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2017.03.18
ダブリンの街中で、ゆったりと芸術を楽しむ「アイルランド国立美術館」
アイルランドはダブリンに住み始めて、およそ2ヶ月。 素敵な街並みに、建物たち。そんな街を歩くように、建物に流れる空気を感じるように。少しばかりの時間ですが、この連載を通してアイルランドという国の素晴らしさを知ってもらえたら、僕は嬉しいです。 今回は気負うことなくふらっと訪れたくなるような、そんな美術館をご案内します。

はじめまして!タナカユウキと申します。 昨年までは建築士として国内を飛び回りながら建築にまつわるお仕事をしておりましたが、ふと思い立ち、アイルランドはダブリンという街に移り住みはじめました。今のところ、今年いっぱいこの街で過ごす予定です。 ここに住むことを選んだ理由はいくつかありますが、いちばんは「たぶん、僕はこの国のことが好きだ」と思ったこと。訪れたことはないけれど、なんとなく肌に合うと感じたのがきっかけでした。

ダブリンの街を南北に分けるリフィー川
そして移り住むこと早2ヶ月、僕はやっぱりこの国のことが大好きになりました。 フレンドリーな街の人たちに、美味しいご飯とお酒。そして、歴史と魅力の詰まった街並みは見ていて飽きることがありません。 とりわけ、建物については素晴らしいものばかり。本当は一緒に歩いて、ひとつひとつ大切にご案内したいところですが、残念ながらそうはいきません。 ということで、この場を少しお借りして、ゆったりと散歩をしながらご案内するように、素敵な建物や場所についてご紹介させていただきます。
ダブリンの街並みに溶け込む美術館

建物前の車道から眺める「National Gallery of Ireland Millennium Wing」
今日は「アイルランド国立美術館」にやって来ました。 アイルランドの首都・ダブリンの中心部にある美術館のひとつで、レンガ調の美しい街並みのなかにふと現れる、洗練された佇まいが特徴です。 この美術館が開館したのは1864年。長い歴史とともに、街の人たちに愛されてきました。 今日にいたるまで様々な改築工事が行われ、そのたび綺麗に手直しをされたり、建物が拡張されたりという変化の歴史を歩んできました。 今回ご案内するのはいちばん新しく拡張された「National Gallery of Ireland Millennium Wing」という部分。こちらは2002年に開館し、企画展・常設展示室に加えて、ミュージアムショップやレストランをもちあわせています。

館内で観ることができる建築模型
今回ご紹介する部分について、建築模型でご説明します。 右上に向かって斜めに走る車道のT字路、その角に建っているのが「National Gallery of Ireland Millennium Wing」です。 この街を走る路面電車・ルアスの駅のひとつ、セント・スティーブンス・グリーン駅から歩いて10分ほどの場所に位置しています。

現在、改築工事中の一角
ちなみに、左側の大きな部分については、一部の屋根の交換やサービス向上のために改築工事が行われています。 今年の6月に工事が完了する予定なので、そのときに改めてご案内したいと思います。楽しみにしていてくださいね。
美術館の館内へ

建物に入ってすぐのエントランス
それでは、「National Gallery of Ireland Millennium Wing」に入ってみましょう。 このエントランスから奥に進むと、展示室が待っています。残念ながら展示室は撮影することができないので、実際に訪れたときのお楽しみ。 ここから右手にはレストラン、左手にはミュージアムショップがあります。
美味しい食事と空間を堪能。「Wintergarden café」

エントランス脇のレストラン
レストランについては、美味しいパンやケーキの他、ボリュームのあるご飯もいただけます。 ここは入場料がかかることなく利用することができ、お昼どきになると沢山の人で賑わいます。

レストランの大きな吹き抜け
特徴的なのは、大きな吹き抜け。シンプルな建物と、カラフルな家具の組み合わせに思わず気分が高揚してしまう空間になっています。 午前中は空いていることが多く、一杯のコーヒーとパンでお腹を満たし、幸せな気分のまま、ゆっくりと展示を楽しむのがおすすめです。
展示空間へと人をいざなう、明るいエントランス

大きな吹き抜けといえば、エントランスも負けていません。 建物の材料である鉄骨の一部を見せるデザインが目を引くこの空間では、天井に切り取られた窓からはたくさんの光が降り注ぎ、くもりの日でも明るい空間を楽しむことができます。 このエントランスに立つ係員の方もとってもフレンドリー。観光客の方にはとりわけ丁寧に、この美術館のことを説明されているのが印象的でした。

今回は街歩きのあいまに、ふらっと訪れたくなるような美術館をご案内させていただきました。 「1日のうちに四季がある」とよく言われるアイルランドの気候は、寒くなったり暖かくなったり、いきなり雨が降ったりしていて柔軟に対応するというよりかは「もはやそれを気にしない」という姿勢のほうが丁度良い気がしています。 こちらで感じるアイルランドの方の温かさはこの環境と、その心持ちが由来なのかもしれない、と感じる今日このごろ。 街歩きのさなか、雨が降ってきたら、ふらっと「アイルランド国立美術館」で休憩なんていかがですか?

National Gallery of Ireland
ナショナル ギャラリー オブ アイルランド
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写真:タナカユウキ
タナカユウキ

おなかの弱い一級建築士。ライター、建築写真家。1988年岐阜生まれ。現在はアイルランドのダブリンという街に住んでいます。好きな食べ物はドーナツと、カレーライス。
アート・カルチャー
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