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2018.12.31
カラフルな小倉トーストにキュン!懐かしいのに新しい、老舗喫茶の原点「KAKO 花車本店」
名古屋で初めて自家焙煎コーヒーを始めたと言われる「KAKO 花車本店」は、1972年創業の老舗喫茶店。ここの看板メニューである色とりどりの小倉トーストが今、SNSで注目を集め、女性客を中心にブームになっています。ステンドグラスやアンティークの家具が置かれたレトロな雰囲気や手づくりにこだわったメニューの数々、ていねいに淹れる自家焙煎コーヒーなど、古くから愛され続ける魅力はさることながら、新たな客層からの支持も厚い、懐かしさと新しさが融合したお店です。
隠れ家的な店構えとレトロな内装が趣たっぷり
ビルの一角にある昭和レトロな外観を目印に
「KAKO花車本店」は、地下鉄桜通線「国際センター」駅から南へ3分ほど歩いた場所にある花車ビルの一角にあります。ここは、名古屋駅から徒歩圏内にありながら柳橋市場が近く、昭和レトロな下町感が漂うエリア。江川線から1本入ったところにひっそりと佇む外観が、老舗喫茶ファンには堪らない隠れ家的な雰囲気を醸し出しています。
ステンドグラスに似合う海外製の小物たち。席には「甘い水」と書かれたシロップも
店内はステンドグラスや年代物の家具、小物などがセンスよく配され、ヨーロピアンアンティーク調で統一されています。「太陽の位置によってステンドグラスから差し込む光の感じが変わるので、店内に季節や時間ならではの彩りを添えてくれるんですよ」とマスターの土屋さん。店にある小物やカップ&ソーサーは、いずれもこつこつと集めたこだわりの品々とのこと。
全18席のこぢんまりとした店内。落ち着いた木の質感が心地いい
乙女心をくすぐる、色とりどりの小倉トースト
シャンティールージュスペシャルの一例。この日のジャムはオレンジマーマレード(手前)、キウイと白ワイン、フランボワーズバナナ、柿とバニラ
注目のメニューは、SNSでも話題の小倉トースト「シャンティールージュスペシャル」(600円)。4つにカットされたトーストの上にそれぞれ異なる手づくりジャム、生クリーム、自家製あんこが乗った、見た目にもおいしいスイーツです。このメニュー目当てに、週末には店の前に長蛇の列ができるほど。食べてみるとあんこは意外にも甘さ控えめで、それぞれのジャムの味わいをしっかり楽しむことができます。
オレンジマーマレードの酸味とあんこの甘さがマッチする
4種類のジャムは季節によって変化するものの、創業当時からつくっているというオレンジマーマーレードは必ず登場。約1週間かけて添加物を使わずに煮込む製法により、マーマレード独特のえぐみを感じない、爽やかな味に仕上がっています。
ランチメニューや販売商品にも注目
スープランチの一例。この日はツナと根菜の和風ミルクスープ
ランチタイムには日替わりの「スープランチ」(880円)が登場。季節感あふれるスープにパン2種類とフルーツがつきます。プラス料金で好みのジャムやクリームチーズを添えることも可能。ランチは数量限定のため、早々と売り切れになることも。そのほか店内では、手づくりのジャムはもちろんのこと、ジャムを使ったお菓子やコーヒー豆の販売もしています。
手づくりジャム(900円〜)は、季節ごとにラインナップが異なる
「何でもないものが一番おいしい」をポリシーに
スイーツやランチのおともに味わいたいのは、創業から40年以上にわたり愛され続けている自家焙煎コーヒー。「コーヒーはお刺身と同じナマ物なんです」と土屋さんが語るように、何よりも豆の鮮度にこだわり、その日に淹れる分のみを自家焙煎。店内で挽いた豆を約85℃のお湯でていねいにドリップし、提供前に温めてサーブします。「ドリップしてから少し時間を置くことで、味が落ち着いてこってりするんですよ」。
約8杯分を一度にドリップ。店内はいつでもコーヒーの香りで満たされている
もちろん鮮度だけでなく、厳選豆の中でも上質なものだけをハンドピックしたり、活性炭で浄化したまろやかな水を使用したりと、一つひとつの素材に対する最上級を追求。「何でもないものが一番おいしい」という言葉の通り、奇をてらったり流行を追い求めることなく、スタンダードなおいしさを最大限に高めることをポリシーにしています。
自家焙煎コーヒーを片手に、古き良き喫茶の魅力に浸ってみては
「創業当時は、名古屋の喫茶店といえばモーニングの時代。個人店で自家焙煎コーヒーを扱う店はなかったので、生豆の仕入れに苦労しました。今、SNSで話題になっているのはありがたいですが、うちとしては昔から“おいしさを追求する”ということを貫いてきただけなんです」と笑顔で振り返る土屋さん。写真映えよりも、食べておいしいことが大前提。それが、40年以上変わらないKAKOのこだわりです。
KAKO 花車本店
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関谷知加
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