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2019.09.01
時間の流れがゆったり。旧東海道のノスタルジックな建物で香り高い日本茶を楽しめるカフェ「茶箱」
「茶箱(ちゃばこ)」は、旧東海道品川宿の面影を残す南品川の商店街で2018年12月にオープンした日本茶専門カフェ。かつて理容室を営んでいた店舗をリノベーションした店内はレトロモダンな雰囲気で、心がほっと落ち着く場所。静岡や京都産の茶葉を使って急須で1杯ずつ丁寧に入れた日本茶と職人が手作りした創作和菓子をゆっくりといただけます。
昭和の理容室を再利用した日本茶カフェ
旧東海道の街並みに溶け込む木造建物。軒先に下がったやかんが目印。1階と2階にテーブル席がある
京浜急行新馬場駅から歩いて3分ほど。昔ながらの小売店や寺社が点在する商店街が伸び、下町情緒を感じながらの散歩が楽しい旧東海道の通りに「茶箱」はあります。 30年前まで理容室だった店内は、当時の大きな鏡やガラス窓、木の壁などをそのまま利用。レトロモダンな佇まいの中で茶箱を利用したテーブル席の椅子に腰かけ、窓の外の旧街道を行き交う人を眺めていると、時間がゆったりと流れているのを感じます。
あたたかな風合いの茶箱のテーブル席で、近隣の人や旧東海道を散策する人がひと休みしていく
品川の魅力を発信するwebサイトの制作など、この地域と関わってきた4人のクリエイターの方々が共同経営。同じく旧東海道上にあり、お茶処の静岡県掛川市のイベントも手がけたことから、この店舗で日本茶の文化をもっとたくさんの人に届けようと開店しました。
個性豊かなお茶を急須で1杯1杯丁寧に
この日お茶を入れてくれたのは共同経営者の1人、デザイナーのヨシツグシュンペイさん
こちらでいただけるのは掛川産「ほうじ茶」(350円)、京都府宇治産「浅蒸し茶」(450円)、愛知県豊田産「和紅茶」(450円)など、個性のある6種類。掛川のお茶農家の方においしいお茶の入れ方を習い、旨み成分を最も抽出できるようにお湯の温度や時間を変えています。 おすすめの掛川産「深蒸し茶」は口あたりがまろやかで、甘みにコクがあります。ふだん飲んでいるお茶とは風味の豊かさが違い、お茶ってこんなにおいしいものなんだと言う人が多いのだとか。2煎目は1煎目より高い温度のお湯で入れることで、味わいが変化します。
お店で炊いたあんとバニラアイスを挟んだ「アイス最中」(150円)、「冷茶(茶箱ブレンド)」(400円)
暖かい季節には水で抽出したお茶も用意しています。掛川産「冷茶(茶箱ブレンド)」は強火で火入れした茶葉を使用しているため、さわやかな香りが鼻に抜けます。お湯で入れたものより渋みや苦みが出にくく、すっきりとした味。お茶の旨みに深みがあります。
おともは新しい味わいのオリジナル和菓子
「深蒸し茶」(400円)と「レモン大福」(250円)。今後、新作の和菓子も登場する予定
スタッフの和菓子職人による創作菓子も、お茶と一緒に味わってはいかが。人気の「レモン大福」はもっちりとろける餅でレモンの果汁とピール入りの白あんを包み、さっぱりとした味。あんに入ったクリームチーズのコクがアクセントになり、後引くおいしさです。
「ナスのようかん」(250円)。和菓子は持ち帰りもできる。掛川産茶葉の販売も
「ナスのようかん」は、白あんにナスのコンポートを閉じ込めています。ナスの食感が洋ナシのようにサクサクとして、ほのかに感じるナスの風味と上品な甘さの白あんの組み合わせも新しい味わい。お茶との相性もよく、和菓子の多様さにあらためて気づきます。
茶器の販売やワークショップ開催などさまざま展開
ギフト用のミニ茶箱は小物入れなどにもぴったり。「3RD CERAMICS」の茶器や花器も販売
「茶箱」では茶器にもこだわり、岐阜県多治見にアトリエを構える陶磁器ブランド「3RD CERAMICS(サードセラミックス)」に作ってもらっている急須やマグの販売も。洗練されたデザインながら素朴な温もりも感じられ、つい手に取りたくなってしまいますよ。 また、スタッフによる和菓子作りやスマホ撮影のワークショップ、イベントも開催。月2〜3回、お茶を使ったオリジナルのお酒を提供する「茶箱BAR」も開店します。お店のフェイスブックやインスタグラムでお知らせしているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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森田奈央 撮影:彌永浩次
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