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2015.07.01
地元の人々を魅了し続ける小さなクッキー店―訪れるたび新しい味を
仙台市内に2店舗を構える手づくりクッキーの専門店「けんと」。地元の人々を魅了してやまない、ずっしりとしてどこか懐かしい素朴なクッキーは、誰もが喜ぶ手みやげとしても愛されています。
ハワイの母の味を再現したクッキー
地下鉄勾当台公園駅から徒歩5分。一番町四丁目商店街のアーケードから横道に入ってすぐ、赤い屋根が目をひく小さなお店が「けんと一番町店」です。5人も入ればいっぱいになってしまいそうな店内には、クッキーが入ったレトロなガラス瓶が所狭しと並んでいます。 「けんと」のクッキーは、ハワイの日系三世である店主が毎日一人で焼いています。店主の平山ケントさんが英会話講師として来日したのが34年前。懐かしい故郷のお母様の味を思い出しながらクッキー作りをはじめたのが、お店を開店するきっかけでした。
ちょっと分厚くぽってりとした「けんと」のクッキー。ヨーロッパ風のモダンで洗練されたお菓子とはまた違って、おおらかなハワイの風土を思わせる親しみやすさです。
いつも新しい味に出会えます
いちばん人気は、定番商品の「ばたあ」(430円)。ひとくち食べれば、小麦の風味がふわりと香りたち、ほろほろとくずれながら、口いっぱいにやさしいバターの香りが広がります。
「けんと」のクッキーは69種類。そのうち20種類ほどのフレーバーが日替わりで店頭に並びます。どれも基本のレシピはシンプルながら、素材の味を最大限に生かすように、小麦やバター、卵の配合率を変えているそうです。季節限定の味も多く、これから盛夏に向けては「あんず」(430円)が登場する予定。訪れるたびにさまざまな味に出会えるのもうれしいですね。
贈りものにもぴったりのラッピング
「けんと」のクッキーは、手みやげや贈りもの、結婚式の引き出物としても人気があります。世代を問わず愛されるシンプルな味わいはもちろんですが、贈答用ラッピングのほのぼのとしたデザインもその理由のひとつです。 ラッピングのデザインは、季節ごとに変わります。初夏のこの日は、白い包装紙に芍薬がプリントがされたもの。丸紐がかけられた和テイストなデザインです。家庭用の小型印刷機で刷られた、少しかすれた色あいのピンクの芍薬が、夏の訪れを気付かせてくれます。そのほかにも、お祝い事用には折り鶴があしらわれたものも。全て手づくりで、ひとつずつ心をこめて用意してます。 「けんと」はオープンから今年で30周年をむかえます。親子2世代で訪れるお客さんも少なくありません。年齢や性別を問わず長年愛されてきた懐かしい味わいの手づくりクッキー。大切な人や親しい友人への手みやげにして、みんなを笑顔にしてみませんか。
けんと一番町店
けんといちばんちょうてん
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星真知子 写真:板元義和
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