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2019.09.25
日本橋で季節のおもてなし。カウンターで作られる自分だけの和菓子「鶴屋吉信 東京店」
日本橋のコレド室町にある「鶴屋吉信 東京店」は、京都発祥の老舗和菓子店。店内の一角には、職人が生菓子作りを実演する「菓遊茶屋(かゆうぢゃや)」が併設されています。 熟練の和菓子職人による生菓子づくりを目の前で見ることができると聞いて、日本橋を訪れてみました。
かつての江戸の中心地・日本橋で京菓子文化を伝えています
「菓遊茶屋」のカウンターは7席(予約不可)。奥の茶房とはメニューが異なる
地下鉄・三越前駅からすぐの日本橋にある3棟からなる複合施設「コレド室町」。中央通りに面した1階に、享和3(1803)年に京都で創業した和菓子店「鶴屋吉信(つるやよしのぶ)」の東京店があります。 お店には「菓遊茶屋(かゆうぢゃや)」を併設。カウンターでオーダーすると、菓子職人が季節の上生菓子をその場で作ってくれます。職人による和菓子作りを見ることができるのは、京都本店以外ではこちらの東京店だけです。
華麗な手さばきの和菓子作りをカウンター越しに鑑賞
京菓子のベースとなるこなし生地は、こし餡をベースに蒸したもの
「さあ、作っていきますよ」と、職人さんがピンク色のこなし生地を手に取り、転がすように広げて、核となる白あんを包み花の形を整えていきます。その流れの早いこと!するするっ…と指先を巧みに動かし、ヘラで素早く花弁の切り込みを入れ、黄色の花芯をそうっとのせ、「どうぞ」。 その熟練の手業に見とれていると、あっという間に美しいコスモスの花の完成です。
作りたての和菓子を抹茶とともにいただきます♪
「お抹茶と季節の生菓子」(税別 1300円)
黒文字で切っていただくと、きめが細かくしっとりしたこなしと備中白小豆の白あんがさらっとした上品な甘さ。大ぶりの茶碗に点てられた京都の老舗茶舗・一保堂の抹茶のほろ苦い味わいとよく合います。
2019年9月の後半は「里の秋」「秋桜」「あきくさ」の3種類
作りたてのおいしさに感動していると「菓子というのは、お茶をおいしくいただくために考案されたものなんだよ」と、職人さん。だから一緒にいただくとお互いの持ち味を引き立て合うんですね。 和菓子やお茶に関することを職人さんから直に伺えるのも、カウンターならではの楽しい時間です。
和スイーツをおともに、ゆったり過ごせる茶房
「クリームあんみつ」(税別 1100円)のアイスは、プラス50円(税抜)で抹茶アイスに変更も可能
奥のテーブル席は、ぜんざいやかき氷などの甘味がいただける茶房。和紙の照明や土壁を使った店内は、茶室のような和の雰囲気です。 茶房で人気の甘味のひとつが「クリームあんみつ」。 バニラアイスとほくほくに焚き上げたつぶ餡の甘さと、なめらかな寒天、作りたての白玉を好みのバランスでスプーンにのせてどうぞ。赤えんどう豆の塩気やお店の銘菓である「柚餅(ゆうもち)」のアクセントも楽しいひと品です。
贈り物や3時のおやつに。豊富な和菓子が並ぶショーケースものぞいて
「季節の生菓子」(税別 400円)。持ち帰って午後のお茶のおともにも
ショップでは、手みやげにぴったりの和菓子がそろいます。 ちょこんとかわいらしい「季節の上生菓子」も、意匠が豊富です。(※「菓遊茶屋」の上生菓子とは種類が異なる)こちらは、「生菓子とお抹茶」(税別 1100円)として、茶房でいただくこともできますよ。
左の餡(小倉あん・こしあん・抹茶あん/税別 500円)と右の最中種(税別 650円)を組み合わせて
東京店限定の「IROMONAKA」は、一口サイズの最中に、自分で餡を詰めるスタイル。マカロンのような色合いも可愛らしいので、友人へのプレゼントにするのもいいですね。
どこを切ってもコスモスが散りばめられた「秋桜の小径」
「秋桜(こすもす)の小径」(税別 1200円)は写真に撮りたくなるかわいさ
おもてなしやプレゼントにすると話が弾みそうな、かわいらしい羊羹を見つけました。「秋桜の小径」は、コスモスが揺れる、秋の野の情景をあらわしています。 琥珀羹の中にピンクのグラデーションのコスモスが浮かび、その下の層は抹茶の羊羹です。棹のどこを切っても花が残るので、切り分けるときの大きさにも悩みません。 濃厚な抹茶羊羹の味わいは、緑茶はもちろんコーヒーとも相性ばつぐんです。
もっと和菓子が好きになる体験を
ショッピング途中に休憩したり、贈り物えらんだり、幾通りもの楽しみ方がみつかる「鶴屋吉信 東京店」。「菓遊茶屋」でのライブは、お茶好きな方や、日本文化に興味がある外国の方への、“体験するプレゼント”としてお誘いするのもいいですね。 訪れると、もっと和菓子が好きになりますよ。
鶴屋吉信 東京店
ツルヤヨシノブトウキョウミセ
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朝光洋理 写真:小林利穂
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