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2019.08.09
【東京】7/20-10/9|伊庭靖子展 まなざしのあわい
思わず触れたくなるようなモチーフの質感や、その周りで揺れ動くような柔らかな光。美しい曖昧さと不思議な立体感を持ったこの絵を描いたのは、自ら撮影した写真をもとに、画家の眼とモチーフの“あわい”(間)を表現する現代画家の伊庭靖子さん。 現在、上野にある東京都美術館で開催中の「伊庭靖子展 まなざしのあわい」では、伊庭靖子さんが創り出す美しい世界観で描かれた作品と出会えます。

都内初&10年ぶりとなる美術館での個展です

伊庭靖子、Untitled 2006-06、油彩・カンヴァス、MA2 Gallery蔵
伊庭靖子さん(1967-)は、出身地である京都を拠点に活動する画家。 触れたくなるようなモティーフの質感や、その周囲の光を描くことで、 その景色を表現し続けてきました。 東京の美術館では初の個展となるこの展覧会では、東京都美術館で撮影した写真をもとにした絵画をはじめ、版画を展示。また、新たな試みとして挑んだ新作の映像作品も発表されています。

画家の眼とモティーフのあわいにある世界を表現

伊庭靖子、Untitled 2018‐01 、油彩・カンヴァス、 eN arts collection 蔵 撮影:タケミアートフォトス
伊庭さんの絵画は、一貫して自ら撮影した写真をもとに制作するスタイル。 「タイトルに「まなざし」とありますが、さまざまに“見る方法”を試しながら制作を続けています。これまで実験を繰り返すなかで、自分の想像を超えるものとも出会うことができました。“見る”ことを解体し組み直すことで、日常のなかでも新たな見方に出会えるかもしれません。」と、展覧会についてコメントを寄せています。

新作を中心に、52点の作品を展示

伊庭靖子 制作風景
この展覧会の開催が決まった2016年春から、3年以上の時間をかけて準備を行ってきたのだそう。会場では、絵画、版画、映像の新作を中心に52点の作品を展示します。

伊庭靖子、Untitled 2009‐02 、油彩・カンヴァス、東京都現代美術館蔵
自ら撮影した写真をもとに制作するスタイルはそのままに、 近年は、それまで接近していたモティーフとの距離が少しずつ広がってきたという伊庭さん。 空間や風景といったものへの関心が高まり、まわりの風景が広がることで、作品は新たな展開を見せています。

初挑戦の映像作品にも注目

伊庭靖子、grain #2018‐2 、シルクスクリーン・紙、 Courtesy of Gallery Nomart
今回初めて発表される映像アートは、立体視を用いた作品です。 光に満ちた静謐な空間を描く絵画とはかけ離れたようも見えますが、人の眼がとらえる対象との間にある、光、大気、雰囲気などへの関心は同じです。ぜひ体感してみてくださいね。
伊庭靖子展 まなざしのあわい Yasuko Iba, A Way of Seeing
https://www.tobikan.jp/yasukoiba/
〇一般 800円 ほか
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朝光洋理
アート・カルチャー
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