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2018.10.06
【東京】10/16-1/20|ルーベンス展―バロックの誕生
名作アニメ「フランダースの犬」でネロが見たかった祭壇画の作家、ペーテル・パウル・ルーベンスは17世紀ヨーロッパを代表する画家のひとり。この秋、ルーベンスの作品を同時代のバロック美術とともに紹介する、近年では最大規模のルーベンス展が、上野の国立西洋美術館で開催されます。
バロック美術を代表する画家・ルーベンス

ペーテル・パウル・ルーベンス ≪眠る二人の子供≫ 1612-13年頃 油彩/板 東京、国立西洋美術館
ペーテル・パウル・ルーベンス(1577~1640年)は、壮麗華美なバロック美術様式が栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家です。由緒ある家柄の出身にも関わらず、絵画の修業に熱心に取り組み、最先端の美術を学ぶためイタリアに留学。 故郷・アントウェルペンへ戻り宮廷画家となりますが、画業のみにとどまらず、ヨーロッパ各地へ赴き外交官としても活躍しました。
近年では最大規模のルーベンス展です

ペーテル・パウル・ルーベンス ≪エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち≫ 1615-16 年 油彩/カンヴァス ファドゥーツ/ウィーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション ©LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
第1章では、「ルーベンスによる古代美術とイタリア美術の学習」というテーマで、古代彫刻や16世紀の作品のルーベンスによる模写などを展示。第2章の「宗教画とバロック」、 ギリシア神話、ローマの伝説などに基づく第7章の「神話の叙述」など、展覧会は7つの章で構成されています。
公私にわたって描かれた、様々な性格の肖像画

≪クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像≫ ペーテル・パウル・ルーベンス 1615-16年 油彩/板で裏打ち したカンヴァス ファドゥーツ/ウィーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション ©LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
第3章「肖像画」では、仕事としての公的な肖像画のほか、家族や親しい人々を描いたものまでを展示。最初の妻との間に生まれた長女を描いた「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」や、ルーベンスの甥と姪を描いたとされる「眠る二人の子供」など、温かみを感じる作品も見ることができます。
ルーベンス作品と、同時代のバロック美術の相互関係に注目

ペーテル・パウル・ルーベンス ≪マルスとレア・シルウィア≫ 1616-17年 油彩/カンヴァス ファドゥーツ/ウィーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション ©LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
イタリア美術から影響を受けたルーベンスは、のちにイタリア・バロックの芸術家たちにも影響を及ぼしていきます。展覧会では、古代彫刻や彼に先行する16世紀のイタリアの芸術家の作品なども合わせ、双方の関係に焦点を当てています。 生き生きとした濃密な表現や、古代彫刻から着想を得たヌードや神話の主題を通して、光と動きにあふれるルーベンスの作品とバロック芸術の魅力に迫ります。
ネロとパトラッシュが見たかった傑作を再現

≪聖母大聖堂≫ ベルギー・フランダース政府観光局提供
ルーベンスの作品の中には、今も聖堂に飾られており、その大きさと貴重さから、日本には輸送できない多くの傑作があります。あの『フランダースの犬』でネロとパトラッシュが最期に見たアントウェルペンにある聖母大聖堂の絵画「キリスト昇架」も、輸送が困難な作品のひとつ。 今回、国立西洋美術館内ロビーにて、4Kカメラで撮影した「キリスト昇架」を原寸大に近い大きさで再現を試みます。聖母大聖堂で録音された、極上音質の音と合わせて、聖堂内の静謐な空気感を体感できますよ。
ルーベンス展―バロックの誕生
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