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2015.06.12
ボーダーを着て、ゴーギャンとポン=タヴァン派の作品を観に行こう!
盛岡にある岩手県立美術館を訪ね、ブルターニュの自然や風俗を愛したゴーギャンやポン=タヴァン派の画家たちの作品をゆっくり鑑賞しましょう。会期中は白黒または青白のボーダーを着て来館するとプレゼントがもらえる「ボーダーでプレゼント」企画も実施中です。
洗練されたアート空間を訪ねる
盛岡駅からバスで西へ約12分。市内を流れる雫石川を渡ると、盛岡市中央公園が広がっています。敷地内には、さまざまな文化施設がありますが、モダンな外観の岩手県立美術館もそのひとつ。館内に入ると、まず目を引くのがグランド・ギャラリー。ゆるやかに曲線を描く白い空間が、訪れる者をアートの世界へといざないます。 こちらには、萬鐵五郎、松本竣介、舟越保武など岩手県ゆかりの芸術家による近・現代の作品を中心に、数多くのコレクションが収蔵され、常設展や話題の企画展が随時行われています。
神秘の楽園ブルターニュを描く作品群
ゴーギャン 《2人のブルターニュ女性のいる風景》 1888年 ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館蔵 Ny Carlsberg Glyptotek,Copenhagen
6月6日(土)~7月12日(日)の期間は、企画展「ゴ―ギャンとポン=タヴァンの画家たち」展を開催。 ゴーギャンは、タヒチで描かれた力強く明るい色彩の絵画で知られる、ポスト印象派の巨匠ですが、そのタヒチ時代に先立つ頃に、フランスのブルターニュ地方にある小さな村ポン=タヴァンで創作活動をしていました。 ブルターニュ地方は、古くからの文化や独自の宗教が根付く、都会にはない魅力を持った土地柄で、その美しい自然とともに、19世紀の芸術家たちに多くの創作のインスピレーションを与えたのです。
セリュジエ 《呪文或いは物語 聖なる森》 1891年 カンペール美術館蔵 Musée des Beaux-Arts de Quimper
ゴーギャンをはじめ、その時期にブルターニュに移り住んだ無名の若い画家たちは「ポン=タヴァン派」と呼ばれ、情熱的に新たな表現をめざして絵画制作に取り組みました。強調された輪郭線や平面を塗りつぶす単純化された色彩などが、共通した特徴になっています。 今回の作品展では、日本初公開のゴーギャン作品5点をはじめ、ポール・セリュジェやエミール・ベルナールなど、これまであまり日本で紹介されることのなかった貴重なポン=タヴァン派の作品約70点が一堂に展示されます。
アンリ・モレ 《ポン=タヴァンの風景》 1888-89年 カンペール美術館蔵 Musée des Beaux-Arts de Quimper
遊び心あふれるイベントも
展覧会の会期中の土・日曜は、白黒または青白のボーダー柄を身に着けてきた当日観覧券購入の人限定で、プレゼントが用意されています。ブルターニュの旗が白黒9本のボーダー柄であることから発案された、遊び心のある企画です。先着100名分の数量限定なので、お早めにどうぞ。
「レストランパティオ」で特別メニューを味わう
作品鑑賞の後は、館内にある「レストランパティオ」でひと休み。高い天井と、正面に眺める岩手山の風景が自慢のレストランです。岩手県産の食材をふんだんに使った北イタリア料理にも定評があります。 今回の特別展「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」の会期中は、特別メニューも用意されています。ブルターニュはフランス有数の農業地域で、そば粉のガレットやりんごの発泡酒・シードルなどの特産物が有名です。どんな特別メニューが登場するのか、どうぞお楽しみに。 この機会に、岩手県立美術館のシンプルで洗練されたアート空間を訪ね、美しい自然や人間の原始的な記憶を刺激する神秘の楽園ブルターニュを描いた絵をじっくり鑑賞してはいかがでしょう。
岩手県立美術館
いわてけんりつびじゅつかん
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横橋美奈子
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