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2017.04.02
タイムスリップしたみたい!京都でみつけた、上品な駄菓子屋さん「格子家」
※こちらの記事は2017年4月2日に公開されたものです。 神泉苑や二條陣屋など、歴史風情漂う二条城エリア。 そこに京町家で駄菓子を販売する「格子家」があります。 「格子家」でつくられるお菓子は「うれしなつ菓子」と名付けられ、その名の通り、訪れる人たちをノスタルジックな気持ちにさせてくれます。
創業100年、京都唯一の“しゃんこ屋”
「格子」をイメージしたロゴにもひきつけられる
「格子家」は二条城の南の通りを少し西に向かったところにあります。 創業は大正初期という、お菓子の老舗。元はお菓子の製造卸業を専門にしていたそうですが、30年ほど前から駄菓子屋として工房の一角にお店を開きました。 以来、地元の人はもちろん、修学旅行生、そして海外からの観光客も訪れる人気店に。 その人気の秘訣は、初代から変わらず受け継がれる手作りのわざ。京都唯一の「しゃんこ屋」として、現在でも手作りにこだわったお菓子作りを続けています。
常時50種以上の駄菓子が並ぶ
ちなみに「しゃんこ」とはいわゆるおこしを黒糖につけ込んだお菓子のこと。 おこしに染みこんだ黒糖の甘みに癒やされる、素朴なおいしさが魅力です。
入り口から広がるレトロな世界観
井戸水で冷やされる色とりどりのジュース
ご自宅の京町家をそのまま改装したというお店には、店内に入る前からすでに懐かしい光景が広がっています。たとえば、井戸水で冷やされているドリンク類。定番のコーラはもちろん昭和の香り漂うニッキ水が彩りを添えています。
本物の貝がらに入っている「貝ニッキ」(260円)
他には、ちょっと珍しい「貝ニッキ」(260円)。 貝殻を開くと片方に黒糖ニッキが入っており、もう片方の貝殻をスプーン代わりにしてすくって食べます。 食べ終わったら、穴を空けて貝笛として楽しむことも。 こうした自然の素材を使ったお菓子は、どこか昔懐かしい気持ちにさせてくれます。
思わず童心に戻る、玩具と駄菓子が所狭しと並ぶ店内
童心をくすぐられる玩具のディスプレイ
暖簾をくぐるとそこは別世界。 蛸や紙風船など、いたるところに昭和を連想させる玩具が並び、まるでタイムスリップしたかのよう。
インテリアとして飾っておきたいほどのかわいらしさ
そして畳の上には懐かしい水飴や金平糖、そしてカラフルなニッキ水などが整列しています。
愛くるしい表情のお面と、よく見ると片手にそろばんを持っているたぬき
忘れてはいけないのが奥に陣取った看板たぬき。少なくとももう30年以上はお店にいるという大ベテランです。思わず「ご苦労様です」と挨拶したくなる愛くるしい表情にも注目。
家紋のような見た目がかわいらしい
しゃんこ=黒糖のお菓子ということで、茶色いお菓子が多いかと思いきやカラフルなお菓子もたくさんあります。 たとえば「うめばち」(410円)。いなり生地を飴でコーティングしたこのお菓子は、通常は白いものが多いのですが、「格子家」では抹茶の緑、紅芋のピンクとかわいらしい3色を展開しています。ちょっとした手みやげにも喜ばれると、地元の人にも人気の高い一品。
名物は「どろぼう」
「格子家」のお菓子の中でも、最も人気があるのが名物「どろぼう」(450円)。いなり生地を水あめと黒糖で煮詰めて乾かしたお菓子です。 しっとりとやわらかい独特な食感に、体に染みわたるかのようなコクのある甘みが特徴で、お茶はもちろんコーヒーや牛乳にもよく合います。
力強い「どろぼう」の文字が書かれている
ちなみに「どろぼう」の名前の由来は、創業当時のまだ甘いものが貴重だった時代、あまりのおいしさに「どろぼうしてでも食べたい」と言われたことから。当時の人たちの思いが、そのまま商品名になったのです。ひとくち味わってみれば、当時の人たちの思いが伝わってくるようです。 もちろん昔も今も、すべて手作り。家族による手しごとで創業より伝わる味を守り続けています。
味わいの違いを楽しんで
一方で、2年ほど前からは、黒糖以外の味も開発。 京都ならではの抹茶味と白味噌味が新たに誕生しました。
年配の人がお友達のおうちにおみやげとして持って行くお菓子を買うその横で、海外の人が珍しそうに商品を選んでいる、そんなほほえましい光景に出会える「格子家」。古き良き昭和の時代にタイムスリップした気分を味わってみてはいかがでしょう。
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