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2025.11.25
京町家の茶寮「然花抄院 京都室町本店」で、期間限定みたらし団子や和スイーツを
千年の都の面影を残す碁盤の目の通りのひとつ、室町通にのれんを掲げる菓子司「然花抄院 京都室町本店」。築300年超の元呉服商の京町家をリノベーションした和モダンな空間には、四季折々の色彩が移ろう坪庭を眺めながらゆったりとカフェタイムが楽しめる茶寮も。京丹波の黒豆を食べて京都で育った鶏卵を使って焼き上げる定番の半生の「然」かすてらをはじめ、みたらし団子、パフェ、くりーむあんみつなど季節替わりの甘味が楽しめますよ。
呉服問屋の中心地として栄えた室町通へ

自然豊かな京都御苑やレトロ建築が魅力の京都府庁なども徒歩圏内
地下鉄の烏丸線と東西線が交差する烏丸御池駅から室町通を上がること6分ほど。白壁に虫籠窓、端正な一文字瓦を冠した大きな京町家が現れます。築300年超、元は呉服商だったという建物が、創業100年の長﨑堂が手がける菓子司「然花抄院」の本店です。店名には「花ある心でもてなし、お菓子本来の味を楽しんでほしい」という想いを込めているそう。

秋は黄色や紅色、春は薄紅色が白砂に映える
光が創り出す陰影が美しい空間は、どこに目を向けても絵になります。古い柱、台所のおくどさん(かまど)、石畳、かつて京都の街なかを走っていたちんちん電車の敷石など、随所に残された意匠がこの建物が紡いできた時の流れを物語ります。 見どころのひとつである坪庭は、一滴の雫が静かに広がっていくような砂紋を描く枯山水庭園。大きなしだれ桜の木は、京都の桜を象徴する円山公園のしだれ桜の孫にあたります。

ガラス作家・荒川尚也さんのガラス作品「水落とし」

正面奥は併設されるギャラリー「素形/SUGATA」。企画展の案内はInstagramで確認を

ショップスペース。看板銘菓「然」かすてらは756円~
建物の北側が茶寮、南側が工房と販売コーナーです。ショーケースには、選りすぐりの素材と独自の製法により、表面は香ばしく、中はとろけるような食感に焼き上げた半生の「然」かすてらをはじめ、さまざまな和洋菓子が並びます。スタイリッシュなパッケージデザインで、手みやげにもぴったり。

京都らしい贅沢な景色が目の前に広がる茶寮

障子から淡い光が差し込む室町通側
坪庭を眺めながらカフェタイム

「茶庭ノ膳」(ドリンク付き)1540円。冬季は抹茶味がチョコレート味の加加阿(カカオ)に替わる
一年を通して味わえるのは、「茶庭ノ膳」。毎日工房で焼き上げる代表銘菓の紙焼きカステラ「然」かすてらのシリーズ3種が食べ比べできます。「然」かすてらのほか、濃厚な黄身をほろほろとほどける食感に仕上げた「卵蜜」、京都産宇治抹茶を織り交ぜた「碾」の3種で、同じ生地を使って勾玉の形に焼き上げた「室町傍瑠(ぼうる)」と箸やすめの山椒風味の塩昆布「玉しぐれ」が付いています。
期間限定「やきたて みたらし団子」

「やきたて みたらし団子」(ドリンク付き)1760円
11月から5月下旬までの予定で提供される「やきたて みたらし団子」は、目の前で自分好みの加減に焼き上げるのが楽しいひと品。表面はパリッと香ばしく中はモチッとした、できたてのいちばんおいしい瞬間が味わえます。きつね色のほどよい焼き目をつけたら、みたらしダレ、粒餡、きなこをお好みでかけて。

香ばしいにおいが立ちのぼる

焼き上がったら、みたらしダレをかけて

お好みで粒餡やきなこをのせていただきます
『源氏物語』にもゆかりのある場所に由来の新メニュー

「藤原定子碑建立記念 花蝶歌」スイーツメニューに+440円
店のある一帯は、平安中期、清少納言がお仕えした一条天皇の后・定子の実家にあたる二条宮の跡地。2024年、建物の北側に顕彰碑が新設されたことを記念して誕生した新メニューは、恋心を秘めた定子の歌に綴られる「花」と「蝶」をモチーフにした風流なお菓子です。

一期一会の景色と甘味で至福のひととき
イートインではほかに、パフェ、くりーむあんみつなど、素材や色彩で移ろう四季が感じられる期間限定メニューもお目見えします。心落ち着く特等席で、和が香る甘味を楽しんでくださいね。

然花抄院 京都室町本店
ゼンカショウインキョウトムロマチホンテン
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文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ
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