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2015.09.14
大阪みやげの新定番。 手作り最中のお店「一吉」
最中といえば和菓子の定番ですが、ラムレーズンやマスカルポーネチーズなど、さまざまな食材を組み合わせた新しい最中を創作し、人気を集めているお店があります。自分で餡を詰めて楽しむ手作り最中は、有機野菜や果実など体にやさしい食材を使っていて、どれも味わい豊かです。
小さな工房ですべて手作りで仕上げています
大阪市営地下鉄「谷町六丁目駅」から徒歩5分。谷町筋沿いに店を構える「一吉(ひとよし)」は、手作り最中のお店です。古い和菓子作りの道具が飾られた店内には粒餡小豆最中のほか、ごぼう最中や無花果最中など約8種類の最中が並んでいます。 梅の花の形をした特注の皮と手作りした餡を組み合わせて、オリジナルの最中を創作するのは店主のこまめさん。もともとクッキーなど焼菓子を作る仕事をしていたのですが、自分のお店を持とうと決めたときに、子供の頃から大好きだった和菓子のお店にしようと思い立ったそうです。それから数々の和菓子店で修業を重ねたのち、有機食材を取り入れたオリジナリティあふれる最中を作り上げました。大阪のおみやげとして選んでもらえる安心安全なおやつを作りたい、そんな思いが込められています。
味噌や醤油をアクセントにしたオリジナルの餡
左からラムレーズン最中240円、モンブラン最中380円、トマト最中340円
こまめさんが作る最中の中でも人気なのが、北海道産手芒豆(てぼまめ)を炊き上げ、国産有機白味噌とブレンドして仕上げた味噌餡の最中。なめらかな白餡に味噌の旨味や塩気が重なり、味わいが深まります。その味噌餡に甘く煮たごぼうを添えた「牛蒡最中」やラムレーズンを添えた「ラムレーズン最中」など、和菓子の枠を越えた意外な組み合わせですが、食べるととても相性がよいことに驚かされます。秋冬限定の「モンブラン最中」は、味噌餡とラムレーズン、醤油をほんのり効かせた渋皮栗甘煮、マスカルポーネチーズを組み合わせたもの。味噌餡に熟成させたバルサミコ酢とドライトマトを組み合わせた「トマト最中」は酸味がアクセントになった季節限定の最中です。
アイスやフルーツを使った限定最中や新作も登場します
アイス最中プレーン350円、抹茶360円
暑い時期になると登場するのが、有機豆乳アイスクリームと味噌餡や粒餡小豆をはさんだ「アイス最中」。秋は巨峰、春は苺など季節の果物を丸ごと入れた「フルーツ最中」も、酸味や甘味との組み合わせが楽しい限定品です。この秋は、抹茶の風味を効かせた求肥(ぎゅうひ)とほっくりと炊いた甘さ控えめの粒餡小豆、マスカルポーネチーズと、和と洋を組み合わせた新作最中も登場するとか。最中は1個から販売しているので、できたての最中を店頭で頬張る人も多いそうです。
この秋の新作最中
安心できる食材を使った大阪みやげ
「一吉」の最中はすべて餡と皮を別々に包装し、最中の味わいの要であるパリパリの皮が楽しめるようにしています。餡はプラスチックの容器に入っているので4~5日は冷蔵保存が可能です。自分で餡を詰めて、できたての最中が楽しめるので手みやげにぴったりですね。 ほかにも味噌餡を包み、有機イチジクとくるみを添えた「味噌餡饅頭」(5個660円)や有機バナナをたっぷり使った「バナナケーキ」(1320円)など日持ちのするお菓子もおすすめです。国産の小麦や蜂蜜、バターを使って仕上げています。
昔ながらの建物が多く残る空堀商店街にほど近い、古いビルの一角にある最中屋「一吉」。街の老舗昆布店の昆布や、こまめさんの家族や友人から送られてくる野菜や果実を使った最中を販売することもあり、この土地ならではの素材を活かした楽しい最中に続々とファンが増えています。グルメな人もきっと満足してくれる手みやげになりそうですね。
一吉
ヒトヨシ
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田口真由美
Writer
田口真由美
好物は古いものと発酵したもの。名古屋を拠点に町や人、美味しいものを訪ねる日々を過ごしています。
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