都南禅寺の手揚げされた「京あげ」、下関の海でとれた魚を使った「さつま揚げ」や「ちくわ蒲鉾」、北海道でとれ、秋田に伝わる技術で薄く削られた「おぼろこんぶ」がのっています。 さっそくいただくと、つゆはあっさりながらも出汁の奥行きを感じられる味わい。麺は喉ごしよく、おぼろこんぶによってとろみも加わります。京あげ、さつま揚げ、ちくわ蒲鉾はそれぞれ味わい深く、おいしいなあとしみじみ思います。
「いろいろキノコのしょうがうどん」(1080円)。うどんの器には有田焼を使用。京都祇園「原了郭」の黒七味で風味がより豊かに
メニューには季節のものもあり、冬期の「いろいろキノコのしょうがうどん」は、天日干しにして香りや旨味を増した、えのき、しいたけ、しめじがたっぷり。おろししょうがを入れてとろみをつけた出汁のあんでとじられ、あつあつで風味豊か。体が芯から温まります。
お酒とおつまみを楽しんでうどんで締め
「だし巻き玉子」(756円)。ハーフサイズもある
うどんは注文を受けてから麺が茹であがるまで、15分くらいかかります。そのため、「みょうがときゅうりの梅冷菜」(540円)、「京あげと小松菜の煮びたし」(756円)などの料理と全国の日本酒や焼酎を楽しみながら待ち、うどんで締める人もいます。 料理の一番人気は「だし巻き玉子」。外はふわふわ、中はとろっとろで、ぜいたくに入れた出汁の旨味と玉子のコクが口いっぱいに広がります。 「とろける杏仁どうふ」などのデザートやオリジナルブレンドの「ホットコーヒー」の用意もあり、ランチには好みのうどんに日替わりの炊き込みごはんがつきます。さまざまな利用の仕方ができるのもまた魅力。お気に入りの楽しみ方でぽかぽかしてくださいね。

うどん 豊前房
ウドンブゼンボウ
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
森田奈央、写真:彌永浩次
の人気記事











































